東電福島MOX差止裁判・MOX燃料疑惑

裁判資料:証拠説明書(5)■02/23提出(03/03up)

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証拠説明書(5)

 

1 甲第131号証 関西電力の高浜原発4号機の原子炉設置変更許可申請書(抄)

 ペレットと被覆管の間のギャップを設ける理由を、「ペレットから放出される核分裂生成ガス、ペレットと被覆管との熱膨張差、燃焼に伴うペレット密度変化等により被覆管やシール溶接部に過大な応力が加わるのを防止するため、ペレットと被覆管に適当な間げきと燃料棒にプレナム部を設ける。」と説明している。(準備書面(6)P2第一の一の2)

 

2 甲第132号証 IAEA(国際原子力機関)MOX会議(1999年5月)にて発表された論文(抄)

 ベルゴ社職員がベルゴ社デッセル工場について「工程中の乾式リサイクルに回されるスクラップの割合を18%にまで最大化」と述べていることから明らかなように、P0で製造されたMOX燃料では、マスターブレンドに含まれるスクラップの量は最大で18%となっている。(準備書面(6)第一の二の5)

 

3 甲第133号証 燃料安全研究1999 2000年7月日本原子力研究所(抄)

 日本原子力研究所の燃料安全研究についての最も最近の研究報告で、最新のNSRR実験等の研究報告がなされている。

 

P1…この研究報告書のはじめにの部分で「燃料の高燃焼度化とプルサーマルの本格化に際しては、燃料の健全性と安全性を十分に検討・確認する必要があるが、現状ではこのための知見は必ずしも十分ではない。例えば、プルサーマル計画に対しては、これに早期に着手する必要性から、装荷量及び燃焼度に対して強い制限を設けることを条件として、原子力安全委員会は一応安全性の問題は無いとの結論を下しているが。しかしながら、特に燃焼の進んだ混合酸化物(MOX)燃料の事故時の挙動に関する知見に関しては、フランスCABRI炉で得られた少数の実験結果と最近NSRRにおいて実施している低燃焼度ATR−MOX燃料を対象とする実験から得られつつあるものを除き、具体的なものが無い。」と述べることにより、MOX燃料については、特に燃焼が進んだ高燃焼度領域での燃料の健全性と安全性について、確認・検討することの必要性が、最近のウラン燃料の実験による知見によって明らかにされながら、これが行なわれていない状態にあることを明らかにしている。(準備書面(6)第二の四の7)

 

P10…原研の研究報告は、ガスの放出を、低燃焼度BWRウラン燃料の実験(FK-1〜3)と比較し、実験をおこなった熱量(燃料エンタルピ)の条件では、「ATR燃料の結果は、FK燃料の2〜4倍であ」ったことを指摘している。さらに「CABRI実験ではMOX燃料のパルス照射時挙動の特徴として高いFPガス放出率が報告されており」と、フランスのカブリ炉での実験でもMOX燃料でガスの放出率が高い事実が得られたことを指摘している。実験により放出されたガスは、ウラン燃料よりもMOX燃料のほうが多い事実を確認している。これはPCMIに寄与するガスの効果がウラン燃料よりもMOX燃料の方が大きいことを意味する。(準備書面(6)第二の四の3)

 

P11…ATR用MOX燃料を用いた実験に関連して、MOX燃料特有のプルトニウムスポットがPCMI破損に与える影響について、「燃料ペレット全域にわたり直径10〜40μm程度のPuスポットが見られる。Puスポット位置では、FPガスが蓄積されていたと思われる数十ミクロンの大きな空洞(ボア)が見られる。またPuスポットを起点としたクラックの生成や、直径約100μmに膨張したボアの存在が観察される。さらにペレット外周部ではPuスポット周辺に、リム組織が観察されるが、この気孔内にはFPガスがたまっているものと考えられる。…このように、…プルトニウムやPu中の空洞及び…ペレットミクロ組織の変化がペレットのスエリングに寄与したと考えられる。すなわち、高いエンタルピ条件でパルス照射した場合には、燃料棒の大きな変形を引き起こし、結果的に高率のFPガス放出を生じさせた原因になったと考えられる。」と述べており、直径10〜40μm程度のPuスポットでもPCMI破損に寄与することが指摘されている。(準備書面(6)第二の四の4)

 

P18…「燃焼の進んだ燃料では、被覆管が酸化・水素吸収、中性子照射等により脆化しているため、反応度事故時のペレットの急激な膨張によって被覆管が脆性破壊するPCMI破損が低い燃料エンタルピで発生しうることが明らかになっている。」と述べ、燃焼が進んだ燃料でPCMI破損が容易に起こる原因に、被覆管の脆化を挙げている。(準備書面(6)第二の五の6)

 

P19…「照射済燃料におけるPCMIに寄与するものとしてペレットの熱膨張及びFP(Fission Products:核分裂生成物)ガスの熱膨張が挙げられる。被覆管温度が上昇したNSSR実験においてFPガスの膨張による大きな変形がみられ、照射後測定によりFPガスの効果が明らかになっている。」と述べ、核分裂生成ガスが、燃焼が進んだ燃料におけるPCMIに寄与することが実験により明らかになったと指摘している。(準備書面(6)第二の四の3)

 

P19…「燃焼が進むとPWR型、BWR型などの燃料型式の相違に拘わらず、被覆管のクリープダウンにより燃料ペレットと被覆間の間のギャップが小さくなりPCMI破損の発生が容易になる。」との記述があり、ギャップがPCMI破損に寄与することが指摘されている。(準備書面(6)第二の五の2)

 

4 甲第134号証ノ1 河北新報 2月7日付

5 甲第134号証ノ2 福島民報 2月7日付

 「佐藤知事は東海村の臨界事故や関西電力のプルサーマル用燃料のデータ改ざん問題を挙げて「東電の問題ではないが、(国民の)理解を超えることがおきた。原子力発電は水平展開することが重要。残念ながら、理解が進んでいるとは思えない」と述べた。」これは、本件MOX燃料の品質問題は、はじめからBNFL事件とは全く関係がないとする債務者の主張に対する批判ともとれる。

 知事はこれまでも、「(プルサーマル)計画について、県民の理解が進んでいない」「率直に言って、国民の理解は戻っていない」(135ノ3)と繰り返し述べていたこうした県の姿勢は、本件プルサーマル計画に対する県民の不安と不信を反映したものであり、債務者が本件MOX燃料の品質問題に対して、「裁判で丁寧に答弁」するように(甲56)、との県の要求に背を向け、データの公開を拒否し、公開のための努力を全く行わず、不正の疑義を払拭する努力を全く行なわなかったことが原因の一端にある。(準備書面(6)第一の七の9)

 

6 甲第135号証ノ1 福島民友 2月9日付

7 甲第135号証ノ2 福島民友 2月10日付

8 甲第135号証ノ3 毎日新聞 2月11日

9 甲第135号証ノ4 福島民友 2月11日

10 甲第135号証ノ5 福島民友 2月11日

 債務者は、2月8日、建設中を含む発電所の新規建設計画を原則として3〜5年凍結することの方針を発表した。電力自由化時代を迎え、電力需要低迷の中、過剰設備が将来の経営を圧迫すると判断したためと説明された。佐藤栄佐久福島県知事は、国外から「当然プルサーマルも(凍結)に含まれるものと考える」とコメントした。2月10日、仙台空港での会見で知事は「原子力政策全体について見直す時期で、1年くらいは県民の皆様の意見を聞いていきたい。」と語り、報道は「東電は、福島第1原発3号機(大熊町)でのプルサーマル計画を4月の定期検査に合せて実施したい考えだが、佐藤知事のこの日の発言は、同計画を含めた原発についてこれまで以上に強い慎重姿勢を示したもので、同計画の実施が大幅に遅れる見通しなった。」と、本件プルサーマル計画の大幅な遅れが必至であることを伝えている。(準備書面(6)第一の七の9)

 

11 甲第135号証ノ6 朝日新聞福島版 2月15日

12 甲第135号証ノ7 朝日新聞東京本社社会面 2月15日

 2月14日には福島県の電源地域である相双地方の市町村議会議員研修会で、14市町村の議員・首長ら200人を前に、さらに踏み込んだ発言を約1時間に亘って続けた。東電では、発電所の凍結方針は経営上の理由とし、「凍結とプルサーマルを結びつけるのは理解できない」と反応してる。(準備書面(6)第一の七の9)

 

13 甲第135号証ノ8 福島民友 2月18日

14 甲第135号証ノ9 読売新聞福島版 2月20日

 19日には自民党県連も東電に説明を求めている。(各紙)経営上の理由といいながら、凍結方針発表の翌日には原発増設は例外、と修正した東電の姿勢に批判や不満が続出したという。この中で知事は「プルサーマルの実質上無期延期ともとれる発言をした」。(準備書面(6)第一の七の9)

 

15 甲第136号証ノ1 福島民友 1月5日

16 甲第136号証ノ2 福島民友 1月5日

 今年正月の仕事始め式のさい、幹部職員を相手に知事は、今後数年が明治維新、戦後改革に次ぐ第三の変革期になるとの認識を披露し、「当たり前のように思っていたことの本質まで踏み込み、あるべき姿勢を常に持ち続けてほしい」と訓示した。国政に口を出さず、県の立場のみを主張してきた知事の変貌である。県民900名余を含む1900名余の原告が投じた本件仮処分申請という一石が、プルサーマルやMOX燃料に対する危険性への認識を喚起したことも一因として、私たちはこうした動きを歓迎する。住民がその生命と営みの安全を希求することの正当性を保証する処分決定をもって、裁判所もまた新しい時代の一石となることを期待したい。

 

17 甲第137号証 報告書 環境ジャーナリスト アイリーン・スミス氏

 今年1月20日付フランスのル・モンド紙は、不正による異常があってもそれを隠してしまうように加工を要求したのは、ベルゴ社の側ではなく、債務者自身であったことを示す記事を掲載し債権者はそれを証拠として提出した。(甲117)それに対し、債務者はイヴォン・ヴァンデルボルクMOX部長が債務者にあてた1月26日付の手紙を提出し、記事の内容が事実とは異なるとの主張している。 

 環境ジャーナリストのアイリーン・スミス氏がこの記事を書いた記者に尋ねたところ、ベルゴ社は会社としてル・モンド社に対して公式な記事の訂正を求める申し入れをしていないこと、ル・モンド氏の記者は小山証人の主張をよく理解した上で取材しており、MOX部長の発言を誤解していないことが明らかとなった。

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