東電福島MOX差止裁判・MOX燃料疑惑

裁判経過報告:第2回審尋をめぐる動き(10/06up)

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東電福島MOX差止裁判 第2回審尋をめぐる動き

10月3日 ふくろうの会

9月18日に第2回の裁判が開かれ、原告側と東電側が顔を合わせるはじめての双方審尋がなされた。原告側からは、弁護士3名と林さんはじめ原告が10名余り、東京電力側からは弁護士3名と社員5名が出席した。

 

追加申立

 9月10日まで追加募集をした原告は、前回と合わせて1107名、その内福島県民が214名となり、この第2回裁判の際に第二次の申立を行った。

 

裁判所は東京電力にもっと具体的に反論するように求めた

東京電力は第2回の期日直前の9月14日になってようやく答弁書を提出した。私たちの申立の棄却を求めるものだが、その特徴は、申立理由についてはほとんど認否らしい認否を行わず、また私たちの「本件MOX燃料ペレットの抜取検査において不合格率がゼロであったという検査結果は、統計学的に不正なしにはあり得ない」という主張に関しては、これがBNFL社での不正をあてはめただけの憶測と決めつけ、反論を放棄していることである。この日の裁判の冒頭でも、東京電力は、答弁書の趣旨説明において▽債権者(原告)の主張は関電の事件が前提であるが、加工会社が違う。一般的な推測や憶測をしているだけで常識、経験側に照らしても誤っている。▽関係官庁である通産省の手続きを経ている。この手続きを意味のないものとするのは常識経験則上誤っている。発想の出発点に問題がある。▽答弁書で問題点は網羅しており、むしろ積極的に自分たちの主張を展開している。反論はこれで十分である。といった点を強調した。

私たちは18日に間に合うように準備書面を速攻で作成し、私たちの主張が事実と一般的理論に基づいたものであることを説明し、東京電力に対して、具体的に反論するよう求め、裁判の場でもそれを主張した。

裁判は3時間半にもおよんだ。裁判所は、私たちの主張の理解に努め質問を繰り返し、東京電力は反論の口を挟んだ。裁判所は、東京電力に対しより具体的な反論を書面にするように求め、東京電力はこれを承知せざるを得なかった。

 

データ非開示はベルゴ社の言いなり

東京電力は再調査においてどこまで、データに遡っての確認をしたのか。政府答弁書において「作業員が人為的にペレットを回転させるなどして、合格範囲のデータが得られるまでペダルを踏まずにデータを入力しなかった場合、ベルゴ社の品質部門の人間はどのようにしてその事実を把握することができるのか。また、別の人間が外径測定を評価する場合に、測定された数値でなく、その測定が不正に行われたか否かということをどのようにして認識するのか」という質問に対し、国が「通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社において、MOX燃料ペレットの外径測定は品質部門で行われているところ、測定担当の人間が御指摘のような操作を行った場合、別の人間がその事実を把握することはできないと聞いている。」と回答しているように、MOX燃料の検査時に不正を防ぐ手段はなかったことは明らかである。となると、不正の有無をデータの詳細な分析によって明らかにする以外にない。東京電力が2月報告書に添付したデータには不正があってもそれが隠れてしまうような「加工」が施されていることを、私たちは申立書において指摘している。

裁判所もこの問題に関心を持ち、裁判の場で東京電力に対して繰り返し、データの存在と確認状況についての質問を行った。そして、こうしたデータの加工を、すべてベルゴニュークリア社が行ったこと、こうした加工に積極的な意味はないことが東京電力によって明らかにされた。裁判所は、東京電力自身がデータをどこまで確認しているのかについての詳細を明らかにするように求め、東京電力は即答できずに後日回答すると述べた。

私たちは企業秘密を楯にとった情報隠しを批判し、ベルゴニュークリア社の言いなりになっている東京電力が「買い手の権利」を行使しないことを問題であると指摘した。

 

国の合格証では品質は保証されない

 東京電力は答弁書において、8月10日に国の輸入燃料体検査の合格証を受けたことを、MOX燃料の品質保証の拠り所としている。しかし同時に東京電力側から証拠として提出された、8月1日付けで東京電力が国に提出した品質管理についての説明書には、東京電力が今年2月に提出した報告書の中身以上のものはなかった。品質保証の確認は電気事業者まかせとなっており、国がデータに遡っての独自の確認をしていないことは、政府答弁書からも明らかである。むしろ、BNFL事件を「教訓」にして、自らに責任が及ばないように独自の調査をしないでおくというのが、今国が取っている姿勢である。国の合格証はなんらの品質保証にもなり得ない。私たちは準備書面でこうした点を主張した。

 

裁判中は燃料装荷を見合わせよ

裁判所は、年内に3回の予定を入れたいとし、10月27日、11月28日、12月26日の期日が決まった。これを受けて河合弁護士より、年内いっぱいまでは裁判は継続するので、司法を尊重する姿勢から、その間の燃料装荷は見合せるよう東京電力に要請した。東京電力側弁護士は「私は判断する立場にない」と返答した。

 裁判所は、東京電力に具体的に反論するように求めこれを認めたこと、そしてデータの確認状況について問いただした。おざなりの答弁で済ませ、具体的な中身には触れないという東京電力の当初の目論見は完全に崩れたのではないだろうか。

 またデータの開示が不十分であることは、裁判の周辺でさまざまな動きを引き起こしている。新潟県柏崎市長は、ベルゴニュークリア社に直接調査に赴く姿勢を示した。また、柏崎市議会は、情報公開をもとめる意見書を採択した。ベルゴニュークリア社の秘密主義はベルギー国内でも問題となっており、ベルゴニュークリア社のあるデッセル市の郊外に位置するモル市の市長は、私たちの要請に応えて、ベルゴニュークリア社に対して情報開示を求めることを約束した。

 裁判後の10月3日、私たちは福島県知事に対して

@ 司法を尊重する立場から、少なくとも仮処分についての決定が下るまでは、福島第一原発3号機用MOX燃料の装荷を、県としても認めないこと。

A 東京電力、ベルゴニュークリア社に対しより一層の情報開示を求め、周辺住民の安全を守る立場にある地元自治体として、直接の調査を行うこと。

 を求める要請書を提出した。対応した県の担当者は「県としても裁判の行方に重大な関心を持っている」と発言した。こうした動きもぜひ裁判に反映させていきたい。

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