東電福島MOX差止裁判・MOX燃料疑惑

裁判資料:証拠説明書■09/05提出(10/06up)

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証拠説明書
 

一 甲第一号証 林 加奈子陳述書

 原告(債権者)の代表である林加奈子は、福島第一原発の立地町に隣接する浪江町に在住し、プルサーマルに反対する市民団体の代表を努めている。本陳述書では、福島がプルサーマルの実験場にされようとしており、行き場のない使用済みプルトニウム燃料のゴミ捨て場にされようとしていることを危惧し、反対運動を続けてきたこと、MOX燃料についてデータを開示しない東京電力への不信から、本件申立に至った経緯、この申立にかける思いが述べられている。

 

二 甲第二号証 小山 英之陳述書

 高浜原発4号機用MOX燃料使用差止裁判の原告(債権者)の代表的な存在であり、大阪府立大学講師で数理工学の専門家である小山英之氏は、BNFL事件の過程で、公開されたデータをもとに、高浜原発4号機用MOX燃料にもデータに不正があることを統計的分析によって明らかにした、その本人である。債権者らは本件申立にあたり、そうした小山氏に東京電力福島第一原発3号機向けMOX燃料についても分析を行うよう依頼した。その結果、公開されたわずかな情報から、福島第一原発3号機用MOX燃料でもやはり不正が行われたと推認される証拠となるべき事実、すなわち不合格率ゼロが不正なしには起こり得ないことが、数理統計的な分析から明らかにされた。その内容を記したのが本陳述書である。不合格率の問題が、高浜4号MOX燃料の裁判でも原告にとって有効な反論の資料となったことも、裁判の経験に照らしながら指摘している。→申立書第三章

 

三 甲第三号証 「MOXプルトニウム燃料総合評価」 IMA(国際MOX燃料評価)プロジェクト最終報告 1998年8月9日 高木仁三郎他

 本書はIMA(国際MOX燃料評価)プロジェクト最終報告の日本語版である。IMAプロジェクト(正式には「MOX燃料の軽水炉利用の社会的影響に関する包括的評価」)は、高木仁三郎とマイケル・シュナイダー(フランス)をそれぞれプロジェクトリーダー及び副リーダーとして、政府・企業から独立した国際的な研究グループを組織し1995年から2年間かけておこなわれた研究の成果である。プルトニウム分離の継続とMOXの軽水炉利用の推進には、今や何の合理的な理由もなく、社会的な利点も見いだすことはできないと結論している。

第3章 高木仁三郎、上澤千尋が担当した部分で、軽水炉でのMOX使用の安全性問題が展開されており、この中で、申立書第五章で行なっている、福島第一原発3号機のケースの災害評価を行なう上でその基礎となる災害評価がなされている。→申立書第一章第二の二、第五章の一及び三

P200 再処理工場からの放射能放出が示されている。日常的に放出されるクリプトンの年間規制値を比較すると、再処理工場は東海第二原発の300近い数値となり、原発で1年かけて放出する放射能を、再処理工場では1日で出してしまうことになる。→申立書第一章第一の四

P355 リヒャルト・ドンデラー氏の寄稿論文に、MOX燃料の安全上の問題が展開されている。→申立書第一章第二の二、第五章の一

 

四 甲第四号証 「プルトニウム燃料産業」 1995年10月4日 クリスチアン・キュッパース ミヒャエル・ザイラー

 本書は核戦争防止国際医師会議の委託でドイツのエコ研究所に所属する2人の原子炉安全部門の研究者によって行われたプルサーマルについての報告を、原子力資料情報室が翻訳・編集したものである。ザイラー氏は1997年に来日し、福島県内で講演しプルサーマルの危険性を訴えている。ドイツでは、日本の原子力安全委員会にあたる機関の委員もつとめた。

 専門家の立場から、MOX利用、核燃料サイクルが甘い夢であり、MOX利用が省資源に役に立たないこと、プルトニウムが特別な危険性を持っていること、再処理に伴う困難、MOX製造に伴う困難等が指摘されている。

P29〜 MOX利用が省資源には役に立たないとの指摘→申立書第一章第一の一

P59〜 再処理に伴う困難→申立書第一章第一の四

P72〜 ベルギーにおけるMOX燃料加工の状況

P87〜 MOX加工にともなう困難→申立書第一章第四

P114〜 原発事故時のMOX利用による影響→申立書第五章

P116の表 申立書第五章の三で行っている災害評価の条件(放出されるアクチノイド/ランタニド元素の割合で4%)は、各国で行われた事故解析の条件と比較しても、決しておおげさな数値ではなく、最悪の条件でもない。

P141〜 MOX利用が廃棄物問題を悪化させる→申立書第一章第一の六

 

五 甲第五号証 「福島第一原子力発電所3号機並びに柏崎刈羽原子力発電所3号機用MOX燃料に関する品質管理状況の再確認結果について」 平成12年2月 東京電力株式会社

 東京電力は、高浜原発4号機用MOX燃料のデータ不正を受けて、昨年12月に通産省より東京電力向けMOX燃料の品質管理状況について、再度の確認をするように指示を受け、それに基づいて昨年12月から今年1月にかけて再調査を行った。その結果をまとめ、今年2月24日に提出したのが本報告書である。東京電力がベルゴ社製MOX燃料の品質保証を示すほぼ唯一の公開資料の本編である。

P5 外径寸法の仕様値が「10・35mm±0・02mm」であることが記されている。

P5 全数計測の目的について、「…製造管理上の管理値を超えた場合には、仕様を満足するように研削機の微調整を実施している。」とあり、これが、製造管理上、研削機の調整のために行われるものあることがわかる。→申立書第一章第三の三の1

P5 全数計測については、「レーザー計測装置認定報告書」なる文書が存在することが記されている。→申立書第二章第三の八

P6 注として、全数計測ができない場合には「燃料ペレットを100個に1個の割合で抜取り、手動で外径寸法を測定することができる旨の手順が作業指示書に定められているが、製造担当者への聞き取りにより、1F3及びKK3用の全てのMOX燃料について、上記レーザー計測装置による全数ペレット測定が実施されていたことを確認した。」とあり、全数計測が行われていた事をはじめて知ったのが今年の再確認調査であったことを示している。それまで通産省は、全数計測について福島用燃料の一部は100個に1個の割合で抜取り、手動で測定していた、と説明していた。→申立書第一章第三の三の1

P6 抜取検査について、1ブレンダー約7000個のペレット「当たり32個以上を抜き取るサンプリング方式を採用している。この抜取率は、MIL−STD−105D(日本のJISZ9015に相当)に基づいて設定されたものである。」とある。しかしMIL規格には「抜取率」を規定するものは何もない。また、「32個以上」と抜取個数をあいまいにする規定もない。→申立書第二章第四の一及び二及び六

P6 「当社では、仕様をはずれるペレットが1つでもあった場合には、当該のブレンダ−を不合格にする(0・1)判定を採用している。」これが0・1(ゼロイチ)判定と呼ばれる判定方法である。→申立書第一章第三の三の2、第三章第二の二

P6 「この抜取検査はAQL(合格品質水準)0・15%に相当し、ベルゴニュークリア社に関する製造・検査の経験を考慮し、妥当な水準として設定したものである。」AQLは、検査後に含まれる不良率が、その値以下であることが期待されることを示す数値であり、低いほど品質水準が高いことになる。BNFL社が関西電力向けMOX燃料で行った検査でのAQLは1%であるので、東京電力は不良率がその約10分の1のレベルでの検査がされたことになるが、ベルゴ社の製造能力がそれほど優秀で、検査の経験がそれほどすぐれていることを、東京電力は具体的に明らかにしていない。→申立書第三章第二の二

P6 「なお、1F3及びKK3用MOX燃料の製造に際しても、ペレット寸法精度は…精度良く管理されており、本検査により不合格となるペレットはほとんどない。」と不合格が少ないことを強調している。東京電力は、市民との交渉の場で、柏崎刈羽原発用MOX燃料の抜取検査で不合格は存在したが、福島第一原発3号機用では、不合格はなかったと述べている。

P9 ベルゴ社の文書体系において、MIL規格が上流側文書に位置付けられている。→申立書第二章第四の一

P20 MOXペレットの外径測定方法が記されている。Aにおいて「測定担当の検査員がデジタル式のマイクロメーターに乗せ、足踏みスイッチを踏むことにより、測定値がコンピュータのデータベースに自動的に転送、記録される。」とあり、人の意思が介在しうる測定方法であることが示されている。→申立書第二章第二の三

P20 「通常ペレットの外径測定は、ペレット1個あたり上部、中央部、下部の3ヶ所について採取されるが、1F3及びKK3用それぞれの生産開始時の3ブレンダーについては、ペレットを90度回転させて、更に3ヶ所(合計6ヶ所)について採取した。」とある。これが最初の3ブレンダーの抜取ペレット数を知る手がかりとなる。→申立書第一章第三の三の2

P21 データの測定方法について「…測定担当検査員が足でペダルを踏むことにより、この記憶領域に品質管理データが登録される。一旦、検査データがコンピュータに登録されるとデータの変更はできない。」ことから「…検査員による手入力はおこなわれない。従って、検査員がデータをねつ造することはありえない」(P22)としている。東京電力はBNFL社で最初に発覚した不正と全く同じパターンのねつ造の可能性しか問題にしていない。→申立書第二章第二の二

P23 データの検討については図6−3を示し「・当社立ち会いデータとこれに相当するベルゴニュークリア社の品質管理データが類似の分布形状をしていること。・当社立ち会いデータを含め、いずれのデータも仕様値を満足しており、設計上の分布にたいしても十分保守的な分布になっていること。が分かる。」としている。本文中で分布形状の分析に触れているのはここだけで、添付資料にあるヒストグラムは文字通り、単に添付しただけに過ぎない。東京電力が、ベルゴ社に不正がない事を、データの分布形状によって評価したのは、この図6−3の1枚のグラフだけである。→申立書第二章第三の四

P23 その下に、「いわゆるコピー&ペーストによるデータの複製のような不自然なデータ繰り返し」が無い事を確認した手順が記されている。ここでも東京電力はBNFL社で最初に発覚した不正と全く同じパターンのねつ造の可能性しか問題にしていない。→申立書第二章第二の八

P23 22行目に「ペレット外径データは、製造能力や測定精度によりばらついているが、仕様の範囲(10・330〜10・370mm)を満足するように製造されている…」とあるように、実際の検査では10・330〜10・370mmを仕様の範囲としていたことがわかる。測定精度が100分の1mmであったことは東京電力が市民との交渉において明らかにしている。→申立書第一章第三の一

P24 9行目に「本書の検討に用いた個々のペレットの寸法データは、ベルゴニュークリア社の方針により、同社の工場内でのみアクセスすることが可能である。」とある。東京電力はデータを持ちかえっての検討、分析を行っていないことがわかる。→申立書序章第一の三、第二章第三の九

P54 東京電力によるMOX燃料データの再確認内容について整理してある。外径検査については最上段にあり、確認内容が記されている。右端の備考欄に、抜取ペレットの総数、立会検査時の抜取ペレットの総数が記されている。

P54 プルトニウムスポットの検査は再下段の「プルトニウム均一度」にあるが、備考欄から、福島用MOX燃料の場合、32ペレットから32データしか採取していないことがわかる。→申立書第一章第二の三

P59 抜取検査データと立会検査データの分布を比較したもの→申立書第二章第三の四の1

P62 抜取検査データのヒストグラム(全体)→申立書第二章第三の四の2

P63〜 抜取検査データのヒストグラム(ロット毎)→申立書第二章第三の四の3

 東京電力は、市民との交渉の場で、これらのヒストグラムの作成は、ベルゴ社と協議の上、ベルゴ社社員に作らせたものであると答えている。およそ調査の態をなしていない。

 

六 甲第六号証 「福島第一原子力発電所3号機並びに柏崎刈羽原子力発電所3号機用MOX燃料に関する品質管理状況の再確認結果の概要について」 平成12年2月24日 東京電力株式会社

 東京電力が甲第五号証と同時に公表したもの。甲五号証の内容をまとめたものだが、これには外径寸法検査のイメージ図が添付されている。この図のB外径寸法測定において、検査員が測定値を確認したうえで、データを足踏みスイッチで送る様子が示されている。→申立書第二章第二の三

 

七 甲第七号証 「MOX燃料ペレットの製造と品質管理」 平成12年2月 東京電力株式会社 原子力管理部

 東京電力原子力管理部が甲第五号証の内容を説明するために作成したもの。

P12 外径寸法検査のイメージ図→申立書第二章第二の三

P14 抜取検査の説明において、「品質保証部門において下記のとおりの規格・基準に準拠した抜取検査を実施しています。」とあり、その下の表でベルゴ社の検査規格にMIL−STD105Dと記している。これらは国会答弁書の記述と矛盾する。→申立書第二章第四の一

P14 さらに、その先には「このように抜取検査の厳しさは、そのサンプル数だけではなく判定基準との組合せで決まるものであり、ベルゴニュークリア社の抜き取り検査は合格品質水準から見てBNFL社よりも厳しいものになっています。」とある。これはその上にある表で、AQLが、BNFL社が1%であるのに対し、ベルゴ社が0・15%(数値が低いほど厳しい)であることを指している。しかしベルゴ社の製造能力がBNFL社にくらべてそれほど優秀であった根拠は示されていない。

 

八 甲第八号証 「ふくいちめーる」 2000FEB No.45 東京電力株式会社福島第一原子力発電所

 「ふくいちめーる」は福島第一原発が発行し、新聞折込で地元住民(大熊町・双葉町)に毎月配布している広報紙である。今年2月に東京電力が報告書をまとめた直後に配布したものには、MOX燃料の品質管理に問題がないことが、写真入りのカラー紙面で強調されている。

 ここにあるペレット外径寸法検査のイメージ図のA外径寸法測定では、「Cさんは…表示された測定値を確認して足踏みスイッチを踏む…」とあり、測定値を見た上でデータを送る測定方法であったことがわかる。→申立書第二章第二の三

 

九 甲第九号証 「福島第一原子力発電所3号機並びに柏崎刈羽原子力発電所3号機用MOX燃料品質管理データの確認結果について」 平成11年9月 東京電力株式会社

 東京電力が、昨年9月におこなったMOX燃料の確認結果をまとめたもの。BNFL事件が発覚したのが9月14日、東京電力がこの報告書をまとめたのが9月21日であるから、わずか一週間、実質的な調査期間は数日であったと思われる。

 この報告書が公表されたのは昨年12月になって、通産省が2人の国会議員からの資料請求に応じてのことであったが、その際、たまたまその2人の国会議員に手渡された報告書が違う内容であることが判明し問題となった。通産省の説明では、片方は現物だが、もう片方はドラフトを渡してしまった、とのことであった。この件は、この種の報告書が出される際には、事前にドラフトの段階で、電力会社と通産省の間で協議がなされるものであることを示しており、その癒着ぶりを明らかにするものであった。→申立書第七章第二の二

 

一〇 甲第一〇号証 「プルサーマルの安全性について」 1997年3月17日 原子力発電安全企画審査課

 通産省資源エネルギー庁原子力発電安全企画審査課が、説明用にまとめた資料。通産省と科学技術庁が、東京でプルサーマルの安全審査指針についての説明会を行なった際に配布したもの。8枚目と10枚目に、MOX燃料の使用が、ウラン燃料に比べても安全上不利な影響があることが列挙されている。→申立書第一章第二の二

 

一一 甲第一一号証 「福島第一3号機に於けるプルサーマルの計画と安全性」 東京電力株式会社 1998年1月19日

 国が1998年1月19日に福島第一原発の立地町である大熊町で行った説明会(地元で行なったはじめての説明会)で配布した東京電力作成の資料。

P6 将来予定しているMOX燃料の装荷状況を示している。→申立書第一章第二の四

P7 燃料集合体、燃料棒、被覆管とペレットの関係を示している。→申立書第一章第二の一

P8 グローブボックス内での製造の様子を写真で示している。→申立書第一章第四の一

P17・18 MOX燃料の使用が安全上不利となる影響を列挙している。→申立書第一章第二の二

P22 MOX燃料の使用が安全上不利となる影響を列挙している。→申立書第一章第二の二

P30 海外におけるプルサーマルの実績を示している。特にBWR原発はほとんど実績がないことがわかる。→申立書第一章第二の四の2

P31 日本のMOX燃料の使用実績を示すもの。敦賀1号機での少数規模実証試験で装荷したMOX燃料集合体がわずか2体であることがわかる。→申立書第一章第二の四の1

 

一二 甲第一二号証 「プルサーマルの意義について」 東京電力株式会社

 東京電力が1998年4月23日に福島県郡山市で行った説明会で配布した資料。東京電力はプルサーマルの説明会を、約100回地元で行なったと言っているが、公募して公開で行なったのは、この郡山市での説明会だけである。そのためこの説明会には立地町からも議員をはじめ多数の人が足を運ばざるをえなかった。関心は高く、予定の倍近い参加者があり、代わりに動員されてきた人たちが退場するという場面もあった。

5枚目 プルサーマルの全体計画が示されている。東京電力が具体的にMOX燃料の装荷計画をもっているのは、福島第一原発3号機と柏崎刈羽原発3号機である。→申立書第一章第二の四の1

7枚目 なぜプルサーマルをやるのか?と題し、3点を挙げている。しかしこのうち積極的な理由は@のウラン資源の有効利用しかない。→申立書第一章第一の一

10枚目 プルサーマルのコストについて示している。ウラン燃料よりも高くなるが、全体に与える影響は小さいことを強調している。→申立書第一章第一の二

 

一三 甲第一三号証 日本貿易統計(抄)

上段が福島第一原発3号機用MOX燃料の価額を示すもので、32体で約75億円、1体あたり約2・3億円であることがわかる。→申立書第一章第一の二

 

一四 甲第一四号証ノ一 「東京電力MOX燃料の品質保証確認に関する質問主意書」 平成12年5月30日 福島瑞穂

 参議院議員福島瑞穂氏が国に提出した質問主意書。これへの答弁書が、甲第一四号証ノ二である。

 

一五 甲第一四号証ノ二 「参議院議員福島瑞穂君提出東京電力MOX燃料の品質保証確認に関する質問に対する答弁書」 平成12年7月18日 内閣総理大臣 森 喜郎

 甲第一四号証ノ一に対する答弁書。一見してわかることだが、ほとんどの回答が「通商産業省においては、東京電力から…聞いている。」と、東京電力からの伝聞調となっている。通産省は市民との交渉の席で、通産省はデータの確認を要請すればいつでもできるがその必要はない、とも述べており、東京電力向けのMOX燃料の品質保証について、通産省自身は独自でデータにあたっての確認をしていないことがわかる。東京電力の判断を鵜呑みにし、何か事が起これば責任を東京電力に負わせよう、という姿勢でいることは明白である。→申立書序章第一の三、第二章第三の九

 逆にこの答弁書は、東京電力の見解を、通産省を介して知ることができるものとなっている。

P3 一の1及び2について

 「…燃料ペレットの位置を変えるなどしてその外径を不正に計測することを防止するための機械的なシステムは備わっていない…」→申立書第二章第二の七

 東京電力が、不正が抑止されていると考える5つの根拠を、通産省が整理している。この先、同じ表現が繰り返し表われる。→申立書第二章第二の一

 東京電力2月報告書が、「ベルゴ社に具体的な不正の疑義があるとして作成されたものではない。」とベルゴ社に疑義がないことをわざわざ強調している。この先、同じ表現が繰り返し表われる。→申立書第二章第五の一

P4 一の3について 「…MOX燃料ペレットについて、上・中・下部の三ヶ所で外径を測定することは品質管理計画書に規定されているが、その具体的な測定位置を規定している文書はないと聞いている。」→申立書第二章第二の七

P4 一の4及び5について 「通商産業省においては、東京電力から、ご指摘の各データの一致度合いについては確認していない。」とあり、上・中・下部三点のデータの一致度合いや、90度回転させた前後のデータの一致度合いについては確認していないことがわかる。→申立書第二章第二の八

P5 二の1について 通産省はレーザー自動測定装置による具体的な測定方法は確認していないことがわかる。

P5 二の2から4までについて 「通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、…全数計測データは…保存されていないと聞いている。」との記述がある。→申立書第二章第三の八

P6 二の7について 通産省はレーザー計測装置認定報告書の内容を確認、検討していないことがわかる。→申立書第二章第三の八

P6 二の8の@について 「通商産業省においてはいわゆる「植木鉢型」の形状をしたペレットが製造されたか否かについては確認していない。」とある。不正に直結することであり、また不正を誘発する動機となりうるものであるのに、不可解な態度である。→申立書第二章第二の五

P7 二の9について

 東京電力が、福島第一原発3号機用でも全数計測が行われた事実を知ったのが平成十二年一月であり、その内容については、品質管理計画書に記載されていなかったことがわかる。

 「通商産業省においては、東京電力から、不合格ブレンダーは柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットの製造時に発生していたが、それ以前から柏崎刈羽原発三号機用MOX燃料ペレットについては全数レーザー自動計測が実施されていることを知っていたと聞いている。」とあり、ここから逆に東京電力は通産省に、福島第一原発3号機用MOX燃料については、不合格ブレンダーはなかったと報告していることがわかる。→申立書第三章

P8 三の1について 「通商産業省においては、東京電力から、MOX燃料ペレットの抜取規格に係る規定はベルゴ社と東京電力の間で協議の上決めたものであり、その中のペレットの外径の検査方法については、抜取率のみMIL−STD−105Dを参考に定めたと聞いている。」とある。これは東京電力の報告書と矛盾する。またMIL規格には抜取率の規定はない。→申立書第二章第四の六

P9 三の2の@について 「通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の抜取検査におけるブレンダーごとのMOX燃料ペレットの抜取個数は三十二個以上と聞いているが、個々のブレンダーから実際に何個のMOX燃料が抜き取られて検査をされたかについては確認していない。」とあり、通産省は、現地調査を行いながら、データはおろか、抜取数という基本的な数値すら確認していないことがわかる。→申立書序章第一の三、第二章第三の九

P9 三の2のD及びEについて 「通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社の品質管理計画書には、ブレンダーごとのMOX燃料ペレットの抜取個数は三十二個と記載されているが、ベルゴ社においては、実際には、三十二個以上のMOX燃料ペレットを抜き取り検査していると聞いている。」とあり、品質管理計画書の記載とは異なるやり方をしていた。→申立書第二章第四の二

P9 三の3について 「…不合格ブレンダー数については、これを公にすることにより、ベルゴ社の競争上の地位を害するおそれがあり、…」とあるが理解に苦しむ。これは柏崎刈羽原発用燃料の検査時に相当数の不合格が出たことを意味するのだろうか。しかしそれでは「不合格はほとんどなかった」とする東京電力2月報告書の記述と矛盾する。東京電力では、こうした数値を、ベルゴ社の専有情報であるとして、公表を拒否しているが、それが契約によって定められているのかは疑わしい。→申立書第二章第六

P11 四の2および4について 柏崎刈羽原発3号機用で発生した不合格ブレンダーの扱いがMIL規格に従ったものではないことがわかる。→申立書第二章第四の四

P12 四の6の@及びAについて 初検査及び再検査共に抜取個数は三十二個以上であったことがわかる。これはMIL規格に従ったものではない。→申立書第二章第四の四および五

P12 四の6のB及びCについて 不合格ブレンダー発生以降の抜取検査の方法はMIL規格に従ったやり方をしていなかったことがわかる。→申立書第二章第四の三

P13 四の7について 抜取検査の方法については、東京電力とベルゴ社が、1ブレンダーあたり32個以上抜き取ることと、ゼロイチ判定を行うこと、の2点を協議の上決めた、と理解できる。「AQL0・15%に相当する」との判断は、東京電力が独自で判断したようにも受け取れる。

P14 六の1について 立会検査のブレンダー数と抜取個数、測定点数が記されている。→申立書第一章第三の三の3

P14 六の3及び4について 「…通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社においては、福島三号機及び柏崎刈羽三号機用MOX燃料ペレットについて、上・中・下部の三か所の具体的な測定位置を定めた規定はないと聞いている。」とある。→申立書第二章第二の七

P16 七の1について ロットとブレンダーの意味について記されている。→申立書第一章第三の三の2

P16 七の2から4までについて 抜取検査における合格総ロット数、総ブレンダー数が、福島第一原発3号機用MOX燃料で18ロット、70ブレンダーであることが記されている。また製造された総ペレット数が約43万個であると記されている。

P17 七の5 「合格したブレンダー数をロットごとに明らかにすることについては、これを公にすることにより、ベルゴ社の競争上の地位を害するおそれがあり…」とあるが理解に苦しむ。→申立書第二章第六

P17 八の1について 東京電力2月報告書の外径データを千分の四ミリ単位にしたのは、東京電力がベルゴ社との折衝により決めたことが記されている。→申立書第二章第三の九

P19 九の1について 通産省が輸入燃料体検査の審査にあたって、東京電力2月報告書を参考にすることが記されている。→申立書第二章第一

P20 九の2について 輸入燃料体検査申請書及びその添付書類には、MOX燃料ペレット外径の抜取検査結果のデータは含まれていないことが記されている。→申立書第二章第一

 

一六 甲第一五号証 「資料 東電プルサーマル用MOX燃料疑惑」 プルサーマル公開討論会を実現する会編

 東京電力のMOX燃料の品質管理問題についての各種資料を、「プルサーマル公開討論会を実現する会」が編纂したもの。

A 「通産省は輸入MOX燃料の品質保証を確認できるか−東電MOX燃料の品質管理状況についても検討を要請する−」 2000年5月26日 東電用MOX燃料問題市民検討委員会

 この問題に関心を寄せる15の市民団体の代表・担当者が連名で、通産省資源エネルギー庁電気事業審議会基本政策部会「BNFL社製MOX燃料データ問題検討委員会」宛てに提出した要請書。この委員会にBNFL事件の反省点を挙げた資料を提出していた事務方の通産省と、国の検査体制の見直しを柱とする再発防止策を検討する委員会に対し、東京電力のMOX燃料について不正の疑義があることを指摘した上で、今まさに国の検査が進行中である、東京電力向けMOX燃料の品質管理状況についても検討するように、と要請している。→申立書第二章第五の三の2

B 「ベルゴニュークリア社製東電MOX調査報告」 2000年5月7日 東電用MOX燃料問題市民検討委員会

 昨年12月から数回にわたり、通産省ならびに東京電力に対し、東京電力用MOX燃料の品質管理問題について質疑、意見交換を行った中で、判明した事実を4月末の時点でまとめたもの。P2の脚注にある8回と今年5月に東京電力と行なった交渉の計9回の交渉から聴取した結果をまとめたものがこのBと次のCである。Cは回答が変わっていった経緯を、Bは5月の末の時点であらかじめ東京電力に送り、内容の確認を受けたもの。この内容について東京電力より、@一次計測は単に選別を行なうだけで、合格という表現はおかしい A全数計測記録の保存については可能性がありと言ったわけではない B二次計測における不良率の推定で1ブレンダーの平均を7000としているのは適切ではない、との指摘を受けたが、あとはおおむね間違いはないとのことであった。

C 「通産省と東京電力の発言記録」 東電用MOX燃料問題市民検討委員会

 2000年4月19日の通産省と市民との交渉の際して市民側が質問書に添付して提出した資料。その時点までの交渉でのやり取りをテーマ別に整理したもの。

D 「4月19日通産省交渉まとめ」 東電用MOX燃料問題市民検討委員会

 4月19日の通産省と市民との交渉のまとめ。事前質問書の質問の間に回答を挟み込んで作成したもの。

E 「BNFL社製MOX燃料データ問題検討委員会 近藤駿介委員長ならびに委員のみなさまへ」 2000年5月26日 グリーン・アクション 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

 2団体がBNFL検討委員会に提出した要望書。国の規制のあり方に対する重要な指摘を行なっており、さらに通産省が全数計測データでもって抜取検査データを置き換えようとしたことに対して、その誤りを指摘している。→申立書第二章第五の二の7及び八

F 「第1回BNFL社製MOX燃料データ問題検討委員会議事録(案)」 同委員会

F−11〜 第1回BNFL検討委員会の議事録。この中で、通産省平岡原子力発電安全管理課長は、資料7に基づいてBNFL事件における通産省の反省点を挙げている。

F−14 近藤委員長は「われわれだったらカンニングした学生がいたら、この問題のここはカンニングした、しないという議論はしないで、答案は直ちにゼロで一学期間の成績は他の試験もゼロにしてしまうのが普通…」と述べており、「ルール違反はアウト」の考え方が示されている。→申立書序章第一の四

Fダッシュ 「資料7 BNFL社製MOX燃料データ問題に関する問題点の整理」 通産省

 通産省が第1回BNFL検討委員会に提出した資料。ここで通産省は、BNFL事件の反省点を列挙しているが、しかしこれを東京電力向けMOX燃料の確認作業に照らしてみると、全く反省が生かされておらず、同じ過ちを繰り返そうとしていることがわかる。

Fダッシュ−1 「関西電力によれば、検査員の証言等に基づき、検査時間の短縮を目的とした単純なコピーに絞って調査を進めたため、BNFL社の品質管理状況を深く追求する等の点で調査が不十分なものになったとしている。

 通産省は、関西電力から逐次調査状況について報告を受けていたが、同社に対し、調査方法等が不十分であることを指摘するなど、より厳格なチェックを行うには至らなかった。」とある。しかし、東京電力の確認作業では、調査は単純なコピーに絞られており、通産省もこれを妥当と判断している。→申立書第二章第二の八

Fダッシュ−2 「関西電力が行ったデータの分析は、その分析手法を早い時期に絞り込む等不十分なものであり、通産省としては、関西電力に対し、より広範な分析を行うよう求めていく必要があった。また、分析手法については早い時期から専門家の意見を聴くことも考慮すべきであった。

 さらにデータ分析そのものは、事業者の責任で行われることが基本であるが、その妥当性を通産省として評価するため、外部機関を活用するなどにより、独自の分析を行うことも考えられた。」とある。しかし、東京電力向けMOX燃料について、通産省は、東京電力に対して、より広範な分析を行うよう求めていない。それどころか、データの入手すらしておらず、分析そのものを行っていない東京電力の報告書を妥当としている。また、通産省は独自の分析を行うどころか、現地でデータの確認すらしていない。→序章第一の三、第二章第三の九

Fダッシュ−2 (3)ロットP824に不正はないとする関西電力の判断に対する通産省の評価は、より慎重に行うことが可能だったのではないか において、BNFL事件の経過において、通産省が原子力発電技術顧問に意見を聞き、ロットP824の品質管理データ(抜取検査データのこと)については統計的に不正を疑うべきであること、全数測定データを検査の判断に用いるのであれば不良ペレットの選別機能の信頼性等についての確認が必要であること等の指摘を受けていたことが記されている。

 通産省は、一方で不正はないとする関西電力の最終報告の結論を妥当としながら、もう他方で、顧問の意見に従い、不正のあることを前提に、国の検査において品質管理データを用いず全数計測データを用いることとし、そのために関西電力に最終報告書に全数データ及び選別機能の信頼性に関する資料を添付するように求めるという、矛盾する対応をとった。→申立書第二章第五の二の7及び8

 ここに登場する顧問は、BNFL検討委員会の委員でもある。その委員は第3回の委員会(最終回)において、不正が明らかになった時点で、使用を認めるべきではなかった旨の反省の弁を述べている。→申立書序章第一の四、第二章第五の二の7及び8

G 高浜4号機用MOX燃料不正ロットの広がり

 同じく、通産省がBNFL検討委員会に提出した資料に基づいて作成されたもので、高浜4号機用MOX燃料のうち、不正が認められた3つのロットについて、その不正の手口が簡潔に整理されている。この3つのうち、ロットP824とP814のコピーの手口については、東京電力もコンピュータを用いて、不正の有無をチェックしている。しかしロットP783に見られる2つのパターン、特に完全円柱タイプ(上・中・下部の3つのデータが、同じものがコピーされ一致しているもの)については、東京電力は同様の不正があったかどうかをなぜか確認していない。手間は他の確認作業と比較しても対して変わらないはずだが、不可解なことである。→申立書第二章第二の八

 

一七 甲第一六号証 「電気事業審議会基本政策部会 BNFL社製MOX燃料データ問題検討委員会報告」 平成12年6月22日

 BNFL検討委員会がまとめた報告書。

P2〜 BNFL事件の経過が通産省の側から整理されている。

P12 MOX燃料の特徴の中で、検査の困難性が以下のように記されている。「一方、燃料検査の容易性の観点からはウラン燃料とMOX燃料との間には大きな差がある。MOX燃料に関しては、従業員の被曝・健康管理、臨界管理、計量管理及び核物質防護の観点で、ウラン燃料とは比較にならない厳重な管理が求められる。このため、製造工程、検査工程全体がグローブボックス等によって周辺環境から隔離されるとともに、焼結・切削加工されたペレットについては速やかに品質検査を行い燃料棒に挿入した後、端栓の溶接が行われ、燃料棒の形で厳重な保管管理が行われる。ペレット製造工程での加工量が数十キログラム単位で行われるMOX燃料については、これがトン単位で行われるウラン燃料に比べ、ロット単位の母集団が小さくかつ多種になる結果、検査頻度そのものも高くなる。」→申立書第一章第四の一

P14 通産省が原子力発電技術顧問に意見を聴取した経緯が述べられている。

P14 関西電力が10月20日の時点でNIIが疑義を持っている情報を入手したが、それを通産省に報告しなかった、とありさらにその先で関西電力の対応を批判している。しかし、P2の経過にもあるように、通産省はそれより1ヶ月も前の9月21日には、書簡によりNIIが疑義を持っていることを知らされていた。しかし、この件について通産省は、関西電力にも福井県にも知らせていなかった。しかもこれを無視して、関西電力とBNFL社の判断を優先した。通産省が反省すべきはこうした態度である。→申立書第二章第五の三

P22〜23 結局BNFL委員会報告が示した見直し案は・電気事業者による品質保証体制の一層の充実・第三者機関の活用・国の輸入燃料体検査を製造前にも行うこと・品質保証に関する書類を輸入前に提出させること、といったものである。通産省はこの内容に即して、今年7月14日に通産省令を改定し通達を出している。しかしこの改定では、P27に「通商産業省は、品質保証システムが健全に機能していることを前提とした輸入燃料体検査について…」とあるように、はじめから不正等はありえない、というのが前提となっている。情報開示の徹底と検査データの分析による不正の有無の確認が必要である、といったBNFL事件の教訓は全く生かされていない。→申立書第二章第五の三の2

P23 その検査体制の見直しすら、既に製造されたMOX燃料には適用されない旨が記されている。本件MOX燃料については、「新制度の趣旨を踏まえて」今年8月1日に東京電力が、品質管理についての説明書類を、通産省に追加で提出しているが、その内容は、東京電力2月報告と同内容のものを、形式だけ整えたものだと伝えられている。通産省は8月10日に、輸入燃料体検査の合格証を東京電力に交付した。→申立書第二章第五の三の2

P24 (4)不正の疑い発生後の当局の対応について

「原子力発電施設に関する設備、機器の品質保証データについての不正は原子力施設の安全性に対する信頼性を脅かすものであるから、かかる行為の発生は極力未然に防止すべきである。」とあり、不正を許さず、「ルール違反はアウト」の姿勢がここでは示されている。→申立書序章第一の四

「…万一、不正の疑い(以下「疑義」という)が発生した場合における適切な対応をあらかじめ検討しておくことは非常に重要である。」とあり、「万一」の事態として「不正の疑いが発生した場合」と意味付ている。通産省の事務方が準備した当初案では「不正が発生した場合」であった。委員の意見をいれ「不正の疑い」となった。本件MOX燃料は、本件仮処分申請で示されたように、まさにこの「不正の疑い」が発生している「万一」の事態である。

 「今回のように調達先(海外メーカ)において疑義が発生した場合には、当該原子力施設の安全確保に一義的責任を有する電気事業者が徹底した調査を行うべきである。」とある。この報告書の内容に照らして本件MOX燃料について見た場合、これはまさしく「不正の疑いが発生」している「万一」の事態であり、「電気事業者が徹底した調査を行うべき」状態といえる。→申立書第二章第六

 

一八 甲第一七号証 「市民対東京電力 プルサーマル公開討論会」 プルサーマル公開討論会を実現する会

 1998年12月4日に行われた市民対東京電力のプルサーマルについての公開討論会(主催:東京電力)の記録。地元でしか説明会を行なおうとしない東京電力に対し、市民らは消費地での開催を要請した。過去に大事故(1989年1月福島第二原発3号機再循環ポンプ破損事故)を起こした東京電力に、運転再開に反対する市民が要請して、実質的に共催の形で、東京で公開討論会を催した(1990年6月)ことがある。しかし今回はなかなか受け入れられず、1998年12月に、東京電力が主催で、パネリストは市民側が推薦する者を採用する、という条件でようやく合意し、実現したもの。その後地元でも説明会ではなく、討論形式の会の開催を要請しているが東京電力は未だに応じようとしていない。

P9〜10 東京電力帰属のプルトニウムの需給予測…増え続け溜まり続けるプルトニウムの実態が示されている。→申立書第一章第一の三

P11〜12 沸騰水型原発(BWR)で世界のプルサーマルの実績と東京電力の計画をまとめたもの→申立書第一章第二の四の2

P13〜14 溢れ出す使用済核燃料と今東京電力がプルサーマルを急ぐ理由→申立書第一章第一の六

P17 使用済プルサーマル燃料の抱える問題→申立書第一章第一の六

 

一九 甲第一八号証ノ一 「プルサーマル公開討論会 市民対国」 プルサーマル公開討論会を実現する会

 1999年5月7日に行われた市民対国(通産省・科技庁)のプルサーマルについての公開討論会(主催:プルサーマル公開討論会を実現する会)の記録。この公開討論会は、東海村動燃再処理工場火災爆発事故の後、全国的にプルトニウム反対の声を全国署名として集約して国にこれを提出し(1998年4月)、その際にこの署名をもとに、消費地での公開討論会を要請し、一年後の1999年5月にようやく東京で実現したものである。

 

二〇 甲第一八号証ノ二 「市民対国 プルサーマル公開討論会 資料編」 プルサーマル公開討論会を実現する会

 1999年5月7日に行われた市民対国(通産省・科技庁)のプルサーマルについての公開討論会(主催:プルサーマル公開討論会を実現する会)の市民側の当日配布資料

 

二一 甲第一九号証 「原爆が原発に」 高木章次

 原告(債権者)の一人でイラストレータ−である高木章次がプルサーマルについての諸問題を漫画でわかりやすく伝えるために作成したもの。

 

二二 甲第二〇号証 「電気事業におけるプルサーマル計画」 東京電力 服部拓也(原子力eye1998年2月号)

 東京電力の原子力計画部長(当時)の服部氏(現在は福島第一原発所長)が、原子力の専門誌に寄せた文章。

P30 MOX燃料の装荷予定は、段階的に装荷割合を増やし、4回程度(5〜6年後)には炉心全体の1/4〜1/3(重量比)をMOX燃料とする予定としている。図3・図4に装荷体数の推移の試算と、MOX燃料炉心装荷状況の例が示されている。図4から福島第一原発3号機では将来的に240体の燃料集合体をMOX燃料とする予定であることがわかる。→申立書第一章第二の四の1

P30 MOX燃料の装荷による炉心特性、プラント特性への影響により、安全上の影響があることが示されている。→申立書第一章第二の四の1

P31 MOX燃料取扱い上の留意点として、加工、輸送、検査の際にはウラン燃料の場合と比較して特段の配慮が必要となる。とし、主な留意点として4点を列挙している。→申立書第一章第四の一

P31 MOX燃料の燃料取得費がウランより高いが、MOX燃料の割合が小さいので全体のコストに与える影響は小さいとしている。→申立書第一章第一の二

 

二三 甲第二一号証 「平成9年度 発電用新型炉等開発調査」(抄) 財団法人 エネルギー総合工学研究所

 エネルギー総合工学研究所の調査結果。

 MOX燃料の装荷により、制御棒の効きが悪くなることから、フランスにおいては、MOXを装荷した炉において、制御棒の位置を変えたり、制御棒の数を増加させるなどの措置をとっている。→申立書第一章第二の二の1

 

二四 甲第二二号証 「わが国におけるMOX燃料の照射実証および照射後試験」   日本原子力学会誌Vol.39 N0.2 1997

 敦賀1号機におけるMOX燃料の少数体実験についての論文。

 装荷されたMOX燃料集合体はわずか2体で(P6)、ペレットのプルトニウム富化度も最高で4・64%と、福島第一原発3号機用の約6%よりも低い。→申立書第一章第二の四の1及び3

 

二五 甲第二三号証 「ありのままのプルトニウム」 松岡 理

 東京電力が1998年4月23日に郡山で開いた説明会(甲第一二号証の証拠説明参照)において、推進側の論客として講演した松岡氏(放射線医学研究所)の当日配布資料。

 プルトニウムはよく理解して扱えば怖くない、というのが本人の主張だが、内容はプルトニウムの種類、毒性などが詳しく語られており、その怖さがよく分かるものとなっている。

 

二六 甲第二四号証 「プルサーマルは危険だ」 京都大学原子炉実験所助手 小林 圭二

 京都大学原子炉実験所で原子炉の研究を続けている小林圭二氏が仙台市で1998年12月12日おこなった講演の配布資料。

P3 プルサーマルが危険である理由を7点列挙している。→申立書第一章第二の一

P4 プルサーマルの実績が乏しいこと、特に沸騰水型ではほとんど実績がないことを指摘している。→申立書第一章第二の四の2

 

二七 甲第二五号証 「BNFL製MOX燃料の製造時検査データに関する調査結果について(最終報告書)」 平成11年11月1日 関西電力株式会社

 関西電力が、高浜原発3号機用MOX燃料のデータねつ造の発覚を受けて、通産省より指示を受けて9月から進めていた調査結果をまとめた報告書。→申立書序章第二の三及び第二章第一及び第二章第五の三の2

P3 4行目 BNFL社で全数計測がどのように行われていたのかが、記載されている。「全てのペレット(1ロット当たり約3000個)は研削後、レーザーマイクロメータにより、自動で外径測定が行われ、測定値は自動的に記録、保存されている。

 この自動測定結果を基に、ペレットは自動的に選別され、外径仕様値を満足するペレットは、トレイに収納され、ペレット外観による選別が行われる。」→申立書第一章第三の三の1

P3 9行目 BNFL社で抜取検査がどのように行われていたのかが、記載されている。「…抜取検査として、ランダムにサンプリングされた200個のペレットの外径が、レーザーマイクロメータを用い、測定、記録される。測定、記録は、通常1人の資格認定を受けた検査員が測定値を読み上げ、その値を運転員がコンピュータに入力している。」→申立書第二章第二の二

P3 18行目 「MOX燃料ペレットの外径研削は、臨界管理等の観点より、国内PWRのウラン燃料ペレットの湿式研削と異なり、乾式で行われることから外径調整が難しいため、全数自動測定を行い、外径仕様外のペレットを除外し、この工程での歩留まりを向上させるために実施している。」とあり、MOX燃料ペレットの製造がウラン燃料ペレットと比較してはるかに困難であることが示されている。→申立書第一章第四の二

P3 3−1−2 ペレット外径の検査データに疑義が生じた経緯 において、品質検査員が高浜原発3号機用の2つのロットのデータの多くが一致していることを最初に見つけ、データのコピー流用があったとの疑義が生じた経緯が記されている。→申立書第二章第五の二

P4 (2)検査データの不正の有無の確認 において、関西電力の行った確認作業が記されている。関西電力は、最初に見つかったコピー流用の可能性だけを調査している。ロットごとのデータの一致度合いだけを確認しており、高浜3号機用の22ロット以外は、不正はないものと推定してしまっている。→申立書第二章第五の二

P5〜 高浜4号機用のロットP824は、200個中66個のデータが他のロットと一致しており、一致数が多かったが、関西電力が検査員の事情聴取から不正はないと判断した経過が記されている。→申立書第二章第五の二

P7 高浜4号機用のロットP824について、不正はないとの結論が示されている。→申立書第二章第五の二

表3−1 品質管理認定書のペレット外径に関する記載の例 

 ここには、抜取数、ロット番号、平均値、標準偏差、判定基準、仕様外ペレット数、合否判定が記されている。BNFL社では、JIS規格に準拠し、通常1ロットから200個を抜取、仕様外が5個までなら合格、6個以上ならば不合格とする「5・6判定」が行われていた。判定基準に5/6とあるのがそれである。この表では全てのロットが合格しているように見えるが、実際にはそうではない。表をめくっていくと、中に判定基準が3/4となっているものがある。これは仕様外が3個までなら合格、4個以上で不合格とする厳しい判定基準を用いたことを示す。この厳しい判定基準を用いるのは、不合格となったロットを再検査する場合、ないしは、不合格ロットが連続5ロット以内に2ロット以上あった場合に、続くロットは判定を厳しくしなければならないという、規格の切替ルールに従ったものである。ここから不合格ロットの数を数えることができ、高浜4号機では199ロット中7ロットで不合格が存在したことがわかる。→申立書第三章

 この表はデータから統計上の基本的な数値を算出したものであるが、東京電力はこうした数値すら公表していない。

表3−2 ロットごとのデータの一致度合いを示している。灰色の部分がデータの一致を表す。

図3−1 BNFL社での全数計測と抜取検査の様子が図で示されている。

図3−6 自動外径測定データ(全数計測データ)と検査データ(抜取検査データ)の比較(P824) 関西電力がロットP824には、不正はないと強引に結論付けるために作成したグラフ。→申立書第二章第三の二の4

参考1 P824のペレット全数自動外径測定データの信頼性について

 これが通産省の指示により添付した資料。通産省は高浜4号に不正はないとしたこの報告の結論を容認しながら、一方では、抜取データに不正があったことを前提に、P824については全数計測データでもって国の検査を行おうという、矛盾した対応をとっていた。そのため、膨大な量の元データを記載している。ただし元データについては、福井県議会の要請に応じてこれより前にすでに公開されていた。→申立書第二章第五の二の7

P101 MOX燃料検査体制 BNFL社において関西電力、三菱重工業による立会検査が行われていたことがわかる。→申立書第二章第二の六

 

二八 甲第二六号証 「プルサーマル討論」 原水爆禁止日本国民会議他編

 大阪で行われた市民と関西電力とのプルサーマルについての公開討論会の記録。

P15 「実用規模実証計画」について記した通産省資源エネルギー庁総合エネルギー調査会原子力部会報告書の一部が引用されている。→申立書第一章第二の四の2及び第六章の二

 

二九 甲第二七号証 「英国原子力施設検査局(NII)の書簡について」 平成12年1月17日 原子力発電安全管理課

 9月20日と21日に通産省とNIIとの間で交わされていた書簡。通産省とNIIとの間には直接の外交ルートがないため、外務省と日本大使館を経由してのやりとりとなっている。9月20日付けの日本からNII担当官に向けての書簡には、日本に向かっている燃料には改ざんの影響はないとの情報が欲しいこと、そして回答を9月23日までに欲しいことが記されている。この後9月24日には関西電力が高浜原発4号機用MOX燃料には、不正はない、とした中間報告が出され、9月27日には高浜4号機用MOX燃料が高浜原発へ搬入の予定であったことから、23日という期限を決めて、高浜4号機については不正がないという英規制当局の「お墨付」を至急にとろうとしていたと考えられる。返答の期限の23日には2日間しかなく、こんな短期間にNIIが不正の有無について調査するのは不可能である。これは通産省がNIIに対し、調査もなしに、政治的に「不正はない」との判断を表明するようせまるもので、「偽証」を要請したといっても過言ではない。

 これに対しNIIは9月21日に日本政府に当てた書簡で、9月20日に通産省職員2名と面会し、そこでNIIの調査の背景について説明していること、調査には数週間かかること、そして「"通常ではない(unusual)"結果を示した一つのMOX燃料ペレットのロットが福井県に現在向かっている燃料集合体2体の製造に使用された」と記し、高浜4号機用MOX燃料について不正の疑義を持っていることを伝えている。「お墨付き」を得ようとした通産省は逆にNIIが不正の疑義を抱いていることを知らされた。しかし通産省はこのことをひた隠しにし、関西電力の9月24日付中間報告については、公表された当日にそれを妥当なものとするとの見解を示した。不正はないと決めつけていた通産省は、NIIの疑義に接しても関西電力やBNFL社の判断を優先した。

 この書簡が公表されたのは、年が明けてようやく今年1月17日なってからである。11月8日付の書簡(甲第二八号証)の方は12月には公開されていたが、その際にもこの9月の書簡については頬かむりを決めていた。→申立書第二章第五の二の3

 

三〇 甲第二八号証 「B.J.ファーネス 副主任検査官(原子力施設担当)から日本国大使館経済参事官イノマタ・ヒロシ宛書簡」

 9月20日の書簡による日本政府の要請に対するNIIの回答。ここでも高浜4号機用MOX燃料にも不正の疑義があることを伝えている。昨年12月の段階では、こちらの書簡だけが公開されたため、なぜこのような書簡がいきなり日本に届いたのか疑問であった。

 

三一 甲第二九号証ノ一 朝日新聞 1999年12月17日記事

 高浜MOX燃料使用差止仮処分の決定が出る予定日の前日に、関西電力が不正を認め、高浜4号用MOX燃料の使用の断念を発表した際の新聞記事。→申立書第二章第五の二の9

 

三二 甲第二九号証ノ二 中日新聞(福井版)1999年10月30日記事

 「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」と「グリーン・アクション」の2団体が、公表されたデータをもとに、BNFL社での全数計測データと抜取検査データの分布の形状を分析し、形状に異常があることから、高浜4号機用MOX燃料にも不正があるとして、関西電力と福井県に燃料装荷をしないように要望書を提出(昨年10月20日)したことに関連した新聞記事。→申立書第二章第三の二の4

 

三三 甲第二九号証ノ三 朝日新聞(福井版)1999年10月31日記事

 同右→申立書第二章第三の二の4

 

三四 甲第二九号証ノ四 福井新聞 1999年10月21日記事

 同右→申立書第二章第三の二の4

 

三五 甲第二九号証の五 婦人民主新聞 1999年9月15日記事

 MOX燃料の輸送に対して、世界各国が反対していることを報じる新聞記事。

 

三六 甲第二九号証ノ六 毎日新聞 1999年12月10日記事

 1999年12月9日付英ガーディアン紙が、NIIが高浜4号機用MOX燃料にも不正があったと見ていることを伝えたことを紹介している新聞記事。→申立書第二章第五の二の9

 

三七 甲第二九号証ノ七 朝日新聞 1999年12月17日記事

 高浜4号機用MOX燃料の不正を関西電力が認めたことにより、関西電力だけでなく東京電力のプルサーマル計画も延期となる見通しを伝える新聞記事。→申立書第二章第一

 

三八 甲第二九号証ノ八 福井新聞 1999年12月19日記事

 高浜4号機用MOX燃料の不正を関西電力が認めたことにより、関西電力のプルサーマル計画が大幅に延期となることを伝える新聞記事。→申立書第二章第五の二の9

 

三九 甲第二九号証ノ九 福島民報 1999年12月25日記事

 高浜4号機用MOX燃料の不正を関西電力が認めたことにより、福島県知事は、不信感をあらわにし、プルサーマル延期が確実になったことを伝える新聞記事。→申立書第二章第一

 

四〇 甲第三〇号証 「グリーン・アクションおよび美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会からの要望書に対する回答」 関西電力株式会社 平成11年11月1日

 「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」と「グリーン・アクション」の2団体が、公表されたデータをもとに、BNFL社での全数計測データと抜取検査データの分布の形状を分析し、形状に異常があることから、高浜4号機用MOX燃料にも不正があるとして、関西電力と福井県に燃料装荷をしないように要望書を昨年10月20日に提出しそれに対する関西電力の回答書。

P3 図4 自動外径測定データ(全数計測データ)と検査データ(抜取検査データ)の比較(P824) 関西電力がロットP824には、不正はないと強引に結論付けるために作成したグラフ。→申立書第二章第三の二の4

 

四一 甲第三一号証 「BNFL製MOX燃料問題に関する調査について(中間報告書)」 平成12年3月1日 関西電力株式会社(抄)

 高浜4号機用MOX燃料についても不正があったことが明確になったことを受けて、関西電力が社内にBNFL製MOX燃料問題調査検討委員会を設け、調査を行ったが、本書はその中間報告の一部である。

P20 d.抜き取り外径検査の測定方法 に「管理者への聞き取り調査の結果、以下の事項が判明した。

(a)検査員は、測定値が規格値をわずかに超えた場合には、ペレットを90度回転させて再度測定していたことがあった。この方法は要領書に記載されていなかった。

(b)品質管理マネージャーは、このことに気づきながら要領書遵守の指導をせず、また、要領書の必要な改訂を行なっていなかった。」

とあり、規格値をこえたペレットを90度回転して再度測定し、無理に合格させるという不正が行なわれていたことを示す。→申立書第二章第二の四の2

参考資料U 関西電力自身が、「美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会」と「グリーン・アクション」の2団体が提起したのと同じ方法を採用して、不正の確定した3つのロット以外にも疑わしいロットがあることを解析して見せている。こうした測定データの統計的な分析が大変重要で、不正の有無の判定に有効な手段となることを示している。→申立書第二章第三の二の5

 

四二 甲第三二号証 「BNFLスキャンダル」 2000年3月 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

 BNFL事件についての英国での新聞記事の翻訳集。

P6 ガーディアン紙 2000年3月27日 P9 ガーディアン紙 2000年3月25日 P11 ガーディアン紙 2000年3月25日

 BNFL社の再処理工場の閉鎖を求める国内、国際的な圧力についての記事。

 英国内での再処理の中止を求める動き、ドイツ、スウェーデン、アメリカ、スイス等、BNFLの顧客がBNFLから撤退する動き、オスパール委員会の動きを伝えている。

 今年6月30日に、デンマークのコペンハーゲンで開かれていた北東大西洋の海洋汚染防止のための国際会議であるオスパール委員会定例会議において、デンマークが提案した、英仏は再処理をやめ放射能放出を防止せよ、という主旨の決議が採択された。イギリス・フランスは投票を棄権したが、英仏に再処理を委託しているドイツ、スイス、そして東京電力のMOX燃料を製造したベルギーを含め、会議に参加した欧州15か国中12か国が賛成した。欧州の脱再処理・プルトニウム利用からの撤退の流れは確実に進んでおり、それがますます加速されるだろう。→申立書第一章第一の五

P15 インディペンデント紙 2000年3月7日

「…しかし、MOX製造が、カンブリアにあるBNFLのセラフィールド再処理施設で始まって間なしに、ペレットは研削過程から「植木鉢型」をして現れることがあきらかになったと、情報源は言っている。このことは多くのペレットの一方の端が著しく広いことを意味しており、したがって、自動レーザーマイクロメーターは安全仕様の許容範囲からはずれる多くをぺけにした。

 BNFLは「上」と「下」の位置を、ペレットの端ではなく、中央の読みの位置から2ミリメートルの範囲内になるように変えた。だから「植木鉢型」でさえ、原子炉で使っても安全であると保証され得るのだ、と情報源は語っている。」とあり、「植木鉢型」の形状をしたペレットがつくられ、これを合格させるために、全数計測の測定位置を操作したことが会社内部の情報源からの情報として記されている。→申立書第二章第二の四の1

P16 インディペンデント紙 2000年3月8日

 右と同じ問題。ここでは、「小麦の束」とか「フラワーポット」の形となっているので、「植木鉢型」といっても、日本の植木鉢のように直線状に広がる形ではなく、片側だけが急に広がるような形状である事がわかる。→申立書第二章第二の四の1

P27・28 インディペンデント紙 2000年2月22日

 アイルランド政府がBNFL社の再処理工場の閉鎖を要求している事を伝える記事。→申立書第一第一の五

 

四三 甲第三三号証 「セラフィールドBNFLのMDFにおけるペレット直径データねつ造に関する調査、及びMOX燃料使用中の安全性への影響」 2000年3月 美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

 BNFL事件について、NIIの報告書(2000年2月18日)を翻訳したもの。

 

四四 甲第三四号証 「混合酸化物(MOX)核燃料の品質管理」 2000年3月27日 フランク・バーナビー博士 ショーン・バーニー

 国際的な環境保護団体「グリーンピース・インターナショナル」が福島県、新潟県に提出した最新の研究報告書。オックスフォード・リサーチ・グループのフランク・バーナビー氏がグリーンピースの依頼でまとめたものであるが、バーナビー氏は元ロンドン大学教授をつとめた英国核兵器開発計画の研究者である。→申立書第一章第二の三

P5 MOX燃料の製造では、酸化ウランと酸化プルトニウムを混合する技術が重要だが、ベルゴ社で用いられているMIMASという混合技術は、BNFL社で用いられているSBRという技術よりも劣ることが示されている。→申立書第一章第二の三

P14 プルトニウムスポットが安全上重要であることを指摘しており「ペレット表面に平均以上の大きさのプルトニウム酸化物の粒子があって局所的なホットスポットが形成されると、MOX燃料棒の被覆管の損傷をもたらす可能性がある」と指摘している。→申立書第一章第二の三

P15 BNFLで非均質性の存在を検査するのに用いられているアルファ・オートラジオグラフィーは、時間がかかるために検査頻度が少なく、検査されるのがペレットから切り取った薄片に過ぎず、このテストが不十分であることが指摘されている。ベルゴ社が行なった検査も同じもので、検査数も福島用でわずか32ペレットと非常に少ない。→申立書第一章第二の三

P17 「BN(ベルゴ社のこと)で製造されたMOXペレットについて東電が2月24日に公表したグラフ・データについて分析した結果からいうと、手動で検査されたペレットの直径の計測値の幅が、ランダム・サンプルの代表的なものとしては、あまりに似かよりすぎていているようである。BNの労働者が、BNFLの労働者と同じようなことをしたかどうかについて疑問が残る。すなわち、パスさせるために必要な直径の計測値を得るまで、ペレットを90度まで回転させるというものである。捏造というより、意図的な操作というべきものである。」と不正の疑義を呈している。

P17 「MOX製造技術−SBRとMIMAS−の水準について知られていることと、ベルゴニュークリア社が実施している品質管理検査の頻度からいって、ベルゴニュークリア社が製造したMOX燃料の品質はBNFLと同等あるいは、BNFLに劣るものである可能性が高い。恐らくは、相当劣るといえるだろう。これは福島第一原子力発電所3号機の安全な運転にとって−装荷が予定通り進められるなら−直接的な意味あいを持つものである。」と指摘している。→申立書第一章第二の三

 

四五 甲第三五号証 「高浜MOX仮処分申立事件における陳述書」 小山 英之

 小山英之氏が高浜MOX燃料使用差止仮処分命令申立事件において記した陳述書である。→申立書第二章第三及び第五の二

 

四六 甲第三六号証ノ一 「女川原発訴訟第一審判決」 ジュリスト 重要判例行政法5→申立書第四章の二

 

四七 甲第三六号証ノ二 「高浜原発運転差止請求事件判決 東北電力女川原発差止請求事件判決 評釈」 判例時報1497号

 

四八 甲第三六号証ノ三 「東北電力女川原発訴訟判決の論点」 交告 尚史 ジュリスト

 

四九 甲第三七号証ノ一 「福島第一原子力発電所原子炉設置変更許可申請書」(抄) 平成10年11月4日 東京電力株式会社

 MOX燃料の採用に際して変更申請をおこなったもの(抄)。

8(3)−3−12 3.2.4.4 MOX燃料について(2)照射効果 に燃焼時のMOX燃料ペレットのふるまいについて、「燃料の燃焼が進むと燃料材及び被覆管の材料特性が影響を受ける。すなわち、被覆管は中性子の照射を受けると材料の強度が増加し、延性が低下する。ペレットは、燃焼の初期段階においてわずかながら体積が減少する。これを焼きしまりと呼んでいる。さらに燃焼が進むと核分裂による気体状及び固体状の核分裂生成物がペレット内に蓄積すること等により、ペレット体積が増大する。これを照射スエリングと呼んでいる。

 燃料寿命を通じて、熱膨張と照射スエリングにより被覆管に過大な歪が生じないよう、ペレット内部空孔及びペレットと被覆管の間隙を決める。」とある。→申立書第一章第三の二

8(3)−3−26 燃料設計仕様が示されており、MOX燃料は、プルトニウム富化度がペレット最大(核分裂性プルトニウム)で6%以下、燃焼度は集合体最高で4万MWd/tとなっている。→申立書第一章第二の四の3

 

五〇 甲第三七号証ノ二 「福島第一原子力発電所原子炉設置変更許可申請書一部補正」(抄) 平成11年3月5日 東京電力株式会社

 甲第三六号証ノ一の一部補正(抄)。プルトニウムスポットについての記述が追加されている。

 

五一 甲第三八号証ノ一 「アメリカ軍用規格 計数抜取検査手順と抜取表」(抄) 日本規格協会

 MIL−STD−105Dの検査方法を記したもの。

P5 AQLの定義が示されている。

P8 6.4において、不合格ロットの扱いが記されている。ここから、不合格となったロットを再検査するには、ナミ検査かキツイ検査を行わなければならないことがわかるが、ベルゴ社は、東京電力柏崎刈羽原発3号機用MOX燃料で不合格ロットが発生したにもかかわらず、そのブレンダーの再検査をユルイ検査の基準のままで行なっていた。→申立書第二章第四の四

P9 8.1で最初の検査はナミ検査から始めるとあるが、ベルゴ社では、東京電力向けMOX燃料の検査にあたってははじめからユルイ検査の基準でこれを行なっていた。→申立書第二章第四の五

P10 8.3.4において、不合格ロットが一つでも発生した場合には、検査をナミ検査に切替えなければならないという切替手順が示されている。ベルゴ社は、東京電力柏崎刈羽原発3号機用MOX燃料で不合格ロットが発生したにもかかわらず、この切替手順を適用せず、それ以後の検査もユルイ検査の基準のままで行なっていた。→申立書第二章第四の三

P11 9.抜取方式において、抜取数、判定基準をきめるやり方が記されている。まず検査水準とロットの大きさからP18の表で試料文字を決め、その文字に対応した抜取表(P19以降)とAQLから抜取数と判定基準を決める、という手順となる。ここに抜取率という数字は全く登場しない。

 例えば、P18の表で、ロットの大きさが3201〜10000、検査水準Tを想定するとサンプル文字がJとなり、P21のユルイ検査の表に移って、サンプル文字JでAQL0・15%とすると、抜取数32の(0・1)ゼロイチ判定と判定法が決まる、という具合である。ただし東京電力の場合、結果的にこの表を参考にしたというだけで、今述べたような通常の手順で抜取数や判定基準を決めたわけではないようである。→申立書第二章第四の六

P12 「責任者の指定または許可があれば、合格判定個数0の一回抜取方式のかわりに、合格判定個数1で、したがって、指定されたAQLに対してはもっと大きな試料の大キサの抜取方式を(もし使えれば)使ってもよい」とある。これの意味するところは、合格判定個数0すなわち(0・1)ゼロイチ判定は極力使わない用にし、その代わりに抜取数を増やして、合格判定個数が1になるようなやり方をとるべきであることを意味している。このことは解説書のこの部分についての記述(甲第三八号証ノ二)を読めば明らかである。→申立書第三章第四

 

五二 甲第三八号証ノ二 「MIL−STD−105D解説(抄)」 日本規格協会管理方式研究会 規格部会MIL分科会 P131

 MIL−STD−105Dの解説(抄)。

P131 ゼロイチ判定について、この判定方法は判別力がよくないことを指摘している。

「0→1の特例 合格判定個数0の一回抜取方式のかわりに、対応する合格判定個数1の一回抜取方式(したがって試料の大キサは大きくなる)を使う場合があるということが本文9.4節(甲第三八号証の一)に示されている。(ただし、責任者の指定または許可が必要である。)

 合格判定個数0の一回抜取方式はOC曲線が非常にねていて、良いロットと悪いロットの判別力があまりよくない。これに対して、合格判定個数1の一回抜取方式は対応するAc=0の抜取方式よりも判別力がかなりよくなる。

 したがって、この特例はよいロットとわるいロットの判別力をあげたい場合にしようされることとなる。」→申立書第三章第四

 

五三 甲第三九号証ノ一 「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」 平成2年8月30日 原子力安全委員会決定

P10 指針1.準拠規格及び基準 において「安全機能を有する構築物、系統及び機器は、設計、材料の選定、制作及び検査について、それらが果たすべき安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によるものであること。」とあり、これの解説がP27にある。抜取検査の抜取方式についても公的規格に準拠することが要請されている。→申立書第二章第四の七

 

五四 甲第三九号証ノ二 「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針」 平成2年8月30日 原子力安全委員会決定

 

五五 甲第四〇号証 「BNFL製MOX燃料問題に関する調査結果について」 平成12年6月14日 関西電力株式会社

 高浜4号機用MOX燃料についても不正があったことが明確になったことを受けて、関西電力は社内にBNFL製MOX燃料問題調査検討委員会を設け、調査を行ったが、本書はその最終報告である。

P1 「当社は、BNFLのデータ不正を事前に防止できなかった。さらに、データ不正の発覚に伴って実施した調査が不十分であり、あらたなデータ不正が見つかることとなった。このため、当社を信頼して高浜4号機へのMOX燃料装荷に理解と協力をしていただいた国、地元、社会にご迷惑をお掛けするとともに、重要な原子力政策であるプルサーマル計画がスタートでつまずく結果となり、社会の信頼を大きく失うこととなった。」とある。この報告書でBNFL事件に対しての関西電力の対応で謝罪しているのはこの部分だけであるが、謝っているのはプルサーマルを推進したい人達に対してであって、品質の保証されないペレットを強引に使用し、住民に事故の危険と被曝のリスクを負わせようとしたことについての謝罪は一切ない。→申立書第二章第五の三の1

P7 昨年10月20日にNIIが高浜4号機用MOX燃料について不正の疑義をもっていることを、BNFL社より知らされているが、これを福井県にも通産省にも伝えなかった。→申立書第二章第五の二の3

P28〜29において、BNFL社MDF工場の問題点を列挙している。それにたいして関西電力の対応の問題点についてはP42に挙げているが、肝心の、高浜4号機のMOX燃料についての不正の疑義を意図的に抑えこみ、不正があることを知りながらこれを強引に使おうとしたことについての反省は一切ない。→申立書第二章第五の三の1

 

五六 甲第四一号証ノ一 「詳解演習 数理統計」(抄) 守谷 栄一 1974年6月10日

 不良品の混ざっているロットからある数の製品を抜き出したとき、その抜き出した集団に不良品が一定数混ざっている確率はいくらか。この答は超幾何分布によって与えられる。

 この甲第四一号証ノ一は、詳解演習の名前のとおり、わかりやすいように簡単な例から始めて、超幾何分布の一般式を導いている。その式はP70の式(6・1・1)で与えられる。

 また実際の数値計算は、P74の式(6・1・6)式を用いれば容易にできる。→甲第二号証・申立書第三章

 

五七 甲第四一号証ノ二 「品質管理講座 抜取検査 改訂版」(抄) 朝香 鉄一 1975年4月10日

 この著書は、日本規格協会の品質管理講座である。そのうち、第一編検査概論及び第二編各種抜取検査のうちから1.まえがきと5.計数調整型抜取検査(JISZ9015−1971)を掲載した。今回問題となっている抜取検査は、BNFL社もベルゴニュークリア社も、原則的にこの計数調整型抜取検査に該当している。

 不良率はP17で定義されている。AQLは最初20頁で定義されている。

 合格確率を不良率の関数として示すOC曲線の例は、P123の図2.5.5とP128の図2.5.6で示されている。例えば図2.5.6のなみ検査ときつい検査のグラフは、ちょうどBNFL社で採用している抜取数200の場合の(5・6)判定と(3・4)判定の場合に相当している(ロットの大きさが5000とBNFL社の場合よりも大きめえあるが、この差は曲線の形にほとんど影響しない)。このグラフの値L(p)を1から引いた数値が不合格確率を与える。

 小サンプル検査については、P133〜135で説明されている。→甲第二号証・申立書第三章

 

五八 甲第四二号証 「プルトニウム燃料工学」(P420〜451) 日本原子力学会 

 

五九 甲第四三号証 「東京電力株式会社福島第一原子力発電所第96部会コメント回答(その2)(抄)」 平成11年6月 原子力発電安全規格審査課

 古屋委員のプルトニウムスポットの大きさや発生頻度をどう確認するのか、という質問に対する回答。肝心の数値は商業機密に属するとして白塗りされている。→申立書第一章第二の三

 

六〇 甲第四四号証 発電用軽水型原子炉施設の反応度投入事象における燃焼の進んだ燃料の取扱いについて 平成10年2月 原子炉安全基準専門部会 高燃焼度燃料反応度投入事象検討小委員会

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