東電福島MOX差止裁判・MOX燃料疑惑

裁判:申立のポイント(10/06up)

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申立のポイント

ふくろうの会

■東海村臨界事故により原子力への不信が高まり、さらにBNFL事件において、住民の安全よりもプルサーマル推進を優先し、不正を積極的に覆い隠しそうとした関西電力並びに通産省への国民の信頼は失墜した。

■ベルゴ社で製造された東京電力用のMOX燃料についてもその品質が問題となり、今年1月、東京電力は2度目の再確認作業を行なった。

■BNFL事件を受けての調査であるので、関西電力がBNFL事件で開示したのと同等、あるいはそれ以上のレベルで情報開示が積極的になされ、客観的データに基づいて、品質保証並びに検査にあたっての不正の有無が確認されるのが当然であった。

■2月に東京電力の調査報告書が公表されたが、調査は一般的な品質体制の確認に留まっており、データはほとんど開示されなかった。調査内容や情報開示の点で関西電力よりも遥かに劣るものである。MOX燃料ペレットの寸法検査については、全数測定データや抜取検査データはおろか、抜取検査においていったい何個ずつの抜き取りが行なわれていたのか、柏崎刈羽原発用MOX燃料の検査で存在した不合格ブレンダーの数といった基本的な数値も秘密にされている。

■東京電力は、情報を開示しない理由に企業秘密を挙げている。しかし抜き取りの数や不合格ブレンダー数の開示がどうして競争上の地位を害することになるのか、まったく理解できない。事は公衆の安全上の問題であり、企業秘密に優先されるべき事柄である。

■最も重要と思われる検査データの確認については、東京電力はベルギーでデータを見ただけである。データの持ち出しを拒否するベルゴ社に従い、データの入手しこれを分析する作業を行なっていない。通産省はデータの見てもいない。

■ベルゴ社が作成し、東京電力が報告書に添付したヒストグラムは、公開された唯一のデータらしきものであるが、これには不正があってもそれがわからないような加工が施されている。BNFL事件で不正が明らかになったヒストグラムにベルゴ社が施したのと同じ加工をすると、それがいかに不正を覆い隠すものであるかが明確となる。

■ベルゴ社と東京電力がデータを開示せず、不正があっても分からないように加工しているのは、データの異常を隠すためのものと確信する。

■それどころか、公開された数少ないデータの範囲内からでもデータ不正が行われたと推認されるべき証拠を示すことができる。東京電力は福島第一原発3号機用MOX燃料では、検査の際に不合格が一つもなかったことを明らかにしているが、この事実は異常である。

■ベルゴ社で行なわれていた抜取検査は、約7000個のペレットを含むブレンダー(検査ロット)から32個以上のペレットを抜き取り、1つでも基準からはずれるペレットが見つかったらそのブレンダー全部を不合格にするという、検査方法を用いていた。製造能力がBNFL社と同等だとすると、ベルゴ社の検査方式では、約36%の不合格品が出てもおかしくない。また福島第一原発用MOX燃料は全部で70ブレンダーあるが、これがすべて合格する確率を計算すると1兆分の1以下になる。仮にベルゴ社の製造能力がBNFL社よりも優れている(不良率がおよそ10分の1)としても、その確率は1%程度である。これは何か不正な操作が行なわれたとしか考えられない。

■MOX燃料の製造、検査は放射能や核防護の問題からこれがウラン燃料の場合と比べても困難であることは通産省も認めており、これはベルゴ社でも共通の問題である。しかも、イギリスの核物理学の専門家によると、ベルゴ社は、製造能力がBNFL社に同等であるどころか、劣っている。

■ベルゴ社での検査方法は、検査員が機械で寸法を測り、測定値を確認した上で、足のスイッチを押してデータをコンピュータに送っていた。測定値を見た上で足のスイッチを押すので、仕様外のデータは送らない、仕様内のデータを何度も送る、といった不正がいくらでもできる。しかも、測定位置を定めた規定はなく、不正を抑止するものはなにもない。

■抜取方法については、東京電力は「規格に基づいて」行っていた、述べていたが、通産省の国会への答弁書から、実は規格に従わないやり方をおこなっていたことが明らかになっている。検査がずさんであったことを示すだけでなく、安全審査の手続きに抵触するものである。

■東京電力は株主総会において、昨年ベルゴ社との契約を、当初MOX燃料集合体200体で契約していたものを、60体で打ち切り、フランスのメロックス社に契約を変更していたことを明らかにした。品質に問題がないというのに東京電力がなぜ解約したのか、不可解である。

■東京電力には、品質保証が確認され、不正がない事を、客観的データに基づいて、一点の曇りもなく立証する責任がある。それができない限り、燃料の装荷は差止められてしかるべきである。

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