東電福島MOX差止裁判・MOX燃料疑惑

準備書面(三):債務者準備書面(一)及び祢津陳述書に対する反論 ■11/24提出(01/02/05up)

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 平成一二年(ヨ)第三三号

準備書面(三)

債務者準備書面(一)及び祢津陳述書に対する反論

 

債権者  林 加奈子 外
債務者 東京電力株式会社

 

二〇〇〇年一一月二四日

右債権者代理人 弁護士 海渡 雄一
河合 弘之
斉藤 利幸



福島地方裁判所 第一民事部御中

 

第一 本準備書面の概要

1 「本件の中心的な争点」は、債務者も認めるように「本件MOX燃料ペレット抜取検査における不正操作の有無について」(債務者準備書面(一)P4)である。

2 債権者は「本件MOX燃料の抜取検査において、不合格ブレンダーがゼロであったという事実は不正なしにはありえない」と主張している。この主張の論理構造について債務者は答弁書においては明確に認否していなかったが、準備書面(一)と祢津陳述書においては、債務者はこれを基本的に認めるに至った。すなわち、ベルゴ社の不良率を、BNFL社と同等の1%や、債務者がベルゴ社による抜取検査でAQLに「相当する」とした0・15%とする前提では、不合格ゼロがありえないことを、事実上認めている。それゆえに債務者の反論の主眼点は、その上で、ベルゴ社の不良率がそれよりもさらに小さく、製造能力がBNFL社に比べ格段に優れ、製品が高品質であるとの主張になっており、いまでは具体的な争点はこの点に絞られてきたといえよう。しかしこの点について債務者が準備書面(一)ないし乙第二〇号証で挙げた理由は、いずれも具体性に欠け、証拠はないに等しい。

3 債務者は乙第二〇号証において、ベルゴ社がBNFL社よりも不良率が約200分の1になりうる評価をやってみせ「不合格ゼロが不自然ではない」と主張している。これは、約200分の1のレベルで、ベルゴ社の不良率がBNFL社よりも著しく小さいことが、「不合格がゼロであることが不自然でない」ことの判断基準となっていることを自ら認めたものである。

4 一方で祢津陳述書に添付された正規分布に基づく債務者の評価は、債務者自らが認めるように、仮定に基づく仮想的な分布曲線を用いたもので、実態に即したものではない。債務者は、実データに基づいて、評価が実態を反映したものであることを示さなければ、何も論証したことにはならないのである。

5 債務者による理想曲線を用いた議論が不十分であることは、BNFL社の事例ですぐに明らかとなる。平均値が仕様範囲の中央であったのかどうかが、不良率を決める一つの要因であると債務者は指摘する。これは正しい。しかし、BNFL社の実例から、その平均値はペレットの3点の測定点のどの位置で測定したかによって変わりうる。その原因に、形状が「植木鉢型」のペレットが多く作られていたためである可能性があるが、これはベルゴ社にも共通の問題である。

6 しかしもっと根本的な問題は、債務者が、抜取検査データに不正がないことを前提にしていることである。債務者は、不合格ゼロは不正なしにはありえない、という我々の主張に反論したかったのではないのか。「抜取検査における不正操作の有無」が「中心的争点」であるときに、不正により操作されている可能性がある抜取検査データを、不正がないことの立証に無条件に用いることができないことは明白である。

7 ベルゴ社で不正が行われていた場合には、データは全て強引に仕様範囲内に押し込まれているはずである。特にベルゴ社の場合にはゼロイチ判定であるため、抜取検査の全てのデータを仕様範囲内に収める操作がなされた可能性がある。その場合には、抜取検査データは実態よりも標準偏差が小さく、平均値も仕様幅の中央に寄せられ、結果的に不良率が人為的に著しく下げられてしまうことになる。

8 債務者は、抜取検査データに不正を行った形跡がないかを確認することによって、不正の有無を判断しなければならない。そのために原理的に必要な手法は、BNFL事件の経過の中で示されているように、他の基準となるデータと比較することである。すなわち、抜取検査データと、全数計測データの分布形状の比較である。債務者が行うべきことは、1ミクロン刻みの抜取検査データと全数計測データを開示したうえで、抜取検査データの分布形状と全数計測データのそれとの比較をブレンダーごとに行うことである。もし抜取検査において、不正な操作が行われていた場合には、分布形状の違いとなって現われるはずである。

9 仮に、全数計測データが保存されておらず、開示することが物理的に不可能ということであれば、せめて正規分布との比較をすべきである。というのは、ベルゴ社では、製造されたペレットの外径の分布は、正規分布に従うことを前提として検査が行われていたとみなされるからである。製造されたMOX燃料ペレットの外径のばらつきぐあいは、研削工程での異常や、人為的な操作がなければ、正規分布に従うはずである。

10 今、開示されている4ミクロン刻みのデータは、不正があってもそれを覆い隠すような加工が施されたもので、ここから不正が無いことを確認することはできない。それどころか、この4ミクロン刻みのデータから、1ミクロン刻みのデータを推測し、正規分布と比較すると、分布形状に異常がある可能性が指摘できる。(甲第六四号証)1ミクロン刻みの実データの検討が是非とも必要である。

11 MOX燃料の検査時に不正を防ぐ手段はなかったことは明々白々である。部門が独立していることや、測定と評価が別の担当者であることはなんら不正の抑止にはならない。債務者は不正の有無を、データの詳細な分析によって明らかにする以外にないのである。

12 債務者自身が現地で行ったデータの確認は、一体全体何をどう確認したのか、全くわからないものである。立会検査についても、「債務者が確認したのだから信じよ」というばかりで、詳細な説明はない。債務者自身の行ったこの検査のデータこそ、まず開示がなされてしかるべきであろう。さらに立会者は何を見たのか。ペレットの位置を決めるところまで確認したのか。位置関係を写真や図で示すなどしながら、詳細を明らかにすべきである。

13 本件MOX燃料について、債務者が再調査をおこなったそもそもの契機がBNFL事件にあることは疑いもなく、さらにMOX燃料の製造、検査には普遍的な困難があるという認識があることを、通産省電気事業審議会も認めている。そのBNFL事件で不正が明らかになったのは、1ミクロンごとのデータの公開、それを市民にも公開したことにある。債務者が企業秘密を楯に、いつまでもデータの開示を拒みながら、『東電が確認したんだから信じよ』、あるいは、『ベルゴ社には不正がないと信じている東電を信じよ』、あるいは『通産省が信じている東電を信じよ』、というような態度をとることは、BNFL事件やJCO事故の後ではもはや到底許されない。

14 債務者が「仕様外の燃料ペレットが使用された場合においても危険は発生しない。」(乙第二〇号証)との主張の根拠にしている乙第一〇号証については、まずもって、通産省がこれをわざわざ外部機関に委託してまで行った動機が異常であり、これを異常とも思わずに主張の根拠に挙げる債務者の態度も異常であることを指摘せざるをえない。

15 乙第一〇号証の評価が、「設計基準事象」のうち、通常の「運転時の異常な過渡変化」に適用される判断基準に照らしての評価であり、燃料の破損が最も起こる「事故」である「制御棒落下事故」に適用される判断基準に照らしての評価ではないことを債務者も認めている。「事故」を想定した評価は、安全審査上要求される原子炉の安全確保の上で最も重要なものであって、「安全評価のために敢えて想定」「『特殊な状況』に適用」などと言って、ことさらにその意義を低めることはできない。

16 制御棒の落下の発生そのものは、燃料ペレット外形寸法とは無関係であろうが、制御棒の落下が致命的な事故にまで発展するかどうかは、燃料の状況に大きく依存している。すなわち、事故の際の燃料がどの程度の破損をするのか、それが燃料をコナゴナの状態で放出させ、大量の放射能汚染を引き起こすのか否かには、燃料ペレットの外形寸法は大きく関係しているのである。

17 債務者は、原子炉設置変更許可申請に際して、甲第四四号証に示された燃焼が進んだ燃料に対する破損の判断基準に基づいて、御棒落下事故についての評価を実施している。甲第四四号証では近年の新たな傾向をもつ実験結果が総括され、それに基づいて新たな事実上の基準が設定されている。すなわち、甲第四四号証で新たに設定された基準は、実際の炉内から取り出して、燃焼が進んだ実際の燃料を用いた実験事実を総括して立てられたものである。すなわちその実験に用いられた燃料は、新品のときには基準に従うギャップがある燃料であり、はじめからギャップがない燃料ではない。不良ペレットを含む場合には、燃焼が進むまでの痛み具合が異なるのであり、今回の新基準で十分かどうかは確認されていない。

18 MOX燃料にプルトニウムスポットが生じることは避けられない。プルトニウムスポットは安全上深刻な影響を与えるものである。プルトニウムスポットの検査には時間と経費がかかり、きわめて少数の抜取検査しか行われておらず、不良ペレットを検査で全て排除することはできない。この意味からも、本件MOX燃料が不良ペレットを多く含む可能性があり、その安全性は確認されているとは言えないのである。

 

第二 不正操作の有無について

 本件の中心的な争点は、債務者も認めるように「本件MOX燃料ペレット抜取検査における不正操作の有無について」(債務者準備書面(一)P4)である。

 

一 製造能力と品質についてベルゴ社とBNFL社の比較

1 債権者は『本件MOX燃料の抜取検査において、不合格ブレンダーがゼロであったという事実は不正なしにはありえない』と主張している。この主張の論理構造を債務者も基本的に認めている。すなわち、ベルゴ社の不良率を、BNFL社と同等の1%や、債務者がベルゴ社による抜取検査でAQLに「相当する」とした0・15%とする前提では、不合格ゼロがありえないことを、事実上認めている。それゆえに債務者の反論の主眼点は、その上で、ベルゴ社の不良率がそれよりもさらに小さく、製造能力がBNFL社に比べ格段に優れ、製品が高品質であるとの主張になっており、いまでは具体的な争点はこの点に絞られてきた。しかしこの点について債務者が準備書面(一)ないし乙第二〇号証で挙げた理由は、いずれも具体性に欠け、証拠はないに等しい。

2 乙第二〇号証(P5)は、ベルゴ社の製造能力がBNFL社に比べて優れている理由として、

@ BNFL社のMDFが試験工場的性質を有していた

A MDFの製造実績はベルゴ社に大きく劣る

B ベルゴ社においてMOX燃料ペレットの不具合で損傷した例はない

 の三点を列挙している。しかし、MDFが試験工場的性質であるというだけでは、製造能力がベルゴ社の方が優れている根拠にはならない。また、製造実績については、第三回審尋の際に確認したように、作った量の大小を問題にしているだけである。作った量が少ないからといって、質的な製造能力が劣るとはいえないことは明らかで、逆にMDFは工場が新しく、機械設備が作った当時の最新技術を用いたものであることから、製造能力が優れているという言い方もできるのである。損傷例については、燃料棒の破損率とその原因が吟味されなければならない。乙第二〇号証は、ウラン燃料については「現在国内で主に使用されている高燃焼度8×8燃料においては、燃料棒の破損率は一本/一〇万本以下です。」と述べている。しかしベルゴ社製のMOX燃料についてこうした数値は挙げられていない。それは損傷例から製造能力をはかることができるほどには実績がないか、あるいは調査が不十分であるかのいずれかとみなすしかない。

3 債務者は準備書面(一)P11において、ベルゴ社製の本件MOX燃料が高品質である理由として、

@ ベルゴ社が十分な品質保証体制を有している。

A ベルゴ社が十分な製造経験を有し、特にMIMAS法については製法開発事業者として確実な実績を記録している。ことに加え、それらのMOX燃料ペレットの不具合により燃料が破損したという例がない。

B 東電及び東芝による本件MOX燃料製造前の製造確認により、仕様に適合するMOX燃料が高精度で安定的に製造できることが確認された。

C 現実にAQL0・15%相当のベルゴ社による抜取検査及び東電による立会検査において不合格ペレットが確認されなかった。

 といった点を挙げている。@があまりに一般的で論証にならないことはすでに指摘している。また、AにあるMIMAS法は、ベルゴ社が採用している酸化ウランと酸化プルトニウムを混合する際の技術だが、これについては、BNFL社が採用しているSBR法に比べても、優るどころか劣るものであることを示すことができる。酸化ウランと酸化プルトニウムの混合技術の優劣は、製品中に存在するプルトニウムスポットの数や大きさによって測ることができる。燃料集合体信頼性試験に関する報告書(原子力発電技術機構)によると、ペレット中のプルトニウムスポットの大きさは、MIMAS法を用いたベルゴ社製品(甲第六五号証P23)の方が、SBR法を用いたBNFL社製品(甲第六五号証P110)よりも大きく、これよりMIMAS法の方が、能力が劣るといえる。

 さらに、混合した後のペレットの製造工程には、圧縮(プレス)、焼結、研削があり、ペレットの外径の調整に大きく影響すると思われるが、ベルゴ社とBNFL社で採用している技術はどちらも同じ方式のものである(甲第六六号証)。右考察からも、ベルゴ社の製造能力は、BNFL社に劣ることはあっても大きく優るようなことはないと思われる。申立書にも述べたように、関西電力、東京電力の技術者、通産省の電気事業審議会は、MOX燃料製造に際してのウラン燃料と比べての困難性を挙げているが、これはBNFL社にもベルゴ社にも共通にあてはまるものである。

 Bの製造前確認試験については、いつの時点でどの位のペレットを、どのような仕様で製造したのか、その検査結果はどうであったのか、ペレット外径については、6点計測の計測位置やその結果が明らかにされない限りは、この試験結果を用いて何かを言うことはできない。また仮に、製造前確認試験で良好な結果が得られたとしても、それが本格的な製造において、同様の品質が保たれるという保証はない。

 Cの「不合格はなかったから」というのは、そもそも何を言いたくて製造能力の議論をしているのか忘れている。債務者は、不合格ゼロは不正なしにはありえない、という我々の主張に反論したかったのではないのか、そのためにベルゴ社の製造能力が優れている理由を列挙しているのではないのか。

4 さらに債務者準備書面(一)(P12)は、「ペレット抜取検査の自動化を三菱重工から要請したもののBNFL社は改善は困難であるとしてこれを受け入れなかったこと」をBNFL社における製造能力及び品質管理能力が、ベルゴ社に比較して劣ったものであるとする理由に挙げている。

 ベルゴ社でのペレット抜取検査は、検査員がペレットをピンセットで測定装置に置き、測定し、測定値を確認した上で、足のスイッチを踏んでデータをコンピュータに送る、というものであり、自動化されてはいなかった。もし債務者が、ペレット抜取検査が自動化されていないことを製造能力及び品質管理能力が劣る根拠とするならば、ベルゴ社もBNFL社と同等に劣ることになる。さらに、抜取検査においてベルゴ社が用いた装置である機械式マイクロメーターが、BNFL社のレーザーマイクロメーターよりも技術が古く、測定精度も劣るものであることを加味すると、むしろベルゴ社の方が劣るとも言えるのである。BNFL社の場合、三菱重工はペレット抜取検査の自動化を要請したが、受け入れなかった。ベルゴ社の場合、東芝はペレット抜取検査の自動化の要請すらしなかった、というべきである。

 債務者は、ベルゴ社では足のスイッチを踏むだけでデータが転送されるシステムになっており、測定値をキーボードで入力していたBNFL社とは異なっている点をことさらに強調する。しかし、これとて、ベルゴ社ではBNFL事件で最初に発覚したものと寸分たがわぬ形態の不正はできないというだけで、不正の余地はいくらでもあることは、既に指摘している通りである。

5 測定装置の精度については、BNFL社のレーザーマイクロメーターの精度は、一万分の一ミリメートルであり、これを千分の一ミリメートル単位に四捨五入したものを測定値としていることが、関西電力の報告書に記されている(甲第七三号証)。BNFL社はこれを、工程管理のための自動計測にも、品質管理のための抜取検査にも用いていた。一方、ベルゴ社については、抜取検査に用いられたマイクロメーターの測定値が千分の一ミリメートルであることが明らかにされているだけである。レーザー計測装置については、その測定精度も測定値の単位も明らかにされていない。債務者は測定装置の精度について言及する場合にはこうした数値をすべて明らかにすべきである。

6 債務者は、「本件MOX燃料ペレットについてAQL相当の不良率を想定する根拠はなく、かかる想定に碁づく統計的評価結果を実際の不合格率にあてはめる議論は、何ら意味を有しない」(乙第二〇号証P14)と述べ、債務者がAQLに「相当する」とした0・15%が現実の不良率とは無関係であることを強調する。では一体何を基準に抜取方式を決めたのか、「相当する」とはどういう意味なのか。

 ベルゴ社で行われた抜取検査がAQL0・15%に「相当する」、という言い方をするのは、政府答弁書(甲第一四号証の二P13)からも明らかなように、債務者とベルゴ社が協議の上決めたのは、32個以上を抜取る「ゼロイチ判定」を行うということであり、債務者がこれを規格に照らしてみるとAQL0・15%に「相当する」ことが確認できた、というだけである。この抜取方法を決める手順は、AQLを決めるところから始める公的規格とは全く異なるもので、一体何を根拠に、どのような基準でこのような抜取方法を決めたのかは、まったく不透明である。東京電力原子力管理部が製作した東京電力2月報告書についての説明書(甲第七号証P14)に「規格・基準に準拠した抜き取り検査を実施しています。」とあるのは明らかな誤りである。

 債務者は、東京電力2月報告書において、この抜取方法が「ベルゴニュークリア社に関する製造・検査の経験を考慮し、妥当な水準として設定したものである」(甲第五号証P6)としているが、一体どんな経験を考慮したのか、何を基準に「妥当な水準」と判断したのか、は全く明らかにされていない。不良率とは無関係というのであれば、なおさらそれを明確にすべきである。

 

二 標準偏差と不良率について

1 債務者は乙第二〇号証において、ベルゴ社がBNFL社よりも不良率が約200分の1になりうる評価をやってみせ「不合格ゼロが不自然ではない」と主張している。これは、約200分の1のレベルで、ベルゴ社の不良率がBNFL社よりも著しく小さいことが、「不合格がゼロであることが不自然でない」ことの判断基準となっていることを自ら認めたものである。

2 一方で、債務者が自らも指摘するように、債務者が行った評価は、仮定に基づくフィクションに立脚するもので、実態に即した論証はなされていない。債務者は、実データに基づいて、評価が実態を反映したものであることを示さなければ、何も論証したことにはならない。

3 債務者は、一般に正規分布を仮定した場合、標準偏差が同じであっても、仕様の幅を狭くすると不良率は大きくなり、平均値が仕様幅の中央からずれても不良率は大きくなることを、一般的な事例(乙第二〇号証別紙図1)でもって説明し、さらに、これにベルゴ社とBNFL社の抜取検査結果を適用した事例(図2)を示す。しかし債務者も認めるように、これは仮定に基づくもので、実態ではない。その仮定というのは「例えば、ベルゴ社及びBNFL社による抜取検査で確認された平均値及び標準偏差を各社で製造されたペレット全数にあてはめ、外径寸法データが正規分布(多くの要因がランダムに作用する状況において一般的にみられる分布)に従うと仮定した場合、ペレット全数データの分布状況は別紙図2のようになります。」(乙第二〇号証P11)というものである。

4 しかし、第二の三に述べるように、抜取検査の平均値や標準偏差がペレット全数の実態を反映していることは自明ではない。さらに、製造工程をブレンダーごとに分ける以上、ペレット全数の外径寸法データが正規分布に従う、という仮定を立てることはできない。製造工程が非常に優秀であれば、ブレンダーごとに正規分布に従うと仮定することは意味がある。その場合でも、全データの従う分布は、ブレンダーごとの正規分布を合成したものになると考えるべきである。逆に合成した分布がほぼ正規分布になっている場合、元の分布はやはり正規分布に従っているとも言えない。各ブレンダーで正規分布から著しくずれた分布をしていても、それらを合成すると、ちょうど正規分布からの歪を補い合うようになって、合成分布がほぼ正規分布になる場合が起こりうるからである。(甲第六四号証P1)

5 債権者は、今開示されているデータが、不正があってもそれを覆い隠すものであることから、より詳細なデータを開示するよう求めてきた。ところが、債務者が行ったのは全く逆のことで、開示がなされているBNFL社の詳細なデータを、わざわざベルゴ社に合わせて粗くして比較することであった。乙第二〇号証別紙2図2(2)において関西電力用MOX燃料の抜取寸法データの平均値が8・195mmとあるが、これは、関西電力が公表したデータにはない数字である。あるのはロット(東京電力の場合ブレンダー)毎の数値である。抜取検査はロット単位で行われたので当然のことである。これを債務者は、ブレンダー毎の数値を開示していないベルゴ社に合わせて、わざわざ全ロットを合わせた平均値を計算したのである。199ロット分の数字を足して199で割るだけの操作だが、これを平気でやって見せるその姿勢が、住民や「丁寧な答弁」を求める福島県の意向に逆らい、信頼をさらに落としているのである。

 

三 全数計測と抜取検査の平均値の比較

1 債務者による、仮定に基づいて、全ペレットをひとまとめにした理想曲線をもちいた評価が、いかに雑で、いかに不十分であるかは、以下の事例からただちに明らかとなる。

2 債務者の評価は「BNFL社のケースにおいて仕様を外れる燃料ペレットの割合は約一・七パーセント、ベルゴ社のケースにおいては約〇・〇一パーセントで、BNFL社に関するケースの約二〇〇分の一となる。」(乙第二〇号証P12)と結論している。「関電用MOX燃料の場合には、本件MOX燃料と桁違いの頻度で不合格ペレットが発生することとなるともいえる」(債務者準備書面(一)P9)要因として、「本件MOX燃料に比較して関電用MOX燃料の方が許容公差が小さい」ことと(同P8)、関電用MOX燃料は「平均値が偏って位置する」(同P9)ことを挙げている。

 前者は、ベルゴ社での仕様の幅がBNFL社よりも約1・6倍大きいことにより、ベルゴ社の方が合格しやすい、というものである。ところが仕様の幅をどの程度にするかは、製造会社の製造能力との相談で決まることになっているため、このような広い仕様幅を採用したことは、製造能力が低いことを示すものでしかない。

 では後者について、BNFL社の場合、製造時の工程管理のために行われていたレーザーによる自動全数計測の平均値はどうであったか。仮にこれも、抜取検査と同程度に仕様の幅の中央よりも偏っていたとすれば、BNFL社は『平均値を仕様範囲の中央になるようする』という意味での製造能力が劣っているという判断がなされることになるかもしれない。

 しかし現実には、そうはなっておらず、全数計測の平均値は、抜取検査の平均値よりも小さく、仕様範囲のほぼ中央にあるのである。

3 昨年十一月の関西電力最終報告には、ロットP824についてレーザー自動計測の平均値が記されているがその値は、仕様幅の中央(8・192ミリメートル)に近い8・193ミリメートルである。これは、抜取検査の平均値よりも0・003ミリメートル小さい(甲第25号証P69)。

4 関西電力がこの平均値の「ずれ」を不自然なものとみなさず、この報告書を出した時点ではロットP824には不正はない、との結論を出しているのは、これが全体の傾向に一致していたからである。それを示しているのが、同じ関西電力最終報告にある分布図(甲第25号証P69)である。これによると、抜取検査データの平均値は、全数計測データの平均値よりも大きい傾向にあり、頻度が高いものでみると0・002ミリメートルの差がある。これを債務者が計算した、データ全体の平均値にあてはめると、全数データの平均値は、抜取検査データの平均値から0・002ミリメートルを引いた値、すなわち8・195−0・002=8・193ミリメートル程度となり、やはり仕様幅のほぼ中央の値になる。

5 また「美浜・高浜・大飯原発を考える大阪の会」と「グリーン・アクション」によって行われた、全面的に公開されたレーザー自動計測データの一部を分析した結果からも、全数計測と抜取検査で、分布の形状が同じままで、グラフが全体的に抜取検査の方が大きい方にずれているロットが多く見つかっている。

6 BNFL社の場合、全数計測の平均値は抜取検査のそれとは異なり、仕様幅のほぼ中央に位置する。債務者の考察によると、その場合には、そこからずれた場合に比べ、不良率は格段に低くなる。

7 同じペレットを全部測ると平均値が中央であるのに、抜取ってから測ると平均値が大きい方にずれるのには何か原因があるはずである。関西電力は、BNFLの抜取検査の際に抜取りがランダムでなかったことを指摘しているが、平均値が一様に大きい方にずれることの説明にはならない。全数計測も抜取検査もレーザーマイクロメーターという同じ装置を用いていた。何が平均値のずれをもたらしたのか。この問題にひとつの解答を与えてくれるのが「植木鉢型」あるいは「小麦の束型」ペレットの問題である。

8 今年3月、BNFL社において、製造時にペレットの一方の端が膨らんだ「植木鉢型」あるいは「小麦の束」型の形状をしたペレットが多く発生し、これを合格させるために、上・中・下部の3点を測定する全数測定の測定点を操作し、中央部付近だけで測定するよう測定装置を操作していた、という事実が内部告発を受けた3月7日付英国インディペンデント紙によって明らかにされた。(甲第六七号証)それによると「…MOX製造が…始まって間もなく、ペレットは研削過程から「植木鉢型」をして現れることが明らかになった。…多くのペレットの一方の端が著しく広いことを意味しており、したがって自動レーザーマイクロメーターは安全仕様の許容範囲から外れる多くをはねた。」(甲第三二号証P15)BNFL社は「上」と「下」の読みの位置を、全数測定において、ペレットの端ではなく、中央の読みの位置から2ミリメートルの範囲内になるように変更した。関西電力はこれを9月にBNFL社から報告を受け、福井県に報告していた。関西電力によると、抜取検査では中央と中央から上下3・5ミリメートルの点を測定していたという。

9 「植木鉢型」は英語の原文ではflower pot(フラワーポット)であり英国風の植木鉢を指す。英国風の植木鉢は、日本のそれとは違い、下から上へと順に見たときに、途中までは円筒形をし、上部の端だけが広がったような形状をしている。これが別の新聞では「小麦の束型」と表現されているのである。ペレットがこうした形状をしている際には、ペレットの中央付近だけで3点を測定をして平均をとった値よりも、一方が広がった端を含めて3点を計測して平均を取った場合のほうが値が大きくなる。すなわち、BNFL社では一方の端が広がった形状のペレットが多く作られ、全数計測時にはペレットの中央付近だけで3点を測定し、一方で抜取検査では広がった端を含めた3点を測定したために、後者の平均値が大きくなったと考えられるのである。工程管理のための全数計測で「植木鉢型」ペレットを強引に合格させるために、測定位置を中央に寄せたという行為は、不正の一種とみなされるべきものであろう。この行為が仮に抜取検査で行われていたとすれば、作られたMOX燃料の品質は全く保証されないことになる。

10 右考察を本件MOX燃料に照らすと、次の点が問題となる。

@ 平均値が仕様範囲の中央であったのかどうかが、不良率を決める一つの要因であると債務者は指摘するが、BNFL社の実例から、その平均値はペレットの3点の測定点の位置によって変わりうる。

A その原因に、形状が「植木鉢型」のペレットが多く作られていたためである可能性がある。先に示したように、ペレットの製造工程のうち、圧縮、焼結、研削の技術は、ベルゴ社とBNFL社で同じ方式が採用されていたので、これはBNFL社とベルゴ社で共通の問題であるとみなすべきである。

B ベルゴ社の抜取検査の平均値は、BNFL社の全数計測の平均値と同様に、仕様範囲のほぼ中央に位置している。抜取検査において、測定点を中央に寄せるなど、故意に操作して測定していた可能性が否定できない。

11 この問題について債務者は、まず製造工程で行われていたレーザー自動計測のデータを、その信頼性を確認した上で抜取検査データと比較する必要がある。少なくとも平均値と標準偏差については比較がすぐにでもできるはずである。

 レーザー自動計測データについて債務者は、元データについては保存されていないと述べている。しかし平均値や標準偏差といった基本的な数値については記録があるはずである。仮にこうした数値すら保存されていない場合には、ベルゴ社の品質管理体制に根本的な欠陥があり、本件MOX燃料ペレットにおいて、債務者がそのために高品質であると主張する際の根拠に挙げている、全ペレットのレーザー自動計測とそれによる選別が、現実に行われたかどうかも疑わしいことになる。債務者はこれをすみやかに入手し、公開した上で、抜取検査データとの比較検討結果を示さなければならない。

12 さらに、ペレットの測定位置について、製造にあたってはどのように取り決め、それが守られていることをどのように確認したのかを示さなければならない。債務者は答弁書で「本件MOX燃料については、債務者による製造確認試験の段階において既にペレットの六点測定が実施され、その結果、バラツキが小さく、債務者が定めた仕様を充足する高精度の円筒形の形状を有するペレットが製造できたことが確認されているので、品質管理の段階における測定点が一点であっても、品質確認に欠けるところはない。」と述べている。「高精度の円筒形」と判断するには、ペレットの6点の測定位置が中央と両端を含んだものでなければならない。債務者はこの際の正確な測定位置と測定値を明らかにしなければならない。さらに、本格的に製造を行った際の抜取検査において、測定位置が規定どおりであったのかどうか、それをどのように確認したのかを示さなければならない。これらのデータは全く示されていない。

13 債務者は、債務者の行った立会検査の検査点数がペレット一つあたり一点であったことを認めている。一点だけの測定では、ベルゴ社が抜取検査において測定位置を操作していたときに、それを立会検査で確認することはできない。

 

四 データを開示して不正の有無を明らかにせよ

1 右において債権者は、債務者の評価が仮定に基づいたフィクションに立脚するものであり、それがいかに不十分であるかを示した。しかし、債務者の行った評価にはそれ以上に根本的な欠陥がある。それは、抜取検査での不正の有無が問題であるのに、債務者が、その抜取検査データを無条件に正しいものとして扱っていることである。

2 債務者は、ベルゴ社の不良率がBNFL社よりも著しく小さいことがありうることを示す際に、抜取検査に不正がなく、抜取検査データが正しいことを前提として、これを用いている。これは、そもそも何を言いたくて不良率の議論をしているのかを忘れてしまっている。債務者は、「不合格ゼロは不正なしにはありえない」という我々の主張に反論したかったのではなかったのか。「抜取検査における不正操作の有無」が「中心的争点」であるときに、不正により操作されている可能性がある抜取検査データを、不正がないことを立証するために用いることができないことは明白である。

3 ベルゴ社で不正が行われていた場合には、データは全て強引に仕様範囲内に押し込まれているはずである。特にベルゴ社の場合にはゼロイチ判定であるため、抜取検査の全てのデータを仕様範囲内に収める操作がなされた可能性がある。その場合には、抜取検査データは実態よりも標準偏差が小さく、平均値も中央に寄せられてしまい、結果的に不良率が人為的に著しく下げられてしまうことになる。

4 債務者は、抜取検査データに不正を行った形跡がないかを確認することによって、不正の有無を判断しなければならない。そのための原理的に必要な手法は、BNFL事件の経過の中で示されているように、他の基準となるデータと比較することである。それが、抜取検査データと、全数計測データの分布形状の比較である。債務者が行うべきことは、1ミクロン刻みの抜取検査データと全数計測データを開示したうえで、抜取検査データの分布形状と全数計測データのそれとの比較をブレンダーごとに行うことである。もし抜取検査において、不正な操作が行われていた場合には、分布形状の違いとなって現われるはずである。

5 債務者によると、ベルゴ社では、レーザー自動計測装置による全数計測データを保存せずに消去してしまうという。これは信じがたいことであるが、仮に事実であれば、債務者の主張に反して、このこと自体がベルゴ社の品質管理能力が低位であることを示すものである。BNFL社ではデータはきちんと保存されており、一般にも公開されている。全数計測は、品質管理のための検査でないとはいえ、品質管理を少しでもきちんとやりたいと思うのなら、データをきちんと保存しておいて、後々でも分析・追試できるようにするのが当然であろう。本件MOX燃料の製造全ペレット約四三万個分のデータ数をその三倍の一二九万個としても、すべてのデータはフロッピーにしてわずか十枚分程度にしかならない。このようなデータを保存しない理由は、考えられない。

6 東京電力は今年3月24日に行った市民との交渉の席で、全数計測データは保存されずに新しいデータが上書きされると説明した後に「これはもう仮定として聞いてもらいたいのですが、上書きしても一回ダンプしてプリントアウトしておけば、だいたい推測されると思いますが、この話はベルゴ社が占有(専有)情報として出さないでおいてくれと言われてますので。」と述べており、全数計測データが打ち出され保存されていることを示唆している。債務者は、こうしたものの存在をベルゴ社に確認したうえでデータを入手し、公開するように努めるべきである。それでもデータはないと言い張るのであれば、データを保存しない理由は、データの異常が発覚しないように故意に隠しているとの疑いを抱かざるをえないのである。

7 仮に、全数計測データが保存されておらず、開示することが物理的に不可能ということであれば、せめて正規分布との比較をすべきである。というのは、ベルゴ社では、製造されたペレットの外径の分布は、正規分布に従うことを前提として検査が行われていたからである。

 正規分布というのは、そもそも観測値の誤差の分布として見出されたものである。観測値の誤差のうち、特殊な原因がなく、「観測値というものに宿命的につきまとう誤差の部分で、いかに理想的な観測条件の下でも回避できないもの」である「偶然誤差」(甲第六八号証)についての法則である。一般に正規分布は、多数のものが、特殊な原因ではなく偶然だけで左右対称のばらつきをもつときに、それが従う分布といえる。製造されたMOX燃料ペレットの外径のばらつきぐあいは、もし研削工程での異常や、人為的な操作がなければ、正規分布に従うはずである。

8 債務者が乙第二〇号証で行った評価において、「外径寸法データが正規分布に従うと仮定」していることは、債務者が製造されたペレットの外径のばらつきぐあいが正規分布であることを前提としているといえる。この点については、さらに以下のことが指摘できる。

9 関西電力はBNFL社で不正が行われた背景に、抜取検査が、ロットあたり「200個という数の多さからくる長時間の単調な行為の繰り返し」(甲第四〇号証P26)であったことを挙げ、この抜取数を決めた経緯を、「抜き取り検査には計数抜き取り検査と計量抜き取り検査がある。計数抜き取り検査は、サンプルの不良品の個数でロットの合否を判定する検査であり、計量抜き取り検査はロットのサンプルの標準偏差および平均値でロットの合否を判定する検査である。…同一ロットを同一の信頼度で検査する場合、計量抜き取り検査の方が計数抜き取り検査よりサンプル数が少なくなる。

 MDFにおけるペレット抜き取り外径検査については、当初、三菱重工業は計量抜き取り検査をBNFLに提案した。しかしながら、BNFLは、MDFの研削機の性能の関係で外径の分布に正規性がないために計量抜き取り検査ができないとして、先行プロジェクトで実績のあるサンプル数200個の計数抜き取り検査を、三菱重工業に提案した。この時点で、三菱重工業は、工程を安定させることにより、作業員の負担軽減を図るため、製造工程の改善を求めることも考えたが、MDFのように製造能力が年間8トンの小規模デモンストレーションプラントにおいては、大規模な設備改造をすることは現実的ではなかった。」(甲第四〇号証P27)と記している。BNFL社が提案を拒否したのは、外径の分布が正規分布には従わないからであった。

 ベルゴ社の場合1ブレンダーあたり32個以上と、抜取数が少ない。ベルゴ社の検査は計量抜き取りではなく、計数抜き取り検査であったが、それにしてもこれほど少ない抜取数で検査を行っていたということは、ペレット外径の分布に正規性があり、少ないサンプル数でも全体の分布を反映していることを前提としていたとみなすべきである。

10 債務者は以下の立証を行わなければならない。

@ 抜取検査全データと、全数計測全データを開示した上で、ブレンダーごとに1ミクロン刻みの両者の分布を比較するグラフを作成し、両者を比較しながら、抜取検査分布を中央に寄せたり、平均値を操作したり、あるいは仕様をわずかに外れるデータを仕様範囲に押し込めたりした形跡がないかどうかを確認する。

A 仮に全数計測データは既に失われているというのであれば、全数計測のグラフに代えて、せめて正規分布でもって比較する。これと不自然にずれている値や形状がないかどうかで不正の有無を確認することができる。これについては、抜取検査全データが開示されれば、直ちに可能である。

B 抜取検査全データが開示されれば、ペレットの上・中・下部の一致度等も確認されるであろう。

C @ABの考察で、抜取検査データに不正がないことが確認されてはじめて、ベルゴ社の不良率がBNFL社の約200分の1であったかどうかを、抜取検査データに基づいて確認することが可能となるのである。その際にも、理想曲線ではなく、実態でもって確認がされなければならない。

11 今、開示されている4ミクロン刻みのデータから、1ミクロン刻みのデータを推測し、正規分布と比較すると、分布形状に異常がある可能性が指摘できる。このことからも1ミクロン刻みの実データの検討が是非とも必要である。(甲第六四号証)

 

五 ベルゴ社の抜取検査並びに債務者の立会検査の信頼性

1 債務者は、「ベルゴ社はISO9002を取得しており品質保証体制が確立している。」とし「特に、@品質部門が製造部門から独立していること、AMOX燃料ペレットの外径寸法測定と評価が別の担当者によって行われていること、B内部監査が定期的に実施されていること、C作業者の教育、訓練が適切に行われていることを確認しています。さらに、D燃料ペレット外径寸法測定データが手入力を介さずにコンピュータに転送され、コンピュータに転送されたデータは『READ ONRY(読み取り専用)』となっており書き換えができないことを確認しています。以上から、当社はベルゴ社において品質管理が適切に行われ、本件MOX燃料ペレットの品質に何ら問題はないと判断しています(乙第七号証)。」(乙第二〇号証)とある。しかしすでに申立書において指摘しているように、ここに挙げたことは、不正がなかった証拠にはならない。

2 それどころか、今年8月9日付福島瑞穂参議院議員による質問主意書にある「作業員が人為的にペレットを回転させるなどして、仕様範囲のデータが得られるまでペダルを踏まずにデータを入力しなかった場合、ベルゴ社の品質部門の人間はどのようにしてその事実を把握することができるのか。また、別の人間が外径測定を評価する場合に、測定された数値でなく、その測定が不正に行われたか否かということをどのようにして認識するのか」という質問(甲第七四号証の一P5)に対し、政府が9月19日付答弁書に「通商産業省においては、東京電力から、ベルゴ社において、MOX燃料ペレットの外径測定は品質部門で行われているところ、測定担当の人間が御指摘のような操作を行った場合、別の人間がその事実を把握することはできないと聞いている。」(甲第七四号証の二/二の1について)と回答していることからも、MOX燃料の検査時に不正を防ぐ手段はなかったことは明々白々である。部門が独立していることや、測定と評価が別の担当者であることはなんら不正の抑止にはならない。債務者は不正の有無を、データの詳細な分析によって明らかにする以外にないのである。

3 債務者は、債務者自身が現地でデータの確認を行ったとして「ベルゴ社の品質管理データについて、ベルゴ社現地工場においてその開示を受け、コンピュータを用い不自然な数値の並び(数列)の検索を行いました。」(乙第二〇号証)と述べている。これはしかし、一体何をどう確認したのか、全くわからないものである。今年5月18日付福島瑞穂参議院議員による質問主意書の「上・中・下部の三点のデータの一致度合いは確認されているのか。」という質問に対しては(甲第一四号証の一)政府が7月18日付答弁書に「御指摘のデータの一致度合いについては確認していない」(甲第一四号証の二)と回答していることから、これが、ペレットの上・中・下部の一致度等を確認できるものではないことはわかるのだが、では一体何を確認したのか。数列の一致度とは何か。誰が誰のコンピュータにどのような操作をしたのか。指摘されている証拠にも何も書いていない。

4 立会検査についても、債務者が確認したのだから信じよというばかりで、詳細な説明はない。債務者らが行った立会検査では測定点数が一点だけであるので、抜取検査時に、測定位置を中央に寄せるなどの操作が行われたときに、これを確認することができないことは既に指摘している。データについては、これこそ債務者自身の検査結果として、加工されたものではなく、実データが真っ先に開示されてしかるべきものである。また債務者は「ベルゴ社の検査員が当社ら立会人が気付かないほど巧みに不正に再測定するような余地はなかった」(乙第二〇号証)と述べるが、検査の詳細は明らかにされていない。立会者は何を見たのか。ペレットの位置を決めるところまで確認したのか。位置関係を写真や図で示すなどしながら、詳細を明らかにすべきである。

 

六 これ以上データ開示を拒否することは許されない

1 検査データについて、債権者は、東京電力2月報告書(甲第五号証)に添付された4ミクロン刻みのロットごとのヒストグラムが、不正があってもそれがわからないようにする加工がわざわざ施されていることを指摘したが、これについて債務者は、反論せずにただデータを公開しない「合理性」を説くだけである。そして不正がないとして債務者が挙げる理由は、いずれも周辺の状況についてのものでしかない。

2 例えて言うなら、ある男が万引きを行った可能性があるとして調査に入ったのに、その男の育った家庭環境に問題はないとか、学校の成績は優秀だとか、裕福なので万引きの必要がないとか、別の事件で捕まった男とは顔つきが違う、といったことを確認するだけで、現場検証や聞き込みを全く行わない。そして直接証拠を全く示さずに無実と決めつけ、「私が無実と決めましたし、彼もやっていないと言っているので信じましょう」と言っているようなものである。

3 本件MOX燃料についての債務者の再調査は、BNFL事件をうけて通産省が指示したものであり、「特に関電用MOX燃料に係るBNFL社において行われたような品質管理記録(ペレット外径)の改ざんないし捏造の事実がないこと」(答弁書P17)を調査対象としていることからも明らかなように、債務者の再調査のそもそもの契機がBNFL事件にあることは疑いもなく、さらにMOX燃料の製造、検査には普遍的な困難があるという認識があることを、通産省電気事業審議会も認めている。そのBNFL事件で不正が明らかになったのは、1ミクロンごとのデータの公開、それを市民にも公開したためである。

4 この点について 通産省電気事業審議会が設けたBNFL製MOX燃料データ問題検討委員会において、ある委員が、BNFL事件の教訓として透明性を高める措置をとるべきだとして次のように発言している。「多分国内にさまざまな方たちがいらっしゃって、いろいろな分析をされて、おかしいということを言っておられましたよね。それができたということは、いろいろなデータを出したから…透明にしたから(である。)」「こと原子力に関して言うと、そこで何が起きるということが非常に影響力が大きいということを考えたときに、いろいろな意味で国民に対する透明性を上げる。一般的な市民に対する透明性を上げるということを基本方針に(すべきである。)」(甲第六九号証P35・36)

5 また、原子力学会が定めようとしている倫理規定の案が公表されているが、この中に、守秘義務と情報公開の項目に「会員は、組織の守秘義務に係る情報であっても、公衆の信頼感・安心感を失わないために必要な情報である場合には、これを速やかに公開しなければならない。この場合、組織は守秘義務違反を問うてはならない。」との内容が盛りまれている。(甲第七〇号証)

6 債務者が「データについては、東電はベルゴ社から開示を受けて確認している。一般公開については企業秘密に属するのでヒストグラムにしたことには合理性がある。」(準備書面(一))というようにして、企業秘密を楯に、いつまでもデータの開示を拒みながら、『東電が確認したんだから信じよ』、あるいは、『ベルゴ社には不正がとない信じている東電を信じよ』、『あるいは通産省が信じている東電を信じよ』、という態度をとるのは、BNFL事件やJCO事故の後ではもはや許されない。また通産省や債務者が、これまでに、原子力発電の安全上の問題で、いかに住民の信頼を損なうようなことを行ってきたのかについては枚挙に暇がない。(第四)

7 また、「ベルゴ社は通産省にデータの開示を認めている。通産省がデータの開示を受けなかったのは、東電、東芝、AVIの確認の結果が信頼できるものであったからである。」(債務者準備書面(一))とあるように通産省は、ベルゴ社よりデータの開示を認めると言われておきながら、データの開示を受けていない。このことは、通産省が自ら行うべき確認作業を放棄し、そうした状況で出された債務者への合格証が、なんら安全の保証にはなりえないことを示すだけである。

8 債権者はこれまでに、

・債務者は不正がないというのであれば、それは測定データに基づいて立証するしかないこと。

・4ミクロン刻みの今のデータの開示の仕方は、不正を覆い隠すものであること。

・1ミクロン刻みのデータでもって、全数計測データと抜取検査データのブレンダーごとの比較を行い、不正の有無を確認すべきであること。

・今、開示されている4ミクロン刻みのデータから、1ミクロン刻みのデータを推測し、正規分布と比較すると、分布形状に異常がある可能性が指摘できる。1ミクロン刻みの実データの検討がなおさら必要であること

・それを行わない限りは、不合格ブレンダーがゼロであることは不自然ではない、という債務者の主張も立証できないこと。

 を指摘し、さらに、全数計測データは保存されていない、との債務者の主張は、これを信じることは到底できないのであるが、そのために全数計測データに代えて正規分布との比較を行うことの提案まで行っているのである。その場合に、債務者が行なわなければならない最低限のことは、たかだか一万弱の抜取検査の1ミクロン単位のデータの開示なのである。

 

第三 仕様外のペレットの使用による危険

 

一 乙第一〇号証の評価の動機について

1 債務者が「仕様外の燃料ペレットが使用された場合においても危険は発生しない。」(乙第二〇号証)との主張の根拠にしている乙第一〇号証については、まずもって、通産省がこれをわざわざ外部機関に委託してまで行った動機が異常であり、これを異常とも思わずに主張の根拠に挙げる債務者の態度も異常であることを指摘せざるをえない。

2 乙第一〇号証は、「あえて製造公差外の外径寸法を有するペレットが炉内に装荷された場合を想定してその影響評価がなされた結果を示すものである。」(準備書面(一))というが、ペレットが不正なしに、基準に従って作られていた場合には、ペレットと被覆管の間には一定のすき間(以下「燃料ギャップ」という)が確保されているはずで、「あえて」この燃料ギャップがない場合の評価をする必要はない。

3 例えて言うなら、重量制限が10トンである橋があるときに、「10トンという制限には安全余裕がとってあるはずだから、実際にはもっと重くても落ちないはずだ。11トンではどうか、12トンではどうか、そして15トンではどうか。」と「あえて」評価する動機は何か、通常は10トンまでのトラックしか通らない橋に15トンの戦車が通っても、橋はかなりたわむものの落ちるところまではいかないという評価をやってみせる者がこれを行う動機は何か、ということであろう。明らかにこれは実際に15トンの戦車を、重量制限を侵してまでもどうしても通したい者の行うことである。そしてこうした評価を、制限を決める側に立ち、本来ならば橋の通行者に重量制限を遵守させるべき立場にある者が行ったというのが、今回の事態である。

 最初に専門部会で質問を発した委員の意図がなんであれ、通産省が行った乙第一〇号証の評価は、これが持つ客観的な意味を考慮すると、不正が明らかになった高浜原発4号機用のMOX燃料を、自らが決め、自らが厳格に監督すべき基準をかなぐり捨てて、これを侵してまでも関西電力に使用させるため、という極めて異常な動機があったと言うほかはない。これを無反省に自らの主張の根拠にする債務者の姿勢もまた異常というしかないのである。

4 BNFL検討委員会においては、各委員からこうした姿勢に批判的な発言が相次いだ。

 委員長は、第一回の委員会で「カンニングした学生がいたら、この問題はカンニングした、しないという議論はしないで、答案は直ちにゼロで一学期間の成績はほかの試験もゼロにしてしまうのが普通なんですが」(甲第一五号証F14)と述べ、不正が明らかになった際には、その時点でアウトにすべきで、不正の程度を調べ、使えるものがあるかどうかを吟味するようなことはすべきでないとの姿勢を表明している。また、第三回の委員会においては、守るべきルールについて「品質保証というのはシステムに対するクレディビリティーだから、一旦決めたことは守ることでしか、トータルの信頼性が担保できないわけだから、そこでさじ加減は絶対できないと思うんです。」と述べている。(甲六九号証P39)

 乙第一〇号証は、通産省は第三回の委員会の場に資料として提出し、説明を行ったが、委員長は「ファクトとしては理解しておきますけど。それだけでよろしいですね。」「今回は議論しないことにしましたが」などと述べ、あえて取り合わなかった。(甲第六九号証P14P37)

 昨年10月末に通産省が、高浜4号機用MOX燃料のデータについて意見を聞き、ロットP824の品質管理データ(抜取検査データ)は統計的に見たら不正を疑うべきだ、という指摘をしていた原子力技術顧問でもある委員は、その際に「絶対にやめろ、というふうに言わなった」ことを「反省」(甲第六九号証P38)しながら「一度決めたルールは絶対守っていかなきゃいけないという性質をもっているのが、こと原子力なんだ。もう寸分の誤りも許されない、寸分の危険も許されないということに対しては、そういう性質をもっているんだという覚悟を決めなきゃいかん」(甲第六九号証P38)と発言している。

 

二 乙第一〇号証は通常運転が条件

1 債務者が「債権者らは、燃焼の進んだ燃料に対しては、甲第四四号証に燃料破損の判断基準が示されているとし、当社はそれに基づく評価を行っていないと指摘している。しかし甲第四四号証に示された燃料破損の判断基準は、安全評価のために敢えて想定する制御棒落下事故で瞬間的に出力が増加するような「特殊な状況」に適用される判断基準である。他方、乙第一〇号証で議論されているのは、通常運転中に機器の誤動作、操作員の誤操作をも考慮した際に適用される判断基準であるから、両者は、債権者らの指摘に反し、単に燃焼の進みの観点で区別されるのではなく、対象となるプラント状態自体が全く異なる。」(乙第二〇号証)と述べているのは、乙第一〇号証の評価が、「設計基準事象」のうち、通常の「運転時の異常な過渡変化」に適用される判断基準に照らしての評価であり、燃料の破損が最も起こる「事故」である「制御棒落下事故」に適用される判断基準に照らしての評価ではないことを認めるものである。

2 次に述べるように「事故」を想定した評価は、安全審査上要求されるもので、「安全評価のために敢えて想定」「『特殊な状況』に適用」などといってことさらに意義を低めることはできない。日本最大の原子力事業者である債務者が、このように安全審査上の要求を軽視する態度をとるのは驚くべきことであり、信じがたいことである。

 

三 安全審査は「事故」を想定した評価を要求

1 本件で直接問題になっているのは、MOX燃料ペレットの外径が適正に品質保証されているか否かであり、ペレットの外径が10・330o〜10・370oと定められているにもかかわらず、現実に原子炉において燃焼されるペレットがこの規格をはずれていれば、同規格を前提としてなされた安全審査がその基礎を失い安全保証がなされていないことを意味する。

2 原子力発電所の危険性は、チェルノブイリ事故の悲惨な結果をみるまでもなく、放射能の危険性にある。原子炉の運転により発生する膨大な放射能は、燃料の中で生成されそこに蓄積されている。この放射能をそこに閉じこめることができるかどうかは、まず、第一に燃料の健全性に依存しており、この健全性が原子力発電所の安全性の根本的基礎である。

3 原子力安全白書は、「原子力発電所は、その運転により原子炉内に放射性物質が生成され、蓄積されるが、その放射性物質が異常に漏えいしたりすると、周辺公衆に影響を及ぼしかねないという潜在的な危険性を有している。このため、この潜在的な危険性を顕在化させないように、平常運転時には放射性物質の放出を合理的に達成できる限り低くするように管理し、万一の事故に際しては放射性物質を閉じこめることによって多量に放出されるのを防止することが、原子力発電所における安全確保の基本的方針となっている」と述べ、さらに、平常運転時の放射線防護の考え方として、「原子力発電所は、原子炉の運転によって発生する放射性物質を内部に閉じこめる設計となっている。具体的には、燃料被覆管の健全性を確保して燃料棒内に蓄積した核分裂生成物が冷却材中に漏出しないようにするとともに、・・・」と述べている。

4 このように、燃料と燃料被覆管の健全性を確保することは、原発の安全性にとって最も基礎的に重要な事柄なのであり、「発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針」(甲第三九号証の一)でも「指針12・燃料設計」(P12)において「1・燃料集合体は、原子炉内における使用期間中に生じ得る種々の因子を考慮しても、その健全性を失うことがない設計であること。」と定式化されている。このような原則を当該原子力発電所が満たしているか否かが「発電用軽水型原子炉施設の安全評価に関する審査指針(甲第三九号証の一)に沿って審査される。

5 同指針は、「1・安全設計評価の目的」として次のように書かれている(P103)。「原子炉施設の安全設計の基本方針の妥当性は、『安全設計審査指針』によって審査される。原子炉施設の幾つかの構築物、系統及び機器は、通常運転の状態のみならず、これを超える異常状態においても、安全確保の観点から所定の機能を果たすべきことが、『安全設計審査指針』において求められている。したがって、原子炉施設の安全設計の基本方針の妥当性を確認する上では、異常状態、すなわち『運転時の異常な過度変化』及び『事故』について解析し、評価を行うことが必要である。以下には、安全設計評価に当たって想定すべき事象、判断基準、解析に際して考慮すべき事項等を示す。」

 ここで評価の対象になっているのは「設計基準事象」と呼ばれるものである。「設計基準事象」は、起こりうる多数の異常事象を分類して、その中から典型的な事象を抽出したものであり、残りの事象の安全性はこれらの安全性に「包絡される」と考えているものである。「運転時の異常な過度変化」とは、原発の寿命期間中に一回以上起こりうるものであり、「事故」とは、発生頻度はより小さいが、プラント及び周辺公衆に重大な影響を与えうるものと規定されている。「制御棒落下事故」は、ここでいう「事故」に相当するものである。日本では原発の寿命が規定されていないため、寿命がのびるとともに、このような「事故」が発生する可能性も増大すると考えなければならない。

6 燃料の健全性は、このような「事故」においても重視されている。上記審査指針(甲第三九号証の一)における「判断基準」(P105)の中の「4・2 事故」には、「(1)炉心は著しい損傷に至ることなく、かつ、十分な冷却が可能であること (5)周辺の公衆に対し、著しい放射線被曝のリスクを与えないこと」という項目が燃料の健全性と直接関係している。念のために言えば、この「判断基準」は、制御棒落下事故だけでなく、すべての事象に適用される判断基準なのである。

7 原子炉の安全性に関しては、「運転時の異常な過度変化」や「事故」が起こっても基本的に放射能が閉じこめられることが要求されている。そのため、「運転時の異常な過度変化」においては、安全性の判断基準として、「燃料被覆管は機械的に破損しないこと」、「燃料ペレットの保有熱量は許容限界値を超えないこと」が直接燃料の健全性に係わる要求として設定されている。「事故」においては、もはや燃料と被覆管の健全性がある程度破壊されるに至るものの、その場合でも、その破壊が著しくない程度にとどまることが要求されている。

8 事故で最も燃料の破損が起こる場合は、「制御棒落下事故」であり、制御棒落下事故では、中性子が一挙に増えて反応度が高まり、燃料がコナゴナに破損して冷却水中に飛び出す恐れが生じる。事実フランスのカブリ炉で行われた実験では、意外にもろく、MOX燃料はコナゴナになって冷却材中に飛び散っている。そうなると冷却材の流れが塞がれるため、冷却が妨げられて大惨事になる危険性が起こる。

9 もし燃料データに偽造があれば、燃料の健全性が基礎から揺らぎ、すべての安全解析が基礎を失うことになる。それ故、ある範囲内にすべての事故が納まるという現在の事故解析の結論は信憑性を失い、その範囲を超えて事故が発生する可能性が生じて、チェルノブイリ級の事故に発展することも否定できなくなる。

 

四 不良ペレットを含む場合の安全性は確認されていない

1 甲第四四号証に示された燃料破損の判断基準は、制御棒落下事故に適用されるものであるが、債務者が「当社は、原子炉設置変更許可申請に際して、甲第四四号証に示された燃焼が進んだ燃料に対する破損の判断基準を取り込んだうえで評価を実施している。」(乙第二〇号証)と言うように、実質的に安全審査に取り込まれている。そして以下に示すように、甲第四四号証に示された破損には、燃料と被覆管のすき間(燃料ギャップ)が関係する。

 債務者が「制御棒落下事故については、その発生は燃料ペレット外径寸法とは無関係であり、また前述のとおりその発生自体考え難い」(乙第二〇号証)と述べているのは非常に誤解をまねく表現である。制御棒の落下については、その発生そのものは確かに、燃料ペレット外形寸法とは無関係かもしれないが、事故の際の燃料がどの程度の破損するのか、それが燃料をコナゴナの状態で放出させ、大量の放射能汚染を引き起こすのか否かには大きく関係するのである。

 また、ここでも「発生自体考え難い」として、制御棒落下事故の想定そのものを否定するが、この態度は安全審査の前提を完全に無視する態度である。

2 債権者準備書面(一)で指摘したように、甲第四四号証は、近年の反応度事故模擬実験の結果によって、燃焼の進んだ燃料の場合、従来想定されていた燃料エンタルピのレベルよりもずっと低いレベルで、燃料がコナゴナになって破損するという事実が、燃焼の進んだ燃料を用いた我が国の日本原子力研究所(NSRR)での実験並びに仏国のCABRI炉での実験などによって、明らかになってきたことにより、新たな事実上の基準が設定されたものである。この破損は一種のペレット/被覆管機械的相互作用(Pellet/Cladding Mechanical Interaction)を原因とする破損(以下「PCMI破損」という)とされており、新基準はこのPCMI破損を生ずる燃料エンタルピのしきい値を考慮したものとなっている。日本原子力研究所の実験で使用された燃料は、関西電力の大飯原発や高浜原発などで実際に使用された燃焼の進んだ燃料であり、炉内でPCMI破損により劣化したものである。

3 PCMI破損は「燃料の燃焼が進むと、燃料被覆管は中性子照射、酸化及び水素吸収により、延性が低下するとともに、ペレットは核分裂生成ガスの蓄積等によって膨れ、さらに出力急上昇時には膨れ量が増加する可能性がある。このため、燃焼の進んだ燃料では、反応度投入事象の比較的初期の被覆管温度が有意に上昇する以前において、ペレットの急激な膨張に被覆管が耐えられず、割れが生じて燃料が破損することが考えられる。」と説明されているように、燃料ペレットと被覆管のすき間(燃料ギャップ)に関係している。

4 燃料の燃焼が進むと、ペレットが膨張する様子は、本件MOX燃料使用に際しての原子炉設置許可変更申請書に「ペレットは、初期段階においてわずかながら体積が減少する。これを焼きしまりと呼んでいる。更に燃焼が進むと核分裂による気体状及び固体状の核分裂生成物がペレット内に蓄積すること等により、ペレット体積が増大する。これを照射スエリングと呼んでいる。

 燃料寿命を通じて、熱膨張と照射スエリングにより被覆管に過大な歪みが生じないよう、ペレット内部空孔及びペレットと被覆管の間隔を決める。」(甲第三七号証ノ一)と記述されている。

 また、燃焼にともなってギャップがなくなる様子は、関西電力の原子炉設置許可変更申請書に描かれている。(甲第三五号証)

5 甲第四四号証でPCMI破損が起こるしきい値は、実際の炉内で使用された燃料を用いた実験結果に基づいて設定されている。したがって、当然装荷当初には定められたギャップをもつ燃料であり、はじめからギャップがない燃料などは実験に用いられていない。

 MOX燃料導入に際しての債務者による原子炉設置許可変更申請に対する原子力安全委員会答申が乙第一二号証に示されている。別添資料には審査にあたって「PCMI破損による衝撃圧力等の発生による影響」も考慮していることが記されているが(乙第一二号証)、判断基準となっているのは甲第四四号証である。

 もしはじめからギャップがない燃料を想定した場合には、燃焼が進むにつれてペレットが膨張することにより、被覆管により過大な歪を生じ、PCMI破損もより小さいエンタルピで生じると考えられる。事実、乙第一〇号証では、新品時のギャップが小さいほど、歪みを生じる熱量が小さい、すなわち歪みを生じやすい傾向にあるとの結果が出ている。そうした際には、甲第四四号証を取り入れたとされる原子炉設置許可変更申請書における事故解析結果をこえる事態が起こりうる。装荷当初から不良ペレットを含む場合の実験はなく、それゆえ新基準が当てはまるという保証は何もない。一般的に容易に破損する傾向になるのである。

 

五 プルトニウムスポットについて

 MOX燃料ペレットの安全性に関わる問題にプルトニウムスポットの問題がある。

 MOX燃料は酸化ウランと酸化プルトニウムを混合して製造されるが、これを完全に混合することは、原理的に不可能で、プルトニウムスポットが生じることが避けられない。プルトニウムスポットがあると、そこが局所的に温度が上がり、燃料を覆う被覆管に損傷をあたえ、安全上深刻な影響を与えるものである。そのために、大きさや個数が安全上問題にならない範囲でなければならない。先に指摘したようにベルゴ社で製造されたペレット中のプルトニウムスポットはBNFL社製よりも大きく、質的に劣る。

 不良ペレットは検査により完全に排除されるべきであるが、プルトニウムスポットの検査には時間と経費がかかり、きわめて少数の抜取検査しか行われておらず、不良ペレットを検査で全てを排除することはできない。ベルゴ社が本件MOX燃料について行ったプルトニウムスポットの検査は約43万個のペレット中たったの32個であった。

 この意味からも、本件MOX燃料が不良ペレットを多く含む可能性があり、その安全性は確認されているとは言えないのである。

 

第四 東京電力と通産省の信頼性

 

一 福島第二原発3号機・再循環ポンプ大破損事故

 1989年(昭和64年)1月6日東京電力福島第二原発3号機が重大事故を起こした。その後2年間に亘って停止するという当時原発史上最大の事故となった。しかし、その経過は「もんじゅ」事故にも匹敵するほどの悪質な歪曲の連続であった。東電の事故隠し体質の検証としても、この事故経過は貴重な記録といえる。以下にごく簡単にその核心を述べる。

 甲第七五号証P2に「何がこわれたか」という図がある。高スピードで回転する羽根車が、落下したリングによってメチャメチャに削られ、約30キロの金属片・金属粉が炉内に入ってしまった。これが事故の発端であった。

 平成元年2月12日付で福島第二原発はビラを作成し、地元に新聞折り込みで全戸に配られた。しかし、事故後一ヶ月以上たっているのに、偽りのオンパレードであったため、当時市民側が添削して地元に再配布した。(甲第七六号証)新聞報道(甲第七七号証ノ一・二)でも東電の発表のまま表現されている。誤っている個所は以下の一〇個所に及ぶ。

@ まず1月7日からの定期検査で破損が発見されたというものである。事実は1月6日振動が激しいので翌7日手動停止、1月9日から定検予定だったところを2日くり上げて1月7日から定検に入ったもの。裏面の図と図1「何がこわれたか」(甲第七五号証P2)を比較していただきたい。

A リング、羽根車とも一部が欠けただけであると言うことも事実に反している。

B すべて回収され、未回収は座金の一部だけと思わせる表現も事実に反している。

C 炉内に異常がないという発表には恐れ入るが、実際は、金属片が燃料棒にゆ着(高温で融け)し、結局燃料は運転再開にあたって全量取り替えたほどであった。

D 2月28日には炉内から大小の金属片が見つかったとして13片の図も公表された(甲第七八号証)が、3月17日になって、炉内への金属流入は約30キロになることが発表された。国の調査委員会はようやくこの時点で設置された(甲第七九号証ノ二)。「燃料集合体内部にも異物」の発表は4月7日、8月には資源エネルギー庁の調査報告がまとまるが、不審を抱いた市民はアメリカの情報公開法を用いて、アメリカのNRCの記録を取り寄せた。

E その結果、実は1984年と88年に福島第二1号炉でリングの脱落と溶接部のひび割れが、いずれも定検中に生じていたことを知った。三度目の正直だったのである。

F 84年のリング落下は国への報告には「リングに亀裂が入っていた」と偽っている。(甲第七九号証ノ一)

G アメリカのNRCでは、この原因を共振現象と推定しているのに、2度とも日本側では溶接ミスと断定し、溶接強化で対応をすませていた。

 この事故をきっかけに市民側は、市民事故調査委員会をつくって事故の真相と原因究明を続け、運転差し止めの訴訟もおこした。(甲第八○号証)1年半ののち、東京両国で市民調査委と東電の公開討論会がもたれ、討論をたたかわせた。それまで、すべてスケッチされた図しか公表せず実物の写真提供をガンとして拒み続けていたが、この日会場にようやく、事故直後の生々しい写真が数点公表された。(甲第八一号証ノ一)

H それによれば、図「何がこわれたか」(甲第七五号証P2)1の羽根車の図も正しくなく、さらに一ヶ所大きく変形したことがわかった。公開討論会に先がけて福島第二3号炉に陳列された羽根車などをみせてもらった(甲第八一号証ノ二)が、

I その現物も陳列にさいして工作されていたことが、公開討論会会場の写真で判明した。(甲第八一号証ノ二のD)これ以前にマスコミ等に公開された写真は、割れたりリングだけ(甲第八一号証ノ二のEに同じ)であった。

 事実の隠ぺい、偽証の数々とさらに危険なのは、原因究明と事故対応において自らをも偽る姿勢であると言わざるを得ない。(甲第八二号証)

 住民は、これらのことをじっと見ていた。運転再開にさいして脱原発市民らが行った自主住民投票において、彼らの思いは一気に吐露された。「二千人の声」として収録されている。(甲第八三号証)

 

二 福島第一原発2号炉・緊急炉心冷却系(ECCS)作動事故

1 1992年9月29日、東電福島第一原発2号機で原子炉への給水が停止してECCS (緊急炉心冷却系)が作動する事故があった。(甲第八四号証)このとき東電は、実はこの炉で12年前(81年)にもECCSが作動する事故があったことを明らかにした。(甲第八五号証)通産省にだけはECCS作動の報告をしたが、県にもマスコミにも知らせていない、とのことだった。東電ではこれについて、事故ではなかったので事故報告はしていないし、記録もすでにないと主張した。したがって92年に公表されたのは、通産省に提出された報告書の中の圧力と水位のグラフ(甲第八六号証裏面)だけで、これが唯一の残されている記録だとのことであった。

2 このグラフは、水位と圧力の異常な低下を示しており、スリーマイル事故並の事態がおきていたことが推察されるものであった。その事実を明らかにするには、より詳しい記録が必要であるが、とにかく、東電は記録はすでにないとして、とうとう逃げ切ったのである。81年といえばスリーマイル事故(1979年3月28日)直後。何らかの政治的判断が働いたと推測することは決して不自然ではない。

3 記録の有無について、11年後のこのときまさに今回のMOX疑惑と同様のやりとりが繰り返された。(甲第八七号証)たとえば、9月29日の事故直後、10月7日に第一原発への抗議にいった県民との間で、「事故記録はあるのか」と聞かれて「当然ある」と答えている。ところが、その後はいっさい記録はないとのことで、出てこないのだった。

4 事故を報告しないことは、原子炉等規制法に明白に違反する。東電は事故ではなかったから事故記録の報告はないし、法令に違反しないと主張するのに対し、通産省の方は、事故の記録として当時東電の提出したもので充分、との見解であった。但し、現在では不十分だったことを認めている。

5 いずれにしても記録のないことが、白とも黒とも定かにできない結果となる。したがって、あくまでも記録はない、としたものである。シロを証明するよりも灰色のままにすることの方を選んだといえよう。それは、クロよりもマシという判断に他なるまい。

 

三 美浜原発1号炉での核燃料棒大破損事故

1 1973年の定期検査時に発見された関西電力・美浜原発1号炉の核燃料棒大破損事故において、通産省は関西電力を「指導」して、事故隠しを行った。

2 事故が発覚したのは1976年のことで、テレビディレクターの田原総一郎氏のもとにとどいた内部告発がきっかけであった。同年4月にとどけられた告発文には、「事故発生は、昭和48年3月、燃料集合体・第三領域のうち、三体、M−7、A−6、A−7に異常があり、取りかえた。公式にはつぶれによる偏平化のため、となっているが、一体については溶融。おそらく、燃料棒が30センチぐらい切れてペレットが落ち、炉心をまわっていたものと思われる。秘密裡に処理。」と書かれていた。

3 この告発文は、田原氏によって原子力資料情報室にも持ち込まれ、その後、石野久男議員(社会党)らが国会で追及していたが、通産省は事故の事実を認めようとせず、関西電力への事実確認や調査も消極的だった。

4 同じ年の12月7日になってようやく、政府(通産省、科学技術庁、原子力委員会)は燃料棒破損事故があった事実は認めた。それによると、12月3日からの通産省資源エネルギー庁による美浜原発への立ち入り検査によって、はじめて燃料棒の先端部約70センチが欠損しているのが明らかになった、ということであり、73年3月からの定期検査での燃料集合体交換中に見つかった事故を関西電力が報告しなかった、と説明されていた。

5 12月7日の通産省資源エネルギー庁の報告では、「燃料棒の一部がもろくなっていたため、定期検査時にこれを原子炉から取り出した際に折損したもので・・・」と説明されていたものが、翌年1月25日の同庁の原因調査の中間報告では、事故が運転中に生じたことが明らかになっており、折れた燃料棒被覆管や、その中から飛び出した燃料ペレット片が炉内をかけめぐっていたことが確認されている。

6 関西電力が事故を報告しなかったことも重大な違法行為であり問題だが、定期検査時に立ち会った通産省が事故の情報を知り得たにも関わらず(立ち会わなかった可能性もある)、事故の調査を怠り、また冷却水中および海水中の放射能のデータの公開をしないなど、関西電力の事故隠しに積極的につとめた。さらに事故発覚後も「環境に影響を与えなかった」ことをことさを強調し、事故の矮小化と沈静化に奔走した。監督官庁にあるまじき行為である。(甲第八八〜九二号証)

 

四 沸騰水型原発の配管溶接部の焼鈍(しょうどん)データねつ造・改竄事件

1 日立製作所への内部告発によって発覚した沸騰水型原発における、配管の溶接後焼鈍(しょうどん:焼きなまし)データのねつ造事件では、通産省の監督能力のなさがあらためて明らかにされた。加えて、通産省は、科学的技術的な裏付けなしの「安全」をねつ造し、しかも「ルール違反を正当化」する術を生み出した。

2 1997年9月に内部告発によって明らかになったのは、日立製作所と日立エンジニアリングサービスが建設および補修工事を担当してきた沸騰水型原発で、一次系配管の溶接工事を実施した際の温度管理データに改竄があったことである。日立エンジニアリングサービスの下請け会社「伸光」が、溶接後の焼鈍(焼きなまし)を行った時に、作業が規定通りに行われたことを示す「証拠」として、模擬の配管ででっち上げたデータを流用し、これを国への報告書として約10年間も提出し続けてきたのである。

3 溶接部の検査を行う「発電設備技術検査協会」(通産省管轄の財団法人)は、書類のみのチェックしか行っておらず、データの改竄・ねつ造を見抜くことができなかった。

4 事件後、通産省資源エネルギー庁が設置した「溶接部健全性評価検討会」は、焼鈍データのチェックと配管の健全性の議論を行った。検討を進める中でも、運転中の原発であるため採取できるデータの精度に大きな制限があること、配管が十分な強度ないしは延性を有しているかどうかを判定する方法がないこと、など、原発の配管の安全性に関する議論は不十分であった。

5 しかし、検討会は、「多少(はっきりと焼鈍されていないことを示す)気持ち悪いデータがあるが、総合的判断で大丈夫ということにしましょう」という主旨の結論を下し、科学的には黒と出ているものを白と言い換え、「ルール違反」であって、ゆえに健全性が保証されない不良配管を「救済」してしまったのである。(甲第九三号証)

6 続いて1998年10月13日、やはり内部告発から核燃料輸送容器の中性子遮へい材の試験データ改ざんが発覚。原子力に対する市民の目は一層険しくなった。青森にも大きな影響を及ぼしたが、国による始末はやはり「ルール違反だが(使用しても)セーフ」とする専門家の評価を是とし、市民との意識のずれは救いがたいほど拡大した。(甲第九四号証)

7 この時の内部告発者は、「原発でのデータのねつ造は必ずといっていいほど電力会社社員が関わっています。」「官僚も判っていながら目をつむる」と証言している。(甲第九五号証)

 

五 敦賀原発1号炉・緊急炉心冷却系(ECCS)配管からの水漏れ事故

1 毎日新聞1991年5月13日(甲第九六号証)は大変な事実を明かす。官僚による情報管理の連載の第1回として、通産省にいる情報操作の実例を暴き出した。「(地元自治体などから)公開要求があったらHPCI<引用者注:高圧注水系>トラブルについては非公開と主張するように」「ここまでプラント挙動が公開されるのは困る」・・・。時は1986年10月、チェルノブイリ事故の年だ。ECCSという命綱における故障(事故)を、通産省はいとも簡単に抹殺してしまった。以後、国の原発の事故記録に上がっていない。

2 同記事の写真につけられたキャプションには、「日本の原発史上初めてECCSが作動した美浜原発事故」とある。91年2月9日の事故のことだ。しかし、これが初のECCS作動事故でないことはまだ知られていなかったことがわかる。

3 前述の81年の福島第一原発2号炉のECCS作動事故が公開されたのはこの翌年の9月なのだ。

 

第五 債務者が本件MOX燃料を使用する緊急性はない

 

一 債務者によるプルサーマルの必要性の説明

 債権者は申立書において、安全上の問題においても、経済性の問題においても、債務者がプルサーマルを行うメリットはなく、本件MOX燃料を使用する緊急性がないことを主張した。債務者は、これについて明確な反論を行っていない。プルサーマルが国の政策に基づくものであるといっても、本件MOX燃料を至急に装荷しなければならない理由にはならない。債務者が行ったプルサーマルの必要性の説明に至っては、全世界の全ての原発でプルサーマルを行うことを前提としたウラン資源の2割節約論など、現状を見ればすぐにそれが幻想であるとわかるようなものに過ぎない。

 

二 地元自治体の姿勢

 東京電力南社長は11月10日の記者会見で「3号機が定期検査に入る来年四月が望ましい」(甲第七二号証)と述べ、来年四月に本件MOX燃料を装荷する意向を表明した。これに対して福島県知事は、11月19日の記者会見で「(実施時期を決めて)それまでに急いで国民の理解を求めようなどと東電も考えていないと思う。」と述べ、装荷を急ぐ東京電力の姿勢を批判している。また、国が12月1日に福島第一原発3号機の立地町である福島県大熊町においてMOX燃料の品質問題についての説明会を予定していることについては、「説明会の開催などの理解促進の努力はみられるが、説明会が終わったから始めようというものではない。」と述べている。11月8日に新潟県柏崎市で行われた説明会では、市民からデータの開示をしない債務者に対する不信がぶつけられた。(甲第九七号証) 

 

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