プルサーマルに反対!

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東電MOX燃料検査でも不正の疑い晴れず−東電に対して資料開示請求(01/05up)
ここが問題!これがずさん!東電のプルサーマル用(MOX)燃料検査(12/29up01/04改)
福島第一原発もプルサーマル延期確実か!福島県知事と表明(12/27up)
東電の燃料は全数検査していない、関電よりひどい燃料の使用を止めよ!(12/20up)
関電が捏造を認め、高浜4号プルサーマル燃料の使用断念(12/18up)
高浜4号炉プルサーマル疑惑燃料使用中止の仮処分裁判(11/19up)
12/07(火)は東電本社へ!プルサーマル止めての声を!(11/10up)
プルサーマルとはなにか、国はなぜ進めるのか、なぜ私たちは反対するのか(12/01up)


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東電MOX燃料検査でも不正の疑い晴れず−工程管理検査、品質管理検査のデータを開示せよ−東電に対して資料開示請求(01/05up)

資料開示請求

東京電力社長
南 直哉様

福島老朽原発を考える会

 関西電力高浜原発用MOX燃料が製造過程で検査に不正があったことが発覚したのを受けて、貴社は福島第一原発と柏崎刈羽原発用MOX燃料を製造したベルゴニュークリア社に社員を派遣し調査しています。貴社が9月に行った調査結果をまとめ、通産省に提出された9月付けの報告書は昨年12月にようやく公表されました。その報告書では、ペレットの外径検査に際して「不正はなかった」としていますが、以下に述べるように、その疑念を晴らすことはとてもできません。さらに、工程管理のための全数検査が行われていないなど、検査のやり方そのものにも問題があったと思われます。

1.品質管理のための検査について

 貴社の報告書の中には、「ペレット外径の測定にあたっては、…測定システム自身が、測定データを直接コンピュータのデータベースに登録される仕様となっていることから、システム的にデータ改ざん等、人の介在する余地がない…」とあります。しかし、通産省は、測定は「グローブボックスの中で手動でピンセットを使って行なう。」「検査員がデジタル式マイクロメーターにペレットをセットし、データ入力スイッチを足で踏むことにより、データがコンピュータに転送される」と、測定そのものと、データを送る作業は手動であることを明らかにしています。また合格判定が、1本でも規格外があれば約7000本のペレットを含むロット全てを不合格とする判定法を採用していることから、むしろ不正が行われる余地の大きいやり方で検査を行っている、と見るべきではないでしょうか。不合格品を出さないために、検査員が測定点を変えながら測定を繰り返し行い、合格する測定結果が出たときにだけ足でスイッチを踏む、あるいは、不合格品はデータを送らず、そのかわりに合格しているペレットで何度もデータを送る、などの不正が行われた可能性は否定できません。

2.工程管理のための検査について

 通産省によると、ベルゴニュークリア社は東京電力用MOX燃料の製造にあたって、工程管理のためのペレット外径の全数検査は行っておらず、100個に1個の割合で抜取り検査を行っているだけ、とのことです。全数検査を行っていないことについて通産省は、「ベルゴニュークリア社はBNFLよりも製造技術が高いのでその必要がない」と述べていますが、その根拠は明らかにされていません。

以上の問題を検証する上で、最低限必要と思われる次の3つの資料の開示を求めます。

@品質管理のために行われた抜取り検査の全ての検査結果

A工程管理のために行われた100個に1個の割合での抜取り検査の全ての検査結果

B@Aのデータを検証する作業を行った際の資料

さらに、上記1.2.に関連して、不正がないこと主張するのであればそれを示す資料、ベルゴニュークリア社の製造技術がBNFL社よりも高いというのであればその根拠となる資料を開示を求めます。

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ここが問題!これがずさん!東電のプルサーマル用(MOX)燃料検査(12/29up01/04改)

問題となっているのは、直径1cm、高さ1cmほどの燃料ペレットの外径の大きさを確認する検査である。

1.なぜペレットの外径検査が大問題になるのか?

・ペレットとそれを覆う被覆管との隙間が問題。ペレットは運転中に収縮したり膨張したりするので、これをある一定の間隔に厳密に管理しなければならない。外径の検査を1/1000mm単位で行なうのもそのためである。東電の安全審査用書類には以下のように記述されている。

「ペレットは、初期段階においてわずかながら体積が減少する。これを焼きしまりと呼んでいる。更に燃焼が進むと核分裂による気体状及び固体状の核分裂生成物がペレット内に蓄積すること等により、ペレット体積が増大する。これを照射スエリングと呼んでいる。燃料寿命を通じて、熱膨張と照射スエリングにより被覆管に過大な歪みが生じないよう、ペレット内部空孔及びペレットと被覆管の間隔を決める。」<福島第一原発3号炉原子炉設置許可変更申請書より>

・ではペレットの大きさに狂いがあるとなにがまずいのか

ペレットの外径が大きすぎると→ペレット膨張時にペレットが被覆管を圧迫し被覆管に歪みが生じるおそれがある。

ペレットの外径が小さすぎると→隙間が大きくなるため、熱が伝わりにくくなり、ペレットの温度が上昇するおそれがある。

いずれも燃料被覆管が損傷を起こし、核分裂生成物(死の灰)の放出を起こす「燃料損傷」の原因となりうる。

・この指摘が大げさでないことは、スイスでおきた燃料被覆管の破損事故が示している。

スイスのベズナウ原発1号炉で、プルサーマル用(MOX)燃料を燃焼中の1997年、MOX燃料被覆管が破損する事故が起きていた。このMOXは、高浜原発3・4号炉用MOXの検査データ捏造を犯したあのBNFL社が製造していたものだった。使用開始1年でMOX燃料集合体3体に含まれる燃料棒3本で被覆管が破損した。破損の原因は燃料製造工程での問題であることが判明した。
詳しくはここをクリック(原子力資料情報室)

2.なぜ全数検査が必要なのか?

・関電のBNFL社がやっていた全数検査を東電のベルゴニュークリア社はやっていなかった

・全数検査の必要性については関電が教えてくれる。

「MOX燃料ペレットの外径研削は、臨界管理等の観点より、国内PWRのウラン燃料ペレットの湿式研削と異なり、乾式で行なわれることから外径調整が難しいため、全数自動測定を行い、外径使用外のペレットを除外し、この工程での歩留まりを向上させるために実施している。」<関電の最終報告書より>

・また関電の燃料検査の不正が発覚したときに全数検査の意義を強調したのはほかならぬ通産省であった。

「ペレットの全数自動測定データは存在するので、安全性は確保できていると考えられる」<交渉の席での通産省の発言>

・乾式研削では外径調整が難しい理由は原子力関係者向けテキストから。

「焼結されたペレットはつづみ型形状をしているので、センタレスグラインダーで研削し所定の直径の円筒形に仕上げる。研削時の発熱によるペレット表面酸化や研削砥石の熱膨張による研削寸法変化の防止の観点から純水で冷却しながら研削を行う。また、ペレットへの水分吸着を防止したい場合は乾式研削で行うこともある。」<「軽水炉燃料のふるまい」より>

3.関電よりひどい東電の抜き取り検査

関電
東電

MOX燃料製造

英BNFL社

ベルギー
ベルゴニュークリア社

工程管理検査

自動で外径を全数検査

全数検査はせず
100個に1個の割合で抜取り検査

品質検査

レーザーマイクロメーターを用い、測定・記録。ここでの不正が明らかになり関電は燃料の使用を断念した。

検査員がグローブボックスで、ピンセットを使ってデジタル式マイクロメーターにセット、データ入力スイッチを足で踏むことにより、データがコンピュータに転送される手動

点数

1ペレット上中下の3点

1点?

抜取り数

1ロット約3000本あたり200本の割合
(6.6%)

全約43万本中2852本(0.66%)
1ロット約7000本あたり32本の割合

合格範囲

8.179mm〜8.204mm

10.35mm±0.02mm
1/100mm単位
(関電の10倍)

合格判定

6本以上の不良品でロットごと不合格(ゴーロク判定)

1本でも不良品があればロットごと不合格(ゼロイチ判定)

資料開示

工程管理検査結果、品質管理検査結果とも公表

共に非公表
「日本にはデータはない」(通産省)

検査数について

高浜原発4号炉用の燃料では、製造したイギリスのBNFL社でペレットの外径検査をまず全数で自動で行い、そのあと、ペレットの外径検査をまず全数で自動で行い、そのあと約3000個につき約200個の割合(約6%)で抜き取り検査が行われていた。その抜き取り検査で記録捏造があった。一方、東京電力は福島第一原発3号炉用のプルサーマル燃料をベルギーのベルゴニュークリア社で製造していたが、そこでは全数検査すら行われていなかった。そして外径の抜き取り検査も関西電力の1/10の僅か0.6%ほど、福島原発用では、総数約43万個中たった2800個余りでしかなかった。

検査機器について

東電のペレット測定概略図
ここをクリックすると大きくなります
「福島第一原子力発電所3号機並びに柏崎刈羽原子力発電所3号機用
MOX燃料品質管理データの確認結果について(平成11年9月東京電力株式会社)より」

東電が9月に通産省に出した報告には、「ペレット外径は、品質管理部門の検査員がデジタル式マイクロメーターにより測定し、測定値は自動的にコンピューターのデータベースに登録される。」とあり、これだけなら問題ないように思える。しかし、後ろにある「概要図」を見ると、板状のものがばねにつるされて降りてきて、ペレットに当たったところで測定するという感じの絵が描かれている。さらに、通産省が質問に答えての答弁書には「データ入力スイッチを足で踏むことにより、データがコンピュータに転送される」との記述がある。どうやら測定そのものは手作業で、測定装置が降りてくるタイミングを見計らって、足でスイッチを押す操作を繰返す、という姿が見えてくる。確かにこれでは全数検査は無理であろう。(この作業を43万回繰返すことを想像してみよ)

こちらは関電
ここをクリックすると大きくなります
「BNFL製MOX燃料の製造時検査データに関する調査結果について
(最終報告書)平成11年11月1日関西電力株式会社より」

測定精度について

東電の場合、合格の範囲は直径10.35mm±0.02mm。範囲の幅は関電の2倍近くと甘い。単位は1/100mm、関電は1/1000mmの単位であったので10倍の「甘さ」である。

・測定データについて

関電が詳細に公表した測定結果を東電は全く明らかにしていない。それどころか、通産省はデータは日本にはないと言っている。

合格基準について

関電の抜取り検査は、1ロット約3000本のペレットから200個の割合で抜取り、6本以上の不合格が出たときに、ロットごと不合格にするという基準を課している。これはJIS規格に定められた、合格品質水準1%の5・6(ゴーロク)判定と呼ばれるもので、安全審査上の条件が、燃料被覆の欠陥率1%であることに対応している。<関電の答弁書より>

東電の検査は、抜き取り数、測定機器、測定精度、どれをとっても燃料の使用を断念した関電より劣るではないか。これで燃料の健全性をどうやって確認しようというのか。福島用燃料についても即刻使用を止めるべきである。

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福島第一原発もプルサーマル延期確実か。福島県知事「国民の理解が後退」と表明(12/27up)

▼12/25付福島民報は、福島県「佐藤知事は、24日の定例記者会見で、東京電力福島第一原発3号機のプルサーマルについて、茨城県東海村の臨界事故や関西電力高浜原発4号機のMOX燃料データねつ造問題などを受け、県が前提としていた国民の理解は大きく後退したとの認識を示した。さらに国と事業者に原子力政策への信頼回復に最優先で取り組むよう求めた。」と伝え、2月7日に予定されているプルサーマル実施の延期が確実な状況となった、としている。

▼同じ記事は、東電がMOX燃料のデータの最確認のために12/19から社員5人をベルギーのベルゴニュークリア社に送っていたのが12/24に帰国したが、1月早々に再び社員を派遣する、と伝えている。

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今度は東京電力福島第一原発用の燃料で、「全数検査すらしていない」驚くべき事実が明らかに!関電よりひどい燃料の使用を止めよ!(12/20up)

▼高浜原発4号炉では、プルサーマル燃料の製造時に全数検査後の抜き取り検査で検査記録の捏造が、市民運動の粘り強い追及で明らかになり、関西電力はこれの使用を断念。プルサーマル計画を延期せざるをえなくなった。ところが20日になって通産省は、今度は東京電力の福島第一原発3号炉で2000年2月に使用予定のプルサーマル燃料が、製造時に全数検査すら行われていないことを認めたのである。

▼高浜原発4号炉用の燃料ではペレットの外径検査をまず全数で行い、そのあと約3000個につき約200個の割合(約6%)で抜き取り検査が行われた。その抜き取り検査記録に捏造疑惑があったのだ。関電は全数検査がきちんと行われたとして、捏造疑惑のあった燃料の使用を主張したが、関西の運動が裁判を起こしての追求で、捏造疑惑から疑惑の文字が取れ、捏造の事実が英国当局の報告が暴露されて明らかになる中で、関電はその3号炉に続き、燃料の使用を断念したのである。

▼そうした中で、今度は東京電力がベルギーの製造会社で製造したプルサーマル燃料が、全数検査すら行われていなかったことが明らかになったのである。外径の抜き取り検査も関西電力の1/10の僅か0.6%ほど、43万個中たった2000個余りである。これでどうやって燃料の健全を確認しようというのか?関電よりもひどいプルサーマル燃料の使用を止めよ!

▼この事実は、福島議員に11月提出された東電の今年9月付の報告書が、なぜか中村議員に提出されたものと内容が異なるということが偶然わかり、この疑問を両議員が追及するなかで、明らかになったもの。高浜原発の「捏造」でまさに関電が「全数検査」の正当性を必死に主張していた時期である。事実の発覚をおそれ、報告書の「捏造」まで行われていた疑いがある。

詳しくはここをクリック(グリーンピース)

詳しくはここをクリック(原子力資料情報室)

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関電が捏造を認め、高浜4号プルサーマル燃料の使用断念(12/18up)

使用差止の仮処分を求めた裁判が追い詰めての大勝利!
<12/17に仮処分決定の予定でした>

詳しくはここをクリック(美浜の会)

国は捏造を知っていた!知ってて隠していた!

詳しくはここをクリック(原子力資料情報室)

ネツゾウ・カイザン・キョギホウコク
住民に真実を告げずに危険にさらす
事故が起これば被ばくを強い
当事者は責任逃れに奔走する
これが原子力推進の真の姿
キケン・キタナイ・ゴミガデル・タカクツク
溢れる核のゴミ問題を先送りするために
住民をプルトニウムの恐怖にさらす
プルサーマルを中止せよ!

 詳しくはここをクリック(なぜ反対なのか)

東電は来年2月に福島第一原発で予定しているプルサーマルを止めよ!

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高浜4号炉プルサーマル燃料検査記録捏造の証拠(12/11up)

▼英国原子力施設検査局が高浜4号プルサーマル燃料のデータ不正を認める報告書を出しました。裁判を起こしている美浜の会が入手しています。

詳しくはここをクリックしてください

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高浜4号炉プルサーマル疑惑燃料使用中止の仮処分裁判(11/19up)

▼検査記録の捏造疑惑のある高浜4号炉に使用予定のプルサーマル燃料の使用差止めの仮処分を求めての裁判が大阪地方裁判所に提訴されました。 

詳しくはここをクリックしてください

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12/07(火)は東電本社へ!プルサーマル止めての声を!(11/10up)

▼プルサーマル止めて!増設もやめて!Y2Kで止めて!臨界事故で原発事故はもうたくさん!あなたの声を東電にもぶつけよう。

▼東海村臨界事故の影響で九州電力はプルサーマルを延期、柏崎原発も新潟県が1年の延期の姿勢。プルサーマル1番乗りのはずだった高浜4号炉は、高浜3号炉に続き、燃料の検査記録捏造の証拠があがり、窮地に。…でっ福島は?いまだ変更なし、予定は来年2月。もしかして一番乗り?むむっなんとかせねば…。

日時:12/07(火)13:30〜

場所:東電本社近くにある東新ビル(JR新橋駅10分)

主催:東京電力と共に脱原発をめざす会

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プルサーマルとはなにか
なぜ国は強引に進めるのか
なぜ私たちは反対するのか(12/01up)

●プルサーマルとは

 原発では、ウランが核分裂する際に生じるエネルギーを使っています。その時燃料の中ではプルトニウムという物質が発生し、これが使用済みの核燃料の中にも残ります。このプルトニウムがウランと同様に核分裂することから、原発の使用中の核燃料の中でプルトニウムを作り出し、これを取り出して燃料として利用する計画が、国によって進められてきました。これがプルトニウムの商業利用です。中でもプルトニウムの燃料を通常の原発で使用することをプルサーマルと称しています。プルサーマルに用いられる燃料は一般にMOX燃料と呼ばれています。

●猛毒で核爆発する特異な物質

 プルトニウムの出すアルファ線という放射能は、人体の外にあるうちは害はないのですが、ひとたび体内に入り、肺に吸い込めば極々少量でも確実に肺ガンを引き起こす猛毒物資です。これが何万年もの間、放射能を出し続けるのです。また、長崎原爆の材料にも使われたように、核爆発する物質です。簡単に核兵器に転用できることはインドの核実験が証明しました。

●「もんじゅ」の事故でプルトニウム利用の柱に

 プルサーマルはもともと、プルトニウムの商業利用の中では「つなぎ」役にすぎませんでした。本格的には、はじめからプルトニウム燃料を使い、炉の中でプルトニウムを打ち出の小槌のように増殖させるために作られる「高速増殖炉」という特別な原発で行うはずでした。しかし、その開発は遅れに遅れた上に、実験炉の「もんじゅ」の事故でその開発が失敗であることが明らかになりました。そこで「つなぎ」役のプルサーマルが「主役」に踊り出たのです。

●「そうまでして?」の輸送問題

 今年中にも開始しようとしているプルサーマルは、英仏の再処理工場で抽出されたプルトニウムをすでにベルギーとイギリスの工場でプルトニウム燃料に加工済みです。予定通り実施するためには早々に日本にもって来なければならないのですが、これが大変なのです。プルトニウム燃料は第一級の核防護物質です。核ジャックにそなえての武装、これをだれがどのように行うのか、アメリカの合意をどう取り付けるのか、といったものものしい話が次々に出てきます。ここにプルトニウムという物資の特異性を見ることができますし、そうまでしてプルサーマルをやらなければならないその理由はなんなのか、という素朴な疑問を抱かざるを得ません。

●深刻な放射能汚染をひきおこす再処理

 使用済み核燃料からプルトニウムを抽出する工程は「再処理」と呼ばれ、再処理工場と呼ばれる化学工場で行われてます。プルサーマルを行うために再処理は不可分のもので、プルサーマルの是非を問うといことは、再処理の是非を問うということでもあります。使用済み核燃料には、燃え残りのウラン、もともと燃えないウラン、燃えかすの「死の灰」そしてプルトニウムが含まれています。これらを分離するのが再処理なのですが、これが簡単にはいきません。

 電力会社はよく「原発内の放射能は5重の壁で守られています」と宣伝していますが、再処理はその「5重の壁」を一つずつ引き剥がし、放射能をむき出しにするところから始めるのです。使用済み核燃料の中はパンフレットの絵によく見るように、中の物質がはじめからきれいに分かれているわけではありません。これを硝酸や硫酸といった爆発しやすい化学物質を使い、お釜の中でどろどろに溶かしながら分離していくのです。東海再処理工場の爆発事故もこうした化学物質が引き起こしたものでした。この再処理工場が原発以上の深刻な放射能汚染を引き起こすことは容易に想像がつきます。現に英仏の再処理工場では、分離しきれなかった放射能が排水管を通じて日常的に漏れ出し、あるいは気体となった放射能が垂れ流されています。周辺で小児白血病が増加するなど、原発事故に匹敵する被害を引き起こしています。

 日本は今、再処理をその英仏の再処理工場に委託しています。25年前もから日本各地から英仏に使用済み核燃料が送られ、プルトニウムの抽出が行われています。英仏での放射能汚染の責任の一端は日本にもあるのです。これまでに東京電力の分だけでも9トンものプルトニウムが抽出されています。

●プルトニウム需給の見通しはどうなっているのか

 「もんじゅ」の事故により、プルトニウムを使うサイドの計画は大幅に狂ってきています。国は今これをすべてプルサーマルに負わせようとしています。しかしそれでもプルトニウムは処理仕切れません。大量の余剰プルトニウムが生じることは目に見えています。それでも国は再処理によるプルトニウム抽出を中止しようとはしません。それどころか、青森県六ヶ所村に2兆をこえる金をつぎ込んでいる再処理工場の建設をあくまで続け、使うあてのないプルトニウムの抽出を続けようとしています。

●プルサーマルと使用済み燃料の後始末の問題

 六ヶ所村に建設中の再処理工場は建設が遅れ、完成予定は延期が相次ぎ、最近も2003年の予定を2005年に延ばす発表があったばかりです。その一方で併設する使用済み燃料貯蔵プールは早々に完成しています。

 原発から生み出される使用済み燃料は、原発敷地内にある貯蔵プールに保管されています。これが各地の原発で限界に近づいています。電力会社はプールに入れる燃料の間隔を狭めたりしてこれに対処していますがそれも限りがあります。どこかに送らなければ糞づまり状態でこのままでは原発を止めざるをえなくなります。これを六ヶ所村に送って急場をしのごう、というのが国、電力会社の本音ではないのでしょうか。青森県は、再処理後の燃料の使い道をはっきりさせることを使用済み核燃料受け入れの条件としています。それでプルサーマルを急いで行おうとしているのです。

●使用済み燃料を「資源」と呼んで問題を先送り

 国は今、使用済み燃料を「資源」と呼ぶキャンペーンをくりひろげ、その「資源」の一時保管所としての中間貯蔵施設を各地に作ろうとしています。しかし一度搬入された使用済み燃料は、行き場もなく居座ることになるでしょう。これは原発が生み出し続ける放射性廃棄物の処理処分をどうするかという大問題から目をそらし、先送りにするものでしかありません。「ゴミ」を「資源」と呼ぶことでゴミの置き場を確保する。「資源」と言張るために無理にでもプルサーマルを行わざるをえない。これが本当のところではないのでしょうか。

●プルサーマルは廃棄物問題をさらに難しくする

 プルサーマルはこの核のゴミの問題をさらにやっかいなものにします。再処理の過程では、多種多様な放射性廃棄物が発生し、その体積はもとの使用済み燃料よりもずっと大きくなります。さらに、プルトニウム燃料の使用済み燃料は、もはや再処理すらできないほど、放射能が多く処理処分がやっかいなものなのです。

●安全性が未確認のままでの見切り発車

 さて、通常の原発はウランを燃料にすることを前提に作られています。そこに無理やりにプルトニウム燃料を入れて使うのがプルサーマルです。ウランとプルトニウムの特性の違いから、安全上のさまざまな問題が出てくることは、東京電力も認めています。異常が起きたときにそれを止めるための制御棒がはたらきにくくなったり、異常をさらに加速する「暴走」を起こしやすくなる、といった問題です。さらに、放射能が放出するような事故の際には、毒性により、被害はウラン燃料の何倍にもなります。

 国や電力会社はプルサーマルの開始に当たって、それが欧州で十分な実績があるものであり、さらに国内での実験によって安全性が確認されていると言っています。しかし、その実験は、たった2体のしかも濃度が低いプルトニウム燃料を小型炉に入れただけのものです。240体の、濃度が高いプルトニウム燃料を入れる本格利用とはあまりに条件が違いすぎます。本格利用の前に予定されていた実証段階での実験は、プルサーマルが主役に躍り出るなかでなぜかすっ飛ばされてしまいました。

 また、ヨーロッパの実績についても現実には惨憺たるものです。特に東京電力の原発と同じ型である沸騰水型原発では、現在ドイツの2基の原発であわせて100体余りのプルトニウム燃料が使われているにすぎません。そのヨーロッパでは今、再処理をやめプルトニウム利用そのものから撤退しようという動きが相次いでいます。

 国はすでにプルサーマルの安全性についてお墨付を与えています。しかしその実質的な議論の場である部会は公開されていません。公開された資料は肝心な所が白く塗られたものでした。

 

今年5月に行われたプルサーマルについての国との公開討論会(公開討論会を実現する会主催)
にふくろうの会のメンバーが書いた資料より

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