MOX燃料疑惑
資料の整理

HOME

−MOX燃料ペレット外径検査について−

01/09更新

動き

<東電>12月24日福島県佐藤知事「3年前の主張は全部裏切られた形で出ている」「(プルサーマル実施の)前提にしていた広く国民の理解を得ることについては、大きく後退していると言わざるを得ない」「国民の理解を得るためには(MOX燃料の)検査やチェックだけで済む状況ではない」「国民は(事故は)絶対にないという気持ちになる以上の努力をしなければならない。重大な関心と決意を持って国の対応を見守る」通産省資源エネルギー庁原子力産業課鈴木正徳課長「国民に不安を与えた責任は重く感じている。まずは、燃料の徹底的な調査をやることが現段階でできること。短期間でできるものではなく、最初に日程ありきではない。エネルギー政策に対する理解についても、国として何ができるか、考えていきたい」東電福島事務所「今のところ、しっかりした調査をすることしかできない」(福島民報)

<東電>東電社員5人が12月19日ベルギーのベルゴニュークリア社に検査のため派遣。24日午後、帰国。

<東電>1月5日から東電は原子力副本部長ら社員5人をベルギーに再派遣。前回は事前調査。今回は現地で作業方針や内容について、燃料製造元のベルギーの民間会社と覚書を締結。再確認作業の実施時期は未定。東電社長は再確認作業後、第三者機関にチェックを要請する意向。

<東電>東電の南社長は1月7日福島県佐藤知事にプルサーマルの延期を伝えた。3号炉は通常のウラン燃料で運転。検査データの確認に手間取っている。佐藤知事「賢明な判断だ。今は原発政策を立ち止まってチェックする時。喪に服する期間だろう」。

<東電>深谷通産相「安全性が確認されてから進めるべきだ」同省資源エネルギー庁公益事業部長は2010年までに16〜18基の原発で実施する国の計画に変更がないことを強調。

工程管理検査

<関電>全てのペレット(1ロット当たり約3000個)は、研削後、レーザーマイクロメーターにより、自動で外形測定が行われ、測定値は自動的に記録、保存されている。(最終報告書)

<東電>関西電力褐けのBNFL社と異なり、ベルゴニュークリア社においては、製造工程管理のための計測データの記録は行っていない。(通産省12月8日付文書)

<東電>検査ではないが製造工程ではラインが2つあり、新しいラインではレーザーで全数計測が行われている。古いラインでは全数はできないが、100個に1個抜取って計測を行っている。それらのデータが保存されているかどうかは確認していない。膨大なデータになるのでもう残していないのでは。(通産省説明12月22日)

全数検査の必要性

<関電>MOX燃料ペレットの外径研削は、臨界管理等の観点より、国内PWRのウラン燃料ペレットの湿式研削と異なり、乾式で行われることから外径調整が難しいため、全数自動測定を行い、外径使用外のペレットを除外し、この工程での歩留りを向上させるために実施している。(最終報告書)

■焼結されたペレットはつづみ型形状をしているので、センタレスグラインダーで研削し所定の直径の円筒形に仕上げる。研削時の発熱によるペレット表面酸化や研削砥石の熱膨張による研削寸法変化の防止の観点から純粋で冷却しながら行う。また、ペレットへの水分吸着を防止したい場合は乾式研削で行うこともある。(「軽水炉燃料のふるまい」より)

<関電>ペレットの全数自動測定データは存在するので、安全性は確保できていると考える。(通産省の発言)

全数検査の不必要性

<東電>ベルゴニュークリア社が全数検査をしない理由について、通産省では、「BNFL社の製造技術は低く、歩留まりが悪い。全数を検査した上に、抜き取り検査も行う必要がある。これに対してベルゴニュークリア社の製造技術は高く、全数検査を必要としない」と回答した。(グリーンピースHP)

品質管理検査

関電

東電

ペレット総数

 

福島第一3号炉分だけで約43万個

ロット数

 

70

1ロット中の個数

約3000個

約7000個

抜取り総数

 

福島第一3号炉分2852個
柏崎刈羽3号炉分3021個

抜取り個数

1ロット約3000個あたり200個

1ロット約7000個あたり32個

合格の判定

ゴーロク判定(規格外5個までで合格、6個以上でロットごと不合格)

ゼロイチ判定(1個でも規格外があればロットごと不合格)

測定点数

1ペレットあたり上中下の3点

 

ペレット外径仕様値

8.179mm〜8.204mm

10.35mm±0.02mm

合格品質水準

AQL1%

AQL0.4%?(数値が低いほど厳しい)

抜取りの規格

JIS規格(JISZ9015)

MIL-STD-105D

検査方法

<関電>ランダムにサンプリングされた200個のペレットの外径が、レーザーマイクロメーターを用い、測定、記録される。測定、記録は、通常1人の資格認定を受けた検査員が測定値を読み上げ、その値を運転員がコンピュータに入力している。(最終報告)

<東電>ペレット外径は、品質管理部門の検査員がデジタル式マイクロメーターにより測定し、測定値は自動的にコンピューターのデータベースに登録される。(東電9月付報告書)

<東電>検査員がデジタル式マイクロメーターにペレットをセットし、データ入力スイッチを足で踏むことにより、データがコンピュータに転送され、検査員が意図的にデータの流用を行えない仕組みとなっている。(通産省12月8日付文書)

<東電>全ロットから32個を抜いてグローブボックス内で、手作業で外径、高さ、重量を計測する。(通産省説明12月22日)

東電のチェックとデータ

<東電>製造時における東京電力の検査方法…ベルゴニュークリア社の品質管理部門が計測したデータのうち15〜30%程度(福島2852個中448個、柏崎3021個中912個)を任意に抜取再検査(東電9月付報告書)

<東電>今回調査(昨年9月)における確認内容…●現地工場において、測定データが自動的にコンピューターに送られることを確認。●念のため以下の確認を実施・コンピューター上のデータ数と品質管理データ数が等しい(東電9月付報告書)

<東電>計測データについては、当省としては、今回、データの測定方法が適切であることを現地等で確認したものであるため、特にデータそのものの提出は求めておらず、当省においてデータは保有していない。(通産省12月8日付文書)

<東電>東京電力はベルゴニュークリア社から「品質保証の結果シート」をもらう。その内容は確認したというサインがあるだけ。実際の計測データは日本にはきていない。ベルゴニュークリア社にあって、東京電力はそれも確認している。(通産省説明12月22日)

●問題点

1.品質管理のための検査について

 東電9月付の報告書の中には、「ペレット外径の測定にあたっては、…測定システム自身が、測定データを直接コンピュータのデータベースに登録される仕様となっていることから、システム的にデータ改ざん等、人の介在する余地がない…」とある。しかし、通産省は、測定は「グローブボックスの中で手動でピンセットを使って行なう。」「検査員がデジタル式マイクロメーターにペレットをセットし、データ入力スイッチを足で踏むことにより、データがコンピュータに転送される」と、測定そのものと、データを送る作業は手動であることを明らかにしている。また合格判定が、1本でも規格外があれば約7000本のペレットを含むロット全てを不合格とする判定法を採用していることから、むしろ不正が行われる余地の大きいやり方で検査を行っている、と見るべき。不合格品を出さないために、検査員が測定点を変えながら測定を繰り返し行い、合格する測定結果が出たときにだけ足でスイッチを踏む、あるいは、不合格品はデータを送らず、そのかわりに合格しているペレットで何度もデータを送る、などの不正が行われた可能性は否定できない。

2.工程管理のための検査について

 通産省によると、ベルゴニュークリア社は東京電力用MOX燃料の製造にあたって、工程管理のためのペレット外径の全数検査は行っておらず、100個に1個の割合で抜取り検査を行っているだけである。全数検査を行っていないことについて通産省は、「ベルゴニュークリア社はBNFLよりも製造技術が高いのでその必要がない」と述べているが、その根拠は明らかにされていない。通産省は関電の不正にあたっては全数検査の意義を強調している。

3.東電・通産省のあまりにずさんなチェック

 製造時の検査にしても、高浜原発用燃料の不正が明らかになった後に行われた昨年9月の段階の調査にしても、東電、通産省は肝心のペレット外径検査記録について、チェックをしていない。あまりにずさん。1個でも規格外は許されないというやり方をしている以上、抜取りの抜取りの立会いでは不十分。品質管理検査データと工程管理検査データについても公表すべき。


TOP | HOME