プルサーマル・MOX燃料疑惑

ベルゴニュークリア社製東電MOX調査報告(06/01up)

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 昨年12月から、数回にわたり通産省および東京電力に対し東電用MOX燃料の品質管理を中心に質疑・意見交換を行ってきた。

 以下はこれらの聴取から判明したことを4月末時点でまとめたもの。

東電用MOX燃料問題市民検討委員会
00/05/07 

 

 80キロを1単位として、酸化ウランと酸化プルトニウムをブレンドし、約7000個のMOXペレットに加工成型し、約1700℃の高温で焼き固める。ペレット1個のサイズは外径約1cm、高さ約1cmで円筒型。これを砥石で精密に削り上げなければならない。その理由は、ペレットが詰め込まれた燃料棒被覆管とペレットの間隙が大きすぎても小さすぎても被覆管の損傷原因となり、燃料棒からの放射能漏れをもたらすからである。

 

(1)全数計測−1次計測

 そこで、定められた仕様値内に納まらない外径をもつペレットをはねるため、研削の後、外径を測定する。仕様値は10.35±0.02mmで、ペレットの上・中・下3カ所の内、1カ所でも仕様値をはずれるものは自動的にはじかれる。これを一次計測とする。

◆一次計測の方法:柏崎刈羽3用ペレットは、全数レーザー計測装置で測定したが、福島第一・3用では、6割は新しいラインでレーザー計測したが、4割は古いラインのため、100個に1個を抜き取り手動で計測、その結果が仕様内ならば残り99個も合格とする。すなわち、福島第一・3用では全数計測していないというのが、昨年12月〜今年1月ごろの国や東電の説明であった。しかし2月に提出された東電の報告書では、福島第一・3用も全数レーザー計測されたとなっており、その後の説明は一貫して報告書のとおり、福島第一・3用も新しいラインに変わっていたことを知らなかった、としている。

◆一次計測の結果:全数計測データは、保存する義務のないデータとなっており、したがって残されていない。上書きされていく。ただし、レーザー計測器のために保存してある可能性もありと、東電では口にしている。

 

(2)品質保証――2次計測

 一次計測は製造管理のための計測であり、品質保証の観点からは品質部門において抜き取り検査を行う。測定はデジタル式マイクロメータによる。抜き取り率はMILSTD105Dに基づいて設定、サンプル中に仕様をはずれるペレットが1つでもあれば、その母集団に属するペレットを全数不合格とするゼロ・イチ判定を採用している旨、報告書に明記しているが、国や東電への聞き取りによれば、以下のように同規格を大幅にくずした検定を行っていることが明らかとなった。

◆抜取率:ベルゴ社の実績から合格品質水準(AQL)を0.15%としている。このAQLに相当するMILSTD105Dの抜取率は、該当する母集団(これをブレンダーと称している)の大きさに対し、"並"でサンプル数80個、これを10回クリアしたあと"ゆるい"に移行して32個に落とすことができるとしている。しかし、東電の説明によればMILSTD105Dを適用したわけではなく、はじめの3ブレンダーは80個以上で、具体的な個数はベルゴ社の占有情報につき言えない。その後は32個以上でやはり具体的な個数はベルゴ社の占有情報であり、言えないという。何個抜き取るかは、そのつど作業指示書で定めており、一定数ではない。すべてはベルゴ社との契約により、はじめから"ゆるい"でよいとしているが、念のためはじめの3ブレンダーのみ80個以上としている。抜き取り総数は福島第一・3用で2852個。柏崎刈羽3用で3021個。

◆検査データ:データは1ペレットにつき、上・中・下の3カ所について測定。足踏みスイッチを踏むことにより、コンピュータのデータベースに入力される。80個以上のサンプルを抽出した生産開始時のはじめの3ブレンダーについては、さらに90度交差した方向の外径も測定、1ペレットにつき、6個のデータが採取されている。データ総数は福島第一・3用9516、柏崎刈羽3用10488。測定データはすべてベルゴ社に帰属する。同工場でのみアクセス可とされ、東電も東芝も通産省も工場内でしか見ることはできない。東電は見ているが通産省は見ていない。

◆不合格品の扱い:この品質保証のための二次計測により不合格となったブレンダーは、原因に応じて再研削、全数測定(一次計測のやり直し)ののち、二次計測のやり直しを行った。これもゼロ・イチ判定だがこのとき何個抜き取るか、また何回までやり直しを許すかはベルゴ社との契約によるが占有情報なので言えない。MILSTDでは、"並"に戻すことが義務づけられ、その結果、抜き取り数80でなければならない。柏崎刈羽3用では不合格ブレンダーが生じた。何ブレンダーかは言えない。通産省は何ブレンダーか聞いているが言えない。福島第一・3用はすべて合格であった。

◆不良率の推定:最終的に合格したペレットは福島第一・3用が約43万個、70ブレンダー、柏崎刈羽用が約41万個、62ブレンダー。しかし製造されたペレット総数やブレンダー総数は占有情報で言えないという。だが、80キロから約7000個のペレットが製造されるとしていることから不良率が推定できる。合格したペレット個数は1ブレンダーあたり福島第一・3用が、約43万個÷70≒6140柏崎刈羽3用が約41万個÷62=6600であって不良品はそれぞれ約860個、約400個となる。福島第一・3用は一次計測だけではねられたもの、柏崎刈羽3用は抜き取り検査ではねられたものも含むということになる。

 

(3)立会検査−3次計測

 製造期間中に東電立会いのもと再検査を行った。これを三次計測とする。ベルゴ社が抜き取ったサンプルペレットの中から、任意のブレンダーを指示し、ベルゴ社により二次計測済みのペレットを再測定する。ただし、ベルゴ社が測定した個数と同数ではなく、また3点とは限らない、1点以上。抜き取り総数は福島第一・3用448個、柏崎刈羽3用912個、データ数はベルゴ社占有情報につき言えない。 この結果をヒストグラムにしてベルゴ社の分布と比較して、類似の分布形状を示すから、ベルゴ社の検査(二次計測)が適切に行われたと結論している。しかし、このヒストグラムは、異なる母集団から得られたサンプルデータを合計するという統計的に誤った処理をしており、上記結論は導き得ない。

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