プルサーマル・MOX燃料疑惑

情報を開示せよ!さもなくばMOX燃料の使用をやめよ!(05/08up)

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BNFL社で発覚した不正に対応した調査がなされていない
不正はグラフの異常にあらわれる−BNFL社・関電のデータから−
不正を覆い隠すデータの「加工」−ベルゴ社・東電のヒストグラム−
正規分布との比較にみる東電のヒストグラムの異常
規格に従わない抜取検査
不合格ブレンダーの扱い
全数計測記録の保存について
AVI社とベルゴ社の関係−第三者機関とはいえない−
重大事故のリスクを高める「プルトニウムスポット」の検査は十分でない


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BNFL社で発覚した不正に対応した調査がなされていない

 東電のMOX燃料の品質管理状況についての再調査は、そもそもBNFL社での関電用MOX燃料の製造に際しての不正が明らかになったことを受けてのものである。東電の9月報告書ならびに2月報告書ではBNFL社で当時発覚していた、"すでに合格している検査データをコピーし、流用して実際には検査を行わなかった"という不正がベルゴニュークリア社(以下ベルゴ社)でもあったのかどうかという観点での調査がされており、検査データが後から書き換え可能であったかどうかが調べられている。一方、今年3月になってBNFL社で、ペレット製造と品質管理において新たに以下の2つの不正が発覚した。

 

不正@ 「植木鉢型」の形状をしたペレットを合格させるために、上中下の3点を測定する全数計測の測定点を操作し、中央部付近だけで計測するよう測定装置を操作していた

BNFLは生産性を上げるために安全性を引き下げた
…MOX製造が…始まって間もなく、ペレットは研削過程から「植木鉢型」をして現われることが明らかになった。…多くのペレットの一方の端が著しく広いことを意味しており、したがって自動レーザーマイクロメーターは安全仕様の許容範囲から外れる多くをはねた。
 BNFLは「上」と「下」の読みの位置を、ペレットの端ではなく、中央の読みの位置から2ミリメートルの範囲内になるように変えた。−3月7日付 ザ・インディペンデント紙(ロンドン)より

 

不正A 品質管理の抜取検査において、外径の計測時に仕様値をわずかに超えるものがある場合に、これを90度回転させて計測し直していた

d 抜き取り外径検査の測定方法
管理者への聞き取り調査の結果、以下の事項が判明した。
(a)検査員は、測定値が規格値をわずかに超えた場合には、ペレットを90度回転させて再度測定していたことがあった。この方法は要領書に記載されていなかった。…
−3月1日 関西電力BNFL調査中間報告より

 

 不正@は、BNFL社で異常な形状のペレットが作られていたことを示しており、製造能力そのものに問題があったことを明らかにしている。その異常なペレットを合格させるために、計測装置が不正に操作されていたことは、不正が検査員個々人の問題ではなく、会社ぐるみであったことを示している。さらに不正Aは、検査後のデータの操作ではなく、外径検査の計測そのものに不正があったことを示している。新たに発覚した不正は昨年に発覚したものとは質的に異なるものである。東電はこの新たな不正発覚に対応した調査を行っていない。

 東電のMOX燃料を製造していたベルゴニュークリア社においても、@形状が異常なペレットが製造された A外径の検査時に、形状が異常なペレット、あるいは合格範囲からはずれるペレットを無理に合格させるために、計測そのもので不正が行われていたのではないか との疑問を抱かざるを得ない。

 東電によれば、ベルゴ社では品質管理検査時の外径計測は手動で、検査員はペレットをピンセットで測定装置に運び、測定値を確認した上で足のスイッチでデータを送っていた。そこに検査員の意思が介入する余地はあることは東電も認めている。またベルゴ社では、抜き取った32個(以上)のペレットのうち1つでも不良品が見つかれば、約7000個のペレット全てを不合格にするという抜取方式を採っており"ペレット1つも不合格にできない"というプレッシャーが検査員にかかっていたと思われる。ペレットを回転させ、移動させながら、合格するまで測る、あるいは「植木鉢型」のペレットを合格させるために、合格する数値が出たら同じ場所で3点を測定する、といった不正が行われた可能性は否定できない。測定点はどこか、検査員がどのようにして測定点を決め、それが規定と異ならないようにどのような措置をとっていたのか等については、一切が明らかにされていない。

 

東電2月報告書より

 

 東電は「東電の立会検査が測定時の不正を抑制する」と主張し、不正がなかった根拠として、東電の立会検査でのデータと、同じブレンダーのベルゴ社のデータがほぼ一致することを挙げている。しかし、東電によると立会検査時の測定点数は、1つのペレットにつき1点(以上)でしかない。1点では、上中下の測定点が規定どおりであったか、同じ場所で3回測定するといったようなことがなかったのか、あるいは回転させて再測定されていないか等を確認することはできない。

 ペレットの形状異常や測定時の不正の有無を確認するためには、測定データの統計的な分析が必要なことは、BNFL社での不正調査の過程で明白になっている。検査時のブレンダー(=計測ロット)ごとの分布の全数計測記録との比較検討、90度回転時のデータや上中下の測定点別のデータの検討、合格範囲の限界部で不自然な分布がないかどうか等を含めた分析が必要であると思うが、こうした検討は一切なされておらず、データは、東電側の要求で行われた品質管理検査データも、東電の立会検査時のデータですら公開されていない。

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不正はグラフの異常にあらわれる−BNFL社・関電のデータから−

 上に示したのは、BNFL社で製造された高浜4号炉用MOX燃料のあるロットの外径測定データの分布をグラフにしたもので、全数測定データの分布が、山が1つの形状であるのに対し、品質管理の抜取検査データの分布が、山が2つの不自然な形をしていることがわかる。これは抜取検査データに、本来あるべき分布とは別の分布のデータがまぎれていること、すなわち別のデータがコピーされていることを物語っている。このP824というロットは、関電は「不正なし」と主張していたものだが、市民団体がグラフの異常を根拠に、抜取検査に不正があったと主張し、後に英国の原子力規制当局(NII)が不正を認め、最終的に関電も不正を認めた、という経緯がある。最終的にこのロットでは600データ中308データをP823からコピーしていたことが明らかになっている。

 そして、今年3月になってBNFL社で発覚した2つの新たな不正についても、それがデータの分布の異常となってはっきりと表われている。

不正@ 「植木鉢型」の形状をしたペレットを合格させるために、上中下の3点を測定する全数計測の測定点を操作し、中央部付近だけで計測するよう測定装置を操作していた

不正A 品質管理の抜取検査において、外径の計測時に仕様値をわずかに超えるものがある場合に、これを90度回転させて計測し直していた

@ 「植木鉢型」ペレットを通すために測定点を操作したことによるグラフの異常

 上図はP829というロットの全数計測データの分布と抜取検査データの分布である。抜取検査データの分布が、全数測定データの分布に比べて全体的に右の方、すなわち数値の大きい方にずれていることが分かる。他のロットにも同様の傾向が現れており、この傾向については関電も9月付の中間報告で指摘している。この原因が「植木鉢型」ペレットを通すために測定点を操作したため、と推測されるのである。

 

→ 工程管理のための全数計測 →→→ 品質管理のための抜取検査→→→

・全数計測…中央部だけ測る不正で「植木鉢型」ペレットを円筒形に見せかけ無理矢理合格させていた。

・抜取検査…広がった一方も測った上で平均値を取っていたため全数計測の平均値よりも必然的に値が大きくなった

 全数計測では、一方の端が広がっている「植木鉢型」ペレットにおいて、その広がった端を測ったときに測定値が仕様値を超え、そうしてはねられてしまうペレットが多く出たため、BNFL社は測定点を操作し、中央付近でだけ測定していた。その後の抜取検査では、規定どおり上中下の3点が測定されていたので、両者の平均値と平均値を比較すると、抜取検査の方が広がった端の値を測定している分だけ、必然的に数値が大きくなる。

A 90度回転して測り直していたことによるグラフの異常

 検査員は、仕様値よりわずかに大きいペレットを通すために、90度回転し、正確には楕円形をしたペレットの断面の径の短い測定点を探して測定し直す、という不正を行っていた。「植木鉢型」の広がった端を測定するときに、そうした操作が行われていたと推測される。検査データの分布をよく見ると、仕様限界値の大きい方のすぐ内側に異常なピークが存在するが、これがその不正によるものと思われる。これも他の多くのロットで同様な傾向が見られるものである。

 以上のように、測定時の不正は、測定データの分布の異常に表われる。こうしたやり方は、NIIや英国の認証機関も、BNFL社の不正調査に際して用いたと思われる。東電の調査にも当然、応用されるべきものである。

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不正を覆い隠すデータの「加工」−ベルゴ社・東電のヒストグラム−

 東電2月報告書には、ロットごとの外径測定データの「ヒストグラム」が付録にあり、これが唯一のデータらしきものである。これはベルゴ社が作成したものだが、以下の2点の「加工」が施されている。

加工@ 付録のデータは、製造ロットごとのものだが、外径検査の抜取の単位はブレンダーである。製造ロットはいくつかのブレンダーを含み、ロットごとのデータではそれが足し合わされている。

加工A 外径の測定精度は1000分の1ミリメートルである。しかし、付録の「ヒストグラム」は1000分の4ミリメートル単位にまとめてある。

 こうした「加工」がベルゴ社においてBNFL社と同様の不正があったのかどうかを、データの分布の異常から推測するのを困難にしている。ベルゴ社が行った「加工」がいかに不正を覆い隠すのかは、BNFL社で不正が表われているグラフに、ベルゴ社が行ったのと同じ加工を施してみれば一目瞭然である。

加工前加工後

・P824は抜取データにみられた2つの山が、1つになってしまい、コピーの痕跡が消えてしまう。

加工前加工後

・P829の仕様値の大きい方の限界の手前にあった異常なピークは消えてなくなり、異常のないグラフになってしまう。

 

 東電2月報告書の、今回の再確認結果の中に「ヒストグラムを確認」したとの記述があるが、これは、付録にある「ヒストグラム」と同じものであると証言している。しかしこのヒストグラムの形状から不正の有無を判断することはできない。このことは東電自身も「ヒストグラムはロットごとに足し合わされているので、ここから確認できるのは計測データが仕様値内に収まっていることをだけである」と認めている。

 なぜデータをロットごとにまとめ、1000分の4ミリ単位にして分析が困難になるようにしたのか、という問に対して、東電は「全体のデータだけでは満足してもらえないと考え、ベルゴ社と協議して、もう少し細かいデータをということで出した」と述べている。しかし分析ができなければ出す意味がない。これは国民ならびに通産省を愚弄するするものである。さらに、ベルゴ社が作成したこの「ヒストグラム」だけでデータの確認を済ませている東電の調査の姿勢も問題である。

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正規分布との比較に見る東電のヒストグラムの異常

 東電のヒストグラムには、平均値と標準偏差が記されているので、正規分布との比較は可能である。東電の抜取検査での抜取数は32個(以上)と、関電と比べても非常に少ない。これは、少ない32個でも全体の分布を反映している、すなわち全体が正規分布に近い状態であることが仮定されているとみなされる。

 ところが実際にこの比較を行うと、以下に示すように、正規分布に比べて、抜取検査結果が中央付近に集中する傾向が多くの製造ロットで見られる。このことは、検査員が仕様の中央付近の値が出たときに3回スイッチを踏んでデータを送るなどの不正があったことを疑わせる。そうでないというなら東電は上中下、ならびに回転前後の数値データを示さなければならない。

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規格に従わない抜取り検査

 品質管理検査における抜取数、判定基準については、東電2月報告書に「MIL−STD−105D(JISZ9015に相当)に基づいて設定した」との記述がある。しかし、実際には少なくとも以下の3点について、MILスタンダード(米軍規格)とは異なる検査が行われていたことが明らかになっている。

 

@ ばらばらな抜取数

 東電によると、検査ロット=ブレンダーごと抜取りは、各号機の最初の3ブレンダーについては80個以上、その他は32個以上とし、ブレンダーによって何種類かの抜取数を用いていた。これは決まった抜取り数を求める規格とは明らかに異なる点である。東電は「多い分には問題ない」としているが、なぜ抜取数をブレンダーによって変えるのか、誰が何を基準にそれぞれのブレンダーについての抜取数を決めていたのかについては一切明らかになっていないし、抜取数が変動することによって生じる不正の余地についても検討されていない。製造ロットごとのブレンダー数、ブレンダーごとの抜取ペレット数も一切明らかにされておらず、後者の数値については通産省ですら承知していない。

1ブレンダー約7000個→あるときは32個  1ブレンダー約7000個→あるときは80個
1ブレンダー約7000個→あるときは33個? 1ブレンダー約7000個→あるときは64個?
1ブレンダー約7000個→あるときは100個?
あるときは1ブレンダーを半分にして約4000個→?個

 

A 不合格後の切替え手順に違反

 ベルゴ社ではMILスタンダードの抜取規格のうち、約7000個のペレットを含む1ブレンダーから32個(以上)を抜取り、1つでも仕様外のペレットがあった場合には、そのブレンダーを不合格にする判定(0・1判定)が適用されていた。これは抜取数が少ない「ゆるい検査」の条件である。規格では「ゆるい検査」を行っているときに、1つでも不合格のブレンダーが存在した場合には、それ以降の検査を「なみ検査」(80個の抜取りが必要となる)に切替えなければならない。

8.3 切替え手順
8.3.4 ユルイ検査からナミ検査へ
ユルイ検査が行われているとき、初検査で次の条件のうちどれかひとつでもおこったら、ナミ検査にうつる。
a.1ロットでも不合格となった。

MIL‐STD‐105Dより

 しかしベルゴ社は、東電柏崎刈羽原発用MOX燃料の品質管理の抜取検査において、不合格となったブレンダーが存在したにもかかわらず、その後の検査を「なみ検査」に切替えていない。これは明らかに規格に違反する行為である。

<切替え手順>

●規格に従うと

32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)合格→32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)★不合格★→なみ検査に切替え→80個抜取り0・1判定(なみ検査)→80個抜取り0・1判定(なみ検査)→…少なくとも10回連続の合格で再び「ゆるい」へ…→32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)→…

●ベルゴ社−東電の場合

32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)合格→32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)★不合格★→切替えず<規格違反>→32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)→32個抜取り0・1判定(ゆるい検査)→…

 

B はじめから「ゆるい検査」

 規格に従えば、検査のはじめは「なみ検査」で、これの合格が続くとはじめて「ゆるい検査」に移行できる。「ゆるい検査」に移行するためには、少なくとも10ブレンダーが連続して合格する必要がある。はじめから「ゆるい検査」を適用し、多めの抜き取りを最初の3ブレンダーでのみ行ったベルゴ社の場合、明らかにこれに従っていない。これも規格よりも甘い基準である。

8.1 最初の検査
責任者がとくに他の指定をしない限り、検査はナミ検査から始める。
8.3 切り替え手順
8.3.3 ナミ検査からユルイ検査へ
ナミ検査が行われているとき、次の条件が全部満たされたならば、ユルイ検査にうつる。
a.最近の引き続く10ロットがナミ検査をうけ、初検査で一つも不合格とならなかった。

MIL‐STD‐105Dより

 以上はJISの抜取規格(JISZ9015)に完全に従ったBNFL社−関電とも際立って異なる点である。こうした点を問いただすと、東電・通産省は「規格に完全に従ったわけではなく、規格に基づいて当事者間(東電・東芝とベルゴ社)で協議をして決めたやり方に従ったもので、このやり方が守られていれば問題はない」と主張する。しかし、これを安全審査書や品質保証に照らして検討した場合、以下の2点について大いに問題がある。

 

@ JIS規格に準拠することを要求している安全審査書に抵触する

 安全審査指針(発電用軽水型原子炉施設に関する安全設計審査指針)は従うべき規格について以下のように定めている。

指針.1 準拠規格及び基準
 安全機能を有する構築物、系統及び機器は、設計、材料の選定、製作及び検査について、それらが果たすべき安全機能の重要度を考慮して適切と認められる規格及び基準によるものであること。

 この指針に対応して、福島第一原発3号炉ならびに柏崎刈羽原発3号炉の原子炉設置許可(変更)申請書では、準拠すべき規格の(4)に「日本工業規格(JIS)」を挙げている。

 ベルゴ社−東電が「基づいた」とするMILスタンダードは、申請書の中には挙げられておらず、東電はこれがJIS規格に相当する根拠を示さなくてはならない。仮にそれに問題がないとしても、規格に違反するようなやり方を、別に事業者と製造会社間で勝手に定めて運用していたことは、安全審査書に明らかに抵触していると言わざるをえない。

 

A 規格を根拠にして品質水準が保証されるとは言えない

 東電は2月報告書において、「抜取検査はAQL(合格品質水準)0.15%に相当」すると述べ、さらに、同時期に東京電力原子力管理部が作成した「MOX燃料ペレットの製造と品質管理」というパンフレットではベルゴ社での抜取検査がAQL(合格品質水準)が0.15%であり、また合格品質水準がブレンダーあたりの不良品の割合であることを示した上で、「ベルゴニュークリア社の抜き取り検査は合格品質水準から見てBNFL社よりも厳しいものになっています」と述べている。

 しかしここで言う「合格品質水準」は、規格に記載されている数値である。規格に違反するような抜取方法を行っていたベルゴ社−東電の場合には、規格を根拠にして品質水準がどうだという主張は全く意味がない。東電・通産省は、品質水準について、別の根拠を挙げなければならないが、ブレンダーごとの抜取数や、不合格ブレンダー数といった基本的なデータすら開示されない現状では、何も示すことはできない。

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不合格ブレンダーの扱い

 東電によると、柏崎刈羽原発用MOX燃料で存在した不合格ブレンダーは、含まれていたペレットが再び全数計測にかけられた後再検査が許され、合格していた。

 不合格ブレンダーの存在は、全数計測を逃れる不良ペレットが多数存在することを示す。にもかかわらずその全数計測にかけ直しただけで再検査を許すことに問題はないのか疑問である。

6.3 再提出ロット
 不合格となったロットは、全数再点検または再試験を行い、かつ不良品は全部取り除くか、または欠点を全部修理した上でなければ、再検査のために再提出してはならない。
 ナミ検査とキツイ検査のどちらを使用するか、また、再検査の際にすべての種類のまたはすべての階級の欠点を調べるか、あるいは最初の不合格との原因となった特定の種類または特定の階級の欠点を調べるかについては、責任者がきめる。
MIL‐STD‐105Dより

 さらに、契約がどうなっていたのかにも疑問がある。というのは、東電報告書によると、東電が製造工程の最後に全数計測が行われていたことを知ったのは今年になってからであり、契約時には明らかに製造工程での計測は抜取りであることが前提だったからである。

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全数計測記録の保存について

 通産省はこれまで全数計測記録については、上書きされて消去されるので存在しないとの説明を行ってきた。しかし東電は、全数記録は打ち出されており、社内文書である「レーザー計測装置認定報告書」の基礎資料となっていることを明言は避けながらも証言している。全数計測記録は保存されていながら、それが隠されているのではないかという疑いを抱かざるを得ない。通産省はこれまでの説明が誤りであることを認め、「レーザー計測装置認定報告書」ならびに全数計測の記録を開示させるように指導すべきである。

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AVIとベルゴ社とは密接な関係があり「第三者機関」とはいえない

 東電が第三者機関として検証を依頼したAVI社は、そもそもはベルギー国立研究所(SCK/CEN)が発生母体である。、ベルギー国立研究所は認証会社CORAPROを設立し、CORAPROは後に別の認証会社AVN社と合併するが、そのAVN社はAVI社の原子力部門である。一方でベルギー国立研究所(SCK/CEN)はベルゴニュークリア社に50%の出資しており、東電のMOX燃料の品質管理検査においても、プルトニウム富化度の検査に関わる検査(同位体組成の検査)の依頼を受けていた組織である。AVIはベルゴ社と関係があり、「第三者機関」とはとてもいえない。東電はこうした事実を明らかにしていない。AVIがベルゴ社にとって「第三者機関」であるとはとても言えず、AVIによる認証をもって客観的なチェックを受けたとはとてもいえない。

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重大事故のリスクを高める「プルトニウムスポット」の検査は十分でない

 「プルトニウムスポット」と呼ばれるプルトニウムの偏りは、燃焼の異常の影響が被覆管に及び燃料損傷に至る可能性がある。重大な事故のリスクを相当増大させることにつながり、安全上重要な問題である。ウランとプルトニウムの酸化物を細かく砕いて混ぜ合わせるのが粉体技術であるが、専門家によるとこれには限界があり、さらにベルゴ社で用いられている粉体、混合技術はBNFL社と比較しても古く、劣るものである。安全上問題となる「プルトニウムスポット」が存在する可能性は十分に有り、品質管理上は詳細な検査が要求されるはずである。しかし、今の検査技術では、質的にも量的にも十分にはできないことも指摘されている。東電用MOX燃料の場合「プルトニウムスポット」の検査については、福島第一原発用で32ペレット、32データ、柏崎刈羽原発用で36ペレット、36データと、やはり抜取り数があまりに少ない。サンプルの取り方、検査の詳細、検査の精度等については一切明らかになっていない。これではペレットの健全性は保証できない、と考えざるを得ない。

 さらに「プルトニウム富化度」の検査については、福島第一原発用が10データ、柏崎刈羽原発用が12データとなっている。これは、BNFL社(1ロットあたり1件、合計約200件、1件は2ペレット)と比べてもあまりにもサンプル数が少ない。4種類ある富化度で2〜3データずつでしかない。サンプルの取り方、検査方法については一切明らかになっていない。

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